インフルエンザワクチンがなぜ必要でないのか?
それどころか重篤な副作用が問題となる。

 まず、インフルエンザがどんな病気であるかを述べ、さらにワクチンが必要でないという理論とその証拠をお見せしましょう。

 

 まず風邪とは何なのでしょうか?上気道の粘膜に取り付いたウイルスを粘膜の免疫がそのウイルスを排除するために炎症を起こし、水分が多量に流出し粘膜組織の細胞はアポトーシスを起こし、粘膜そのものの破壊は伴わないものです。つまり粘膜免疫の抗体であるIgAがウイルスと結びついて粘膜からウイルスを排除しようとして粘液が流出し、かつIgGが作られると粘膜組織の細胞がアポトーシスにより、細胞に感染したウイルスもろとも排除してしまうのです。従って粘膜組織の破壊は伴わないのであります。ウイルスと戦うときは、その水分にはサラサラした漿液が多いので、風邪のウイルスと戦うときには血漿性カタル性の炎症といわれるのです。

 この風邪の症状を起こすウイルスで、鼻の粘膜に見られる炎症を起こすのは、ライノウイルス、RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)、コロナウイルスであり、喉の風邪は、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、パラインフルエンザウイルスであり、気管支の風邪は、アデノウイルスやパラインフルエンザウイルスの他に、マイコプラズマやクラミジアが起こしやすいのです。これらの病原体は、上気道や下気道の粘膜の細胞のレセプターと結びつきやすい親和性を持っているので粘膜の細胞に感染することができるのです。インフルエンザウイルスは、決して肝臓の細胞に入り込んで肝炎を起こすことはないのです。なぜならばインフルエンザウイルスは肝臓の細胞のレセプターには結びつかないからです。逆にC型肝炎ウイルスは、気道の粘膜に親和性がないので風邪を起こすことはできないのです。

 それではインフルエンザは、なぜ特別扱いされるのでしょうか?以上に挙げた風邪のウイルスと同じく、上気道から気管支などの下気道に炎症が及ぶことが多いのですが、他の風邪と異なる特徴は何でしょうか?鼻汁や咳などの上気道や下気道の炎症症状以外に高熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状が、他の風邪の症状よりも目立つことであります。ここで問題になるのは、高熱はともかくとして、残りの倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状は、本当にインフルエンザウイルスと免疫の戦いのために起こるのかという問題があります。実はインフルエンザウイルス以外の風邪のウイルスによる風邪が起こったときも、多少の倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状が見られることがあります。実はこれらの症状は神経症状なのです。元来、風邪を起こすウイルスは全てこれらの神経症状を起こすことはできないのです。なぜならば風邪のウイルスは神経細胞に結びつく親和性がないので、神経細胞に入り込んで免疫と戦うことはしないからです。それでは以上の神経症状は何で引き起こされたのでしょうか?風邪のウイルスと戦っているときに、同時に体内の神経組織に住み着いているヘルペスウイルスとの戦いが生じたからです。

 なぜ風邪のウイルスと戦っているときにヘルペスとの戦いも生じるのでしょうか?答えは簡単です。風邪のウイルスを殺そうとするときには、免疫の働きが必ず強くなっていきます。風邪のウイルスもヘルペスウイルスも殺す免疫のメカニズムは全く同じなのです。特に風邪のウイルスもヘルペスウイルスも、いったん細胞に入ったときに、免疫は非特異的、かつ特異的にどのような戦いをするかを復習しておきましょう。と同時に風邪のウイルスがどのように殺されるかについても復習しましょう。現代の感染症で一番手ごわいのは、今テーマに取り上げているインフルエンザウイルスをはじめとする風邪のウイルスであり、ヘルペスウイルスでありますから、以前書き下ろした原稿を参考にしながら、なぜインフルエンザウイルスのワクチンのみならず、風邪のウイルスに対してもワクチンが必要でないのか、かつヘルペスウイルスに対するワクチンも必要でないかを論じていきましょう。

 『インフルエンザウイルスや風邪のウイルスやヘルペスウイルス(単純ヘルペス、水疱瘡、EBウイルス、サイトメガロウイルス、突発性発疹ウイルス)は人間の免疫によってどのようにして殺されるのか』というテーマで書き改めましょう。

