中耳炎(急性中耳炎・慢性中耳炎)について

 私は元来、内科出身の医者でしたが、漢方を中心に開業するときに岳父から漢方は皮膚病にも良いという事で、開業時の標榜科目は内科と皮膚科で出発しました。市中病院で働いていたときに出会った優れたオーベン(指導医)に、ステロイドは麻薬のようなものであり、一度使うとやめられないからできる限り使わないほうが良いと、こっそり指導されていたので、ステロイドは病気を治すものではなく、一時的に症状を取るだけであり、根本治療ではないという事を叩き込まれていました。内科の領域でステロイドを使うのは、喘息だけであり、この気管支喘息もアレルギーであり、ステロイドを大量に使って免疫を抑えれば、一時的には劇的に効くという事は見聞きしていました。

 

 25年前に内科と皮膚科を標榜したときに、皮膚科の患者はアトピーがほとんどであり、ほとんどのアトピー患者はステロイドを求めてきたのですが、ステロイドは良くないと説明し、その意味を理解している患者はついてきてくれました。ところが漢方は必ず免疫を上げてしまうので、リバウンドが出現しアトピーの患者には嫌がられました。私を信頼してくれるアトピー患者はよく言いました。『先生のところに来ると、アトピーは治るどころか悪くなるから行くな、という噂が高槻市中に流れていますよ。』と。その頃は私は肝臓病の漢方治療に専念していたので、リバウンドの意味を理解できない患者は放っておけばいいのだと思い、何も気にはかけませんでした。薬剤師の妻は『ステロイドが欲しい患者にはステロイドを出してあげれば喜ぶのに。』と、しばしばアドバイスをしてくれたのですが、私は生まれつきの偏屈であるので、『治りもしないのに騙して金を儲けるのは嫌だ。』と、そのたびごとに口論したものでした。しかもステロイドを大量に塗りこんできたアトピー患者に対してステロイドを使うことをやめると、必ずステロイド離脱症状であるリバウンドが生じたのですが、このリバウンドに対する対応の仕方もどの本にも書かれていなかったので、その対策に夜も眠れないこともありました。

 突然に熱が出るし、朝起きたときにむくみのために両目が開けられない、体液が全身から出る、訳のわからない皮膚の症状が出る、夜間眠れない、頭痛がする、関節が痛くなる、皮膚が黒くなる、突然しんどくなる、めまいがする、などなど・・・様々な華々しい症状がステロイドをやめたことをキッカケに出現しました。内科の領域では見たことがないあらゆる臓器に関係する症状に対してひとつひとつ勉強してきました。常に患者さんとコンタクトをとるために自宅の電話番号を知らせ、携帯電話が普及し始めた頃は、自分の番号を伝えて、困ったことがあったら必ず電話をしてもらうようにしていました。

 

 さらにアトピーをはじめとするアレルギーは、赤子から高齢な老人まで全てに見られる病気であるものですから、小児から老人までの全ての年齢の患者を診ていたのです。しかも人体は足の先から頭皮までの全ての臓器を皮膚で覆われているわけですから、表面的には全臓器に関わりがあるわけですから、私の専門とする内科はもとより、ある意味では全ての臓器を診察していたのです。この診察の中で疑問があればそれぞれの科に関わる医学書を買い込み、全ての疑問を解決すべく内科以外の他の科目をマスターする努力を続けたのです。ところがこのような医学書に書かれている治療法は、全て免疫を抑えて一時的に症状を除去して患者を喜ばせるだけで、病気の起こる原因治療はほとんどされていないことに気がついたのです。つまり、病気の起こる原因はほとんど無視され、免疫を抑えることによってしか現代の医療は対処できないという事もわかりだしました。それは製薬メーカーは免疫を抑える薬しか作れないからだという事もわかりました。

 このときに、それでは免疫を抑えるとは一体どういうことなのか、ということを理解する必要が出てきました。10年かけて漢方の研究で博士号を取った後、時間的余裕も生まれ、まだまだ新しい真実を学ぶ努力が激しいときには、右目から右後頭部にかけての不愉快きわまる痛みはあったのですが、さらに免疫学の勉強を始めたのです。劣等性であった府立医科大に在籍していた40年前頃は、免疫学などは点と点を結ぶだけで、何の面白みもありませんでした。しかし20年前ぐらいから徐々に徐々に免疫学の仕組みが明らかにされ、さらに免疫の働きが遺伝子によって支配されていることも分かるようになってきたのです。確立された免疫学を勉強することは、単に臨床で必要であったのみならず、病気の本質を知るためにも大いに役立ちました。大いに役立ったどころか、病気の本質は免疫と異物との戦いであり、戦う場所は病気の本質には関係ないということもわかったのです。従って病気を臓器別に分ける意味も全くないということもわかったのです。