 

 これから病原菌の中で最も手ごわいウイルスをどのようにして人体の免疫は殺してきたのか、と同時に今も殺しているのか、その方法の全てを説明すると同時に、ADCCやCTLについても述べましょう。C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、はしかウイルス、おたふく風邪ウイルスや、風疹ウイルスや、それ以外の全てのウイルスが人体の細胞に入り込んだときに、どのようにして人体の免疫が自分自身の細胞もろともウイルスも一緒に殺さざるをえないかを説明しましょう。

 

 まずウイルスが細胞の外にいるときは、補体系のタンパクがウイルスに付着して、大食細胞や好中球によって貪食されてしまいます。さらに補体系はウイルスの表面にMembrane Attack Complex (MAC)を作って、ウイルスの膜に穴をあけて殺してしまいます。ところが、ひとたびウイルスが細胞に入り込むと、補体や大食細胞や好中球は無力であります。

 確かにNK細胞や活性化された大食細胞はIFN-γやTNFのようなサイトカインを出して、感染された細胞のウイルスの数を減らすことはできますが、殺すことはできません。また、TNFは風邪ウイルスやインフルエンザウイルスやヘルペスウイルス感染細胞を殺すこともできますし、またNK細胞や活性化された大食細胞によって直接殺されます。

 しかしながらインフルエンザウイルスやヘルペスウイルスが一旦細胞に入れば、このような先天免疫による武器によっては完全に殺すことはできないのです。ここで初めてインフルエンザウイルスやヘルペスウイルスに対する特異的IgG抗体の出番となります。インフルエンザウイルスやヘルペスウイルスが一旦細胞に入り込むと、ものすごい勢いで細胞の中で増殖していきます。この勢いに打ち勝ち、インフルエンザウイルスやヘルペスウイルスを殺すことができるのが、後天免疫であるそれぞれのウイルスに特異的なIgG抗体の働きなのです。IgG抗体自身では殺すことはできないので、他の免疫細胞が必要になります。その代表がNK細胞であります。

 

 ナチュラルキラー細胞(NK細胞)やキラーT細胞(CTL)はIgG抗体のFc region に結びつくことができ、このIgG抗体は感染細胞の表面の膜に表示されているインフルエンザウイルスやヘルペスウイルスのペプチドとFabで結びつくことによって、NK細胞やキラーT細胞はこれらのウイルスの感染細胞を殺すことができるのです。もちろんマクロファージや好中球もこのようなナチュラルキラー細胞(NK細胞)と同じようにIgG抗体と結びついてヘルペスウイルス感染細胞を破壊することができるのです。このような抗体の働きをADCC【Antibody-Dependent Cellular Cytotoxicity】(抗体依存性細胞障害)と言われます。特にナチュラルキラー細胞(NK細胞)はインフルエンザウイルスやヘルペスウイルス感染細胞に結びつくと、まずパーフォリンを感染細胞に発射し、この感染細胞に穴を開けてグランザイムBをインフルエンザウイルスやヘルペスウイルス感染細胞に取り込ませ、細胞自殺を引き起こすのです。このようなADCCの働きにより、様々な酵素をはじめとする化学物質がナチュラルキラー細胞(NK細胞)から放出されると、細胞が自殺してしまうのです。この細胞自殺を英語でアポトーシスといいます。別に“予定された計画死”ともいわれます。さらにADCCの働きは大食細胞や好中球も持っています。ナチュラルキラー細胞(NK細胞)やキラーT細胞(CTL)と違う点は、ウイルスが感染した細胞に対して活性酸素や一酸化窒素を放出して、ウイルス感染細胞を殺してしまう点です。

 医薬業界はインフルエンザウイルスが怖い怖いと言いまくりますが、インフルエンザウイルスを怖がるべきは、医者たちが免疫を抑制するような薬を無理やり飲み続けさせられたりしている人たちだけなのです。例えばアレルギーや膠原病で、ステロイドをはじめとするあらゆる免疫抑制剤を投与されている人たちであり、免疫の細胞まで殺してしまう抗癌剤を投与されている癌患者だけなのです。なぜならば、インフルエンザを殺す免疫の力が極度に弱まっているからです。一方、一般の正常な免疫を持っている人はインフルエンザワクチンなどは何も要らないのです。自分の免疫でインフルエンザを殺すことが可能なのです。それ以外に医者を怖がらせるウイルスがいますか?ないでしょう。もちろん子宮頸がんを起こしやすくするヒューマン・パピロマウイルスは別の話です。

 ただヘルペスウイルスだけが人体にとって最もやっかいなウイルスとして人類が滅びるまで神経節に住み続けるのです。このヘルペスウイルスについて一切医者たちは知らぬ顔をします。なぜでしょうか?その答えはホームページのヘルペスの項目を見てください。ヘルペスウイルスこそ進化の中で最も狡猾なウイルスなのです。現代の医者たちのようですね。ワッハッハ!ヘルペスウイルスは人の命を奪う策略を進化させなかった代わりに、人間の免疫から回避できる最高度のテクニックを進化させて我が世の春を謳歌してきたからです。なぜこんなにヘルペスウイルスはずるいのでしょうか?それは免疫から逃れる戦略を何億年もかけて着々と身につけていったからです。ちょうど医者たちが一切医療界以外から批判を許さないという戦略を確立し、病気を治さなくてもお金を稼げる社会医療保険を作ったのと同じです。ワッハッハ!ヘルペスが免疫から回避する方法について詳しいことを知りたい人もホームページのヘルペスの項目をしっかり読んでください。従ってこれからの話も実際的には主に風邪のウイルスとインフルエンザウイルスと、さらにヘルペスウイルスに対してであります。

 さぁ、本論をこれから始めましょう。補体と好中球と大食細胞の話は既に終わったことにしておきます。これから話そうとするのは、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)とキラーT細胞(CTL)の話です。ナチュラルキラー細胞(NK細胞)とキラーT細胞(CTL)は全く違う種類の細胞なのです。この2つの細胞を同じものだと思い込んでいる人が多いので、気をつけてください。既にナチュラルキラー細胞(NK細胞)と抗体の話はADCCで説明しました。従ってADCC以外のナチュラルキラー細胞(NK細胞)の話をまずしてあげましょう。

 ナチュラルキラー細胞(NK細胞)やキラーT細胞(CTL)は先天免疫である好中球や大食細胞とは違った骨髄にある幹細胞から生まれてきます。キラーT細胞(CTL)やナチュラルキラー細胞(NK細胞)はあくまでもTリンパ球の1種類であることを確認してください。ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、Tリンパ球やBリンパ球と同じリンパ球系の仲間の細胞なのですが、Tリンパ球と最も異なる点がひとつあります。ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は敵を認識するのに樹状細胞や大食細胞などからインフルエンザウイルスやヘルペスウイルスなどの抗原を提示される必要がないのです。言い換えるとナチュラルキラー細胞(NK細胞)は特異的な目印を必要としないのです。この点は敵であれば誰彼となしに食べて殺してしまう好中球や大食細胞と変わりはないのです。つまりリンパ球の仲間のひとつであるにもかかわらず、自然免疫の好中球や大食細胞と似た性質を持っているのです。かといって、好中球や大食細胞とまた違った性格があるのです。つまり大食細胞や好中球は闇雲に異物を食べて殺そうとしますが、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は殺していい敵か殺してはいけない敵かを見分ける能力を生まれたときから備えている天才なのです。言い換えると、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は自分の味方、仲間、細胞を殺さないようにしているのです。詳しく言うと、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)と同じクラスⅠMHCを持っている細胞を殺すことはしないのです。殺すべき細胞はその表面に特別な炭水化物やタンパクを持っている細胞だけを殺すのです。つまり細胞がウイルスや細菌や寄生虫やカビに感染したり、癌細胞になったりして、それらの断片を表面に出している細胞だけを殺すのです。一言で言えば、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は自分自身の旗印であるMHCⅠがない細胞だけを殺すといっていいでしょう。