 今述べたように、病気とは免疫と人体にとっての異物との戦いであるということもわかりました。となれば、現代の病気の敵である異物とは何かということを極める必要が出てきたのです。現代文明に見られるその異物とは、まずアレルギー・膠原病を起こす化学物質であり、次に細菌であり、最後に残された免疫の最も手強い異物がウイルスであるという事もわかったのです。ところが、現在ほど免疫学が進んでいなかった時代は、医者一人が全身を診ることができないので、臓器別に標榜科目が訳もわからずに作られたに過ぎないのです。ただし手術は臓器別に修練する必要があり、臓器別の標榜科目は外科的には必要であるのですが、開業医が医院で手術をする時代はとっくに終わっていますから、私のような開業医は、病気の成り立ちさえわかり、かつ手術が必要でなければあらゆる科目を標榜してもよいということも気がついたのです。

 

 このように病気の本質がわかったときに、私は全ての病気を治す事ができるようになったので、内科、皮膚科に加えて、眼科、耳鼻科を標榜し始めました。ただ小児科を標榜していないのは、乳幼児は遺伝的な疾患が隠されていたり、入院施設がないので免疫がまだできあがっていないうえに、身体の細胞も60兆個にも達していないので未完成であり、自分で好きなものを食べることもできにくく栄養不良にもなりやすく、また、ウイルス感染や細菌感染との戦いが重篤になるような緊急事態に対応できないので小児科を標榜していないだけなのです。また、私は漢方中心にやっているので、苦い漢方を飲まなければ免疫を上げられないので小児科を標榜することに躊躇している面もあります。しかし実際は乳幼児のアトピー治療で乳幼児をはじめ、小児も診察しているので風邪や感染症に対しても対応していますので、実際上は小児科を標榜しているのと変わりませんが。

 

 さあ、見出しの本論に入っていきましょう。私は開業以来、土曜日も日曜日も診察をしてきました。新たに耳鼻咽喉科と眼科も標榜し始めると、風邪の後に見られる滲出性中耳炎と診断されて来られる乳幼児や小児が多くなりました。特に日曜日がこのような患者さんが多くなりました。既に他の専門医がいる耳鼻科にかかっているのですが、中耳炎が治らないので、と受診される小児がほとんどです。お母さん方に『その中耳炎の原因は何だと医者に言われましたか?』と聞きますと、100%のお母さん方が『中耳炎の原因は未だかつて言われたことがない。』と答えます。しかも投与されている薬が熱さましであり、痛み止めであり、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤であります。ときに抗生物質が入っています。まさに大部分の薬が、私が現代医療の間違いだと指摘している対症療法以外の何者でもないのです。こんな対症療法で病気が治るわけではありません。だからこそ耳鼻科に通っていても治らないものですから、日曜診察をやっている当院に来られるのです。ついでに言えば、当院に中耳炎を診てもらいに来られるのは、消防署の救急に問い合わせて当院のことを知ってこられる人がほとんどです。

 

 母親にとって子供が熱を出すということが一番恐怖を呼び起こします。熱が出ているのは免疫が戦っており、正しい戦いであるということを誰にも教えられていないものですから、少し熱が出るだけでパニック状態になってしまいます。どの耳鼻科の医者も熱が得るのは、ウイルスか細菌のいずれかによるものであるということを誰も教えないのです。ただただ愚かで無知な母親にへつらっているのが耳鼻科医であります。ましてやアレルギー性中耳炎などという診断を下した耳鼻科医の話は聞いたことがありません。にもかかわらず抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤がなぜ必要かの説明は一切されてきません。

 

 ここでついでに述べておきましょう。熱性痙攣を恐れてすぐに解熱剤を使いたがる母親がいます。100人いれば7人ぐらいが熱性痙攣を起こすと言われていますが、これはこの7人が既にヘルペスに罹患していると考えます。何回も繰り返し熱性痙攣を起こしやすい子供に見られるのは、ほとんどが免疫とこのヘルペスの戦いのためだと考えております。痙攣というのは一過性に起こる不随意な骨格筋の収縮であり、普通は痛みを感ずるのですが、熱性痙攣を起こしている幼児は意識がないので痛みを感じていないようです。リウマチに際して見られる多発筋通称は100%免疫とヘルペスとの戦いによって生じた痛みですから、熱性痙攣もヘルペスが原因だと考えているのです。

 