 それではどのようにして細胞を殺すことが出来るのかをもう一度復習してみましょう。2種類の殺し方がありますが、2つともウイルスが潜んでいる細胞を自殺させるといってもいいのです。その自殺のさせ方の1つは、まずナチュラルキラー細胞(NK細胞)やキラーT細胞(CTL)はパーフォリンというタンパクとグランザイムBという酵素の混ざったものを殺すべき細胞にまず注入します。パーフォリンが殺すべき細胞の膜に引っ付き、穴を開けます。こうして細胞に入り込んで自殺させる酵素であるグランザイムBが細胞の細胞質に放出され、そこでその細胞が自殺することができるようにカスパーゼという酵素が連鎖的に活性化されます。すると自分自身の細胞が持っている酵素、つまりカスパーゼによって細胞のDNAが崩壊してしまうのです。この働きはいわばグランザイムBという酵素によって“細胞自身が仕組んだ細胞自殺”ともいえます。これをアポトーシスといいます。

 2つ目の細胞自殺のやらせ方があります。ナチュラルキラー細胞(NK細胞)やキラーT細胞(CTL)上にFasリガンドというタンパクがあります。そのタンパクが感染した細胞の表面に表出されているFasプロテインと結びつくことが出来ます。結びつくと殺されるべき細胞内のカスパーゼという酵素がNK細胞やCTLの場合と同じように連鎖的に活性化されて、細胞自殺(アポトーシス)が起こるのです。

 それではなぜアポトーシスによって自分自身の細胞を自殺に追いやる必要があるのでしょうか?答えは簡単です。自分自身の大切な細胞に入り込んだウイルスを他にどのような殺し方があるでしょうか?殺人犯が人質をとって建物に隠れたときに、その犯人をどのようにして殺すことが出来るでしょうか?最後は人質を殺しかねない突撃しかないでしょう。しかもウイルスは、罪を軽減するからとか、金をあげるからとか、一生面倒見てやるからと頼み込んでも降伏してくれる敵ではないのです。だからこそ生命の最小単位である、自分自身の細胞と一緒にしか細胞内のウイルスを殺すことが出来ないからです。

 皆さん、自己免疫疾患という言葉はご存知でしょう。そもそも自分の免疫が自分を攻撃するという自己免疫疾患は、医学者たちが勝手に作り出した病気ですが、そんなに自己免疫疾患という病名を使いたければ、免疫が自分の細胞もろともウイルスを殺すときにのみ使えばよいのです。つまり細胞に隠れたウイルスだけをピックアップして殺すことが出来ないので、最後の手段として自分の細胞もろとも殺してしまうのです。これこそ自己免疫疾患というべきものです。ワッハッハ!このウイルスを殺す自己免疫疾患があるからこそ、人類は身を守り続けることができたのです。愚かな医学者たちは訳も分からず膠原病は自分の免疫が自分の細胞を攻撃すると言い張っていますが、とんでもない間違いであるとは既にあちこちで述べました。改めて自己免疫疾患はないというホームページの項目を難しいですが興味のある人は読んでください。本当の自己免疫疾患は細胞に入り込んだウイルスを殺すために、自分自身の細胞を殺してしまうという、アポトーシスのことをいうべきなのです。

 遺伝子しか持たないウイルスは、生きた人間の細胞に入り込んで増殖するための素材を生きた細胞からしか得られないので、生きた細胞に入り込むことによってしか生き続ける事ができないのです。このようなウイルスを殺すのは、ウイルスの住処である細胞と一緒に死んでもらうしかないので、自分の細胞を殺すというよりも、隣の細胞に被害を与えないためにウイルスが隠れている細胞だけ死んでもらうというシステムを人間の免疫は無限の時間をかけて進化させてきたのです。人間の免疫の進化はなんと素晴らしいかがお分かりになるでしょう。この進化の証拠である遺伝子を変えようとする愚かな医学者たちで世界は満ち満ちています。残念です。遺伝子万歳!