 大人でない小児の中耳炎の全て急性中耳炎であります。突然に急に中耳炎が起こるキッカケは必ず風邪であります。風邪の原因は100%風邪ウイルスと免疫との戦いによって引き起こされ、その戦場はのどであります。のどとは食べ物の入り口である咽頭であり、咽頭は上気道の一部として食べ物が入る入り口である口腔と、空気が入る入り口である喉頭を連絡しています。喉頭は咽頭の奥にある空気の入り口であり、咽頭の近くに耳管があります。耳管は平均3.3cmであり、咽頭から中耳につながり、空気が出入りします。

 

 私の急性中耳炎と慢性中耳炎に対する治療法は、漢方煎剤と抗生物質であります。これでほとんどが治ってしまいます。なぜでしょうか?ウイルスに対しては漢方煎剤で患者の免疫を上げてあげて、自分の免疫でウイルスを殺させます。なぜならばウイルスを殺す薬は作ることができないからです。これから先も作ることは不可能でしょう。それでは抗生物質はどのようの働くのでしょう?まさに細菌を殺す手伝いをしてくれます。それでは中耳炎を起こす細菌は一体なんという細菌でしょう?これについて勉強したのですが、どんな専門的な耳鼻科学の本にも書かれていません。一番大事な敵である細菌について一行も書くことできないのが現代の医学のレベルです。さて私が中耳炎の原因菌を追究して答えを出してあげましょう。この答えを出すことができたのは世界的かつ専門的な感染症の書物である、アメリカのマンデルという人が書いた“INFECTIOUS DISEASES”を紐解くことによってそのヒントを得ることができました。この書物は日本語には翻訳されていません。あまりにも大部で専門的すぎるので、英語から日本語に翻訳しても買う人がいないからです。

 

 さて、風邪ウイルスが感染したときに見られる発熱や咽頭痛がどうして抗生物質で良くなるのでしょうか?答えを言いましょう。ウイルスを殺すのは自分の免疫であり、最後のとどめはそのウイルスに特異的なIgG抗体を患者が作る以外に殺しようがありません。この抗体を作るのには5~6日はかかります。ところが中耳炎に際しては、抗生物質を入れるとすぐに痛みがとれ熱も引きます。つまり中耳炎の敵は細菌であります。抗生物質は細菌しか殺せないからです。

 それではこの細菌はどんな種類の細菌でしょうか?インフルエンザ菌であります。ここで注意しておきましょう。インフルエンザウイルスとインフルエンザ菌とは全く別物であるという事を知っておいてください。インフルエンザウイルスはウイルスであり、インフルエンザ菌は細菌であるのです。インフルエンザ菌も色々なタイプがあり、タイプによって病原性が非常に異なるやっかいな細菌です。やっかいさにおいてはブドウ球菌や連鎖球菌に似た細菌であります。

 

 ここで疑問に思う人がいるでしょう。既にインフルエンザウイルスという名称が使われているのに、なぜインフルエンザウイルスと混同されやすいインフルエンザ菌という名前がつけられたかについて説明しましょう。1892年にドイツ人のパイフェルという医者がインフルエンザの患者から喉のぬぐい液を調べて細菌を見つけ、この細菌を世界的に流行するインフルエンザの原因菌と考え、インフルエンザ菌と名づけたのです。このような誤りは医学史上いくらでもあります。世界的に有名な野口英世も似たような間違いをしました。彼は黄熱病の原因菌を見つけ、ワクチンも作ったと称したのですが、黄熱病のワクチンを打ったアフリカ人が次々と死んでしまったので、その原因を調べるために自ら黄熱病ワクチンを打ってアフリカのガーナの首都であるアクラまで出向いたのですが、自分自身が黄熱病にかかって死んだのです。なぜこのような間違いが起こったのでしょう?この時代の病原菌体探しは光学顕微鏡だけであり、ウイルスのような極小の病原体を見つけることができなかったからです。

 インフルエンザ菌は人の鼻腔や咽頭や上気道に常在しているものであり、正しくはヘモフィルス・インフルエンザ桿菌とも呼ばれます。上気道炎や気管支炎や副鼻腔炎や肺炎や敗血症や髄膜炎や、さらに眼の涙嚢炎や結膜炎や中耳炎を起こすのです。常在菌であるインフルエンザ桿菌がどうして風邪をひいたときに悪さをするのでしょうか?答えを出しましょう。まず風邪を引き起こす多種多様のウイルスが喉の粘膜に付着し、侵入しようとします。このとき粘膜に傷がつき、常在菌であるヘモフィルス・インフルエンザ菌が粘膜内に侵入しようとしたときに、激しい免疫の抵抗に出会い、免疫とインフルエンザ菌の戦いとなります。風邪のウイルスとインフルエンザ菌の戦いにより、咽頭から中耳に通じている耳管の粘膜にもウイルスとインフルエンザ菌との戦いの炎症が及び、あるときは耳管炎を起こし、免疫が低下しているときにはさらに中耳までウイルスや細菌との戦いが激しくなって中耳炎を起こしてしまうのです。