 さて、実はもうひとつウイルスを殺す方法を持っている細胞がありますが、それがキラーT細胞(CTL)というリンパ球であります。話の途中で何回も出てきましたね。キラーT細胞はCTLともいわれることも既に何回も書きました。実はキラーT細胞(CTL)が細胞に入り込んだウイルスを殺してしまうのは、上に詳しく述べたナチュラルキラー細胞(NK細胞)の殺し方と全く同じなのです。つまりパーフォリンとグランザイムBを使う殺し方と、FasリガンドとFasタンパクを使う殺し方であります。同じ殺し方であるのに、なぜ免疫の進化は2種類も作り出したのでしょうか?その意味を説明しましょう。

 実は、殺し方はナチュラルキラー細胞(NK細胞)とキラーT細胞(CTL)は同じでありますが、殺す能力を身につけるまでに違いが見られるのです。キラーT細胞(CTL)は必ず樹状細胞に敵を提示される必要があります。そしてその特別な敵をキラーT細胞(CTL)が正しく認識しなければならないのです。つまり殺すべき細胞のMHCⅠと結びついたウイルスのペプチドをキラーT細胞(CTL)は認識して初めて殺しにかかるわけです。一方、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、樹状細胞からウイルスの断片を提示される必要もないし、かつ認識する必要もないので、キラーT細胞(CTL)よりもはるかに早くウイルスを殺すことができるのです。

 なぜ同じ殺し方なのに2種類の違った細胞を神なる進化は生み出したかお分かりになりますか?ひとつの答えは樹状細胞が殺すべき敵をキラーT細胞(CTL)に見せるまでに時間がかかり、かつキラーT細胞(CTL)がヘルパーT細胞に刺激をするまでにもさらに時間がかかるからです。下手をすると敵が命を奪う可能性が出てくるからです。一方、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は敵だと分かれば、つまり自分が自分である旗印であるMHC1のタンパクを持っていないものは、MHCⅠを認識する必要がない、つまりMHCⅠを持っていない異物はすかさずナチュラルキラー細胞(NK細胞)に殺させる選択を進化は選んだのです。

 それでは敵を殺すのはナチュラルキラー細胞(NK細胞)だけに任せればよいのに、なぜキラーT細胞(CTL)にも殺す仕事を付与したのでしょうか?さらにナチュラルキラー細胞(NK細胞)は感染した細胞を殺すだけではありません。ヘルパーT細胞と同じように、IFN-γという非常に大事なサイトカインを作る製造工場でもあります。いわばナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、キラーT細胞(CTL)とヘルパーT細胞と大食細胞の“あいの子”のような天才的な細胞です。つまりナチュラルキラー細胞(NK細胞)はキラーT細胞(CTL)と同時にヘルパーT細胞と大食細胞の3つの役割を持っているともいえます。どうしてこのナチュラルキラー細胞(NK細胞)は2種類のT細胞の役割以外に、先天免疫である大食細胞や好中球の役割をも持つようになったのかはミステリーです。このミステリーを研究するのが免疫学の勉強であり、極めて興味のあるテーマですが、今のところは誰も手を出していません。

 さらにヘルペスウイルスはMHCⅠと結びつくことをさせないずるさを持っているので、キラーT細胞(CTL)はヘルペスウイルスを非常に殺しにくいので、ますますナチュラルキラー細胞(NK細胞)がヘルペスウイルスを殺すときには極めて重要な役割を果たすのです。だからこそ医学が進んだ21世紀においてもほとんどの人達がヘルペスウイルスとの戦いに苦しんでいるのです。もしキラーT細胞(CTL)しかなかったら、ヘルペスウイルスは人類の全ての人間の神経に増殖し、人間からあらゆる快適さを奪っていたかもしれないのです。極論すれば、ヘルペスウイルスのために対してだけ免疫が進化してナチュラルキラー細胞(NK細胞)を生み出したのかもしれません。だからこそ初めの初めに書いたように、ADCCによってナチュラルキラー細胞(NK細胞)や好中球や大食細胞が、ヘルペスウイルスが潜んでいる細胞を殺そうとするのです。

 さて、本論に戻りましょう。インフルエンザにかかったときに見られる高熱以外の倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状は全て神経症状であり、インフルエンザとの戦いが始まると、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)やキラーT細胞(CTL)がどんどん活性化され、ほとんど全ての人の神経細胞に住み着いているヘルペスウイルスも共に殺そうとしてしまうからこそ、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状が出てしまうと私は考えています。従ってインフルエンザウイルスとの戦いは同時にヘルペスウイルスとの戦いも同時にやっているという考えから、長々しいヘルペスをも含むウイルスの殺し方について述べました。なぜこれらの症状がヘルペスによるものかを証明することは簡単なのです。抗ヘルペス剤を投与すれば、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状がなくなるからです。従ってインフルエンザウイルスとの戦いと他の風邪ウイルスとの戦いとの違いで最も顕著なのは高熱だけだと考えております。しかしながら普通の風邪ウイルスでも高熱が出ることはしばしば見られることであり、だからといって普通感冒を怖がる必要はないでしょう。

 インフルエンザウイルスはさらに他のウイルスと大きな違いがあります。それは他のウイルスの遺伝子はDNAでありますが、インフルエンザウイルスはRNAが遺伝子となっていることです。RNAを遺伝子に持つ医学的に重要なウイルスには、麻疹(はしか)ウイルス、C型肝炎ウイルス、AIDSの原因となっている人免疫不全ウイルス(HIV)などがあります。これらのRNAウイルスの一般的な大きな特徴のひとつとして遺伝子の変化速度、つまり遺伝子の変異速度は他のDNAウイルスと比べてはるかに早いことです。つまりインフルエンザウイルスは、毎年毎年ウイルスが絶えず変異しているために、ワクチンを作ったところで、そのワクチンは変異したインフルエンザウイルスに効かないのです。だからインフルエンザワクチンをやる意味はないのです。

 さらにインフルエンザには抗原性によってA型・B型・C型に3つがあります。普通の風邪ウイルスは数が多くて、全ての風邪ウイルスにワクチンを打つことは不可能です。従って幼児期に様々な風邪を子供たち同士で移し合いをして今日強力な免疫を身につけていくのです。インフルエンザウイルスに関しても、ひとたびインフルエンザにかかれば免疫を落とすような治療をしていない人は強力な抗体ができ、同じインフルエンザウイルスに対しては何年もの間インフルエンザにかかることはないのです。逆に言うと普通感冒もインフルエンザに対する一番の予防法は、幼少期にインフルエンザにかかって強い免疫を身につけておくことなのです。現代の子供たちは栄養満点である上に、家族から大事にいたわってもらえる豊かな生活をしているわけですから、インフルエンザになれば免疫の抗体を作るタンパク質の多い高栄養の食事を取り、ゆっくり休みよく睡眠をとれば、強い免疫を作ることが可能なのです。インフルエンザに対する免疫を作っているときに、解熱剤を使ったり、症状がひどいからといってステロイドを使うと大変なことになってしまうのです。つまり免疫がつかないどころか、インフルエンザウイルスが呼吸器の粘膜にどんどん増殖し、肺炎になって死ぬことがあるのです。

 ここでインフルエンザウイルスと普通の風邪との違いを述べておきましょう。インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型の3つのグループがあります。A型ウイルスが最も症状が重く、大流行が起こるたびに多くの死者が出ました。その代表が1918~1919年にかけて全世界的に流行したスペイン風邪であります。A型ウイルスのパンデミックであるスペイン風邪は、感染者6億人、死者4000~5000万人を出しました。A型インフルエンザウイルスは病原性が強いのみならず、ウイルスの遺伝子が変異しやすいため、流行が起これば何回もかかる可能性があるのです。しかし衛生状態や衛生意識や栄養状態が良くなり、先進国ではここ数十年は大流行はありません。ちなみに過去100年間知られているインフルエンザのパンデミックは、まず1890年、1900年、今述べた1918年のスペイン風邪、1957年のアジア風邪、1968年の香港風邪が最後になり、その後は大流行はないのです。

 それではどうしてインフルエンザの大流行が起こるのでしょうか?新型のA型インフルエンザウイルスはどのようにして生まれるのでしょうか?一言で言うと、鳥や豚のA型ウイルスの遺伝子と人に感染するインフルエンザウイルス同士の間で、それぞれのA型インフルエンザが持つ抗原のシフトが起こるからです。まず抗原とは何でしょうか?それは人間にとって敵となるタンパクであり、そのタンパクに対して人間が抗体を作ってインフルエンザを殺す目印として用いるものです。それではどうして抗原シフトというのでしょうか?シフトというのは「移動」という意味です。それでは何が移動するのでしょうか?鳥や豚や人に感染する種類の異なるA型インフルエンザの遺伝子を作り上げている染色体が動物同士の間で移動することです。これを遺伝子の組み換えといいます。つまり染色体のひとつが全体として他の生物に入れ替わったと考えてください。この抗原シフトを日本語では抗原連続変異といいます。なぜ連続変異というのでしょうか?それを説明しましょう。その前に抗原シフトに対して抗原ドリフトという遺伝子の変異があり、それを日本語では抗原不連続変異といいます。ドリフトという意味は、「押し流す」とか「ずれる」という意味があり、塩基が一部ずれて変わるという意味です。この抗原ドリフトによる遺伝子の変異は抗原シフトほど大きな遺伝子の変化がないことも知っておいてください。この意味の違いについても一緒に説明しましょう。

 全ての生物体の遺伝子は染色体にあります。この染色体はDNAからできています。DNAの中に遺伝子が含まれていることはご存知でしょう。さて、染色体はアデニン(A)、ティミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)の4つの塩基から成り立っています。この4つの塩基の並び方が少しでも変わることを変異といいます。シフトの場合は、染色体のまるごとひとつが入れ替わるために、その結果全部の塩基が連続的に変わってしまうので、抗原連続変異といいます。これは実はタンパク連続変異といってもいいのです。従って抗原シフトが生じればA型インフルエンザが作るタンパクの種類が完全に変わることは想像できるでしょう。つまり抗原シフトをしたA型インフルエンザが人体に入ったときに、その抗原に対して抗体を作りやすければ簡単にそのウイルスを殺せるのですが、抗原シフトした初めての抗原に対しては殺しにくいこともお分かりでしょう。一方、抗原ドリフトの場合は4つの塩基のうち1箇所や数箇所だけの塩基が変わるだけですから、A型インフルエンザの作るタンパク、つまり抗原がほとんど変わらないこともお分かりになるでしょう。

 それでは、ドリフトしたりシフトすることによって、どんなウイルスのタンパクが変わることになるのでしょうか?それがH1N1とか、H2N5とかとよく新聞で見られているHであり、Nであるのです。HやNとは何でしょうか?ヘマグルチニン(HemAgglutinin)というタンパクの頭文字のHであり、一方ノイラミニダーゼ(NeurAminidase)というタンパクの頭文字のNであります。ヘマグルチニン(HemAgglutinin)を略してHAといい、ノイラミニダーゼ(NeurAminidase)を略してNAといいます。ヘマグルチニン(HemAgglutinin)は「赤血球を凝集する素」を意味します。一方、ノイラミニダーゼ(NeurAminidase)は日本語では「ノイラミン酸やノイラミン酸の誘導体であるシアル酸を加水分解する酵素」という意味です。ノイラミン酸やシアル酸は人間の細胞の膜の成分のタンパク質であります。なぜヘマグルチニン(HemAgglutinin)は「赤血球を凝集する素」というのかを説明しましょう。HAと赤血球を試験管の中で混ぜると、HAが赤血球の表面にあるシアル酸に結合し、赤血球が凝集して沈殿します。従ってHAを赤血球を凝集させる働きのある酵素と名づけたのです。つまり人体の細胞である赤血球にもシアル酸があるのです。シアル酸は全ての生物体の細胞の膜に広く分布しているのです。

 それではヘマグルチニンやノイラミニダーゼはなぜそんなに人気者になっているのでしょうか?どんどん難しくなりますがついてきてください。それを説明するためにはA型インフルエンザウイルスの構造を理解してもらう必要があります。A型ウイルスは極めて小さいボールのような球形をしており、ボールの内側には曲がりくねった一本鎖RNAが全部で8本あり