 実は中耳で戦っている手強い細菌がいます。それが肺炎連鎖球菌であります。風邪のウイルスは患者の免疫で簡単に殺せるのですが、上に述べたインフルエンザ菌や肺炎連鎖球菌は抗生物質の手助けがないと戦いが長引いてしまうのです。両方の細菌は一種類だけではなく様々なタイプがあり、それぞれのタイプが様々な毒素を作り、免疫はこのような毒素とも戦わなければならないので症状が多彩となり、症状がなかなか取れないのです。とりわけこれらの細菌はリポポリサッカライド(LPS)という細胞膜を持っていて、これが毒素の元になるのです。

 今日はここまで 2011/03/21

長期の慢性中耳炎に伴う真珠腫は医原病だ

 中耳に発生する真珠腫性中耳炎は、長期にわたる一時的に炎症を抑える間違った中耳炎の治療の結果、殺されきれなかった手強いヘモフィルス・インフルエンザ菌、肺炎連鎖球菌などが中耳にとどまり、繰り返し化膿性の炎症が生じ、徐々に周囲の骨組織を破壊しながら次第に大きくなり、骨の伝音難聴やひどいときには脳内の内耳の迷路まで炎症が波及し、内耳炎を起こしたり、さらに奥深い頭蓋内まで炎症が波及することがあるのです。症状は悪臭のある耳漏と難聴であり、骨破壊がさらに進むと三半規管にも漏孔が生じ、めまい、感音難聴、顔面神経麻痺などが生ずることがあるといわれています。

 実はめまい、感音難聴、顔面神経麻痺は、真珠腫によって生じたのではなくて、免疫を長期に抑え続けたために内耳神経や顔面神経に増えたヘルペスとの戦いの結果であるのですが、耳鼻咽喉科の専門医は全く気がついていないのも不思議なことです。しかもヘルペスが増えたのも、痛みは取れるがこっそりと免疫を抑制する薬のためであることも耳鼻科医は気がついていないのです。

 もちろん何回も繰り返し間違った耳鼻科の炎症を抑える治療が行われ続けるには、何回も何回も風邪をひいて間違った治療を続ける必要があります。従って乳幼児には絶対に起こり得ない医原病であります。しかも真珠腫は良性の腫瘍であると言われ、従って除去すれば良くなるからと勧められて手術をやっても、上記の症状が残る患者さんがたくさんいます。確かに真珠腫は良性の腫瘍と言ってもいいのですが、あくまでも本来腫瘍というものは良性も悪性も遺伝子の異常の結果生まれたものであります。ところが真珠腫はヘモフィルス・インフルエンザ菌、肺炎連鎖球菌による感染症の治療の誤りの結果、炎症が続いたために徐々に生じた骨破壊により炎症が内耳まで波及した結果ですから、一般の腫瘍とは成り立ちが全然違うのです。しかも医者が増やしたヘルペスウイルスと免疫との戦いの症状が様々な神経症状であるので、真珠腫を除去しても症状が残るのは当然であります。いずれにしろ真珠腫性中耳炎も医原病の結果だといえます。

 なぜこれだけ色々な医原病が生まれるのでしょうか?答えは簡単です。絶対的に正しい免疫の遺伝子の命令に反する医療行為がなされるからです。なぜ病気が起こるのか、とかなぜ様々な症状が起こるかについての根本的な原因追究がなされずに、医療と称して長年にわたって免疫を抑えることによってのみ症状を取ろうとしたからです。何も医者だけが責任があるわけではありません。医療に100%無知な大衆は症状、つまり痛みであったり痒みであったり熱であったり痺れだったり不愉快さであったりするような、様々な症状を一挙に即座に取ってもらいたいと願い、その思いの通りに症状がなくなれば“病気は治った”と勘違いし、症状を即座に取ってくれる医者を名医と考えてきたからです。その意味では医原病はずるい医者と愚かな患者が協力して作り上げた病気であります。この医原病が現代は90%以上を占め、この医原病を治す事に私は過去25年間、日夜献身してきたのです。今後もこの医原病を治す戦いは続くことになるでしょう。残念です。

 今日はここまでです。2011/03/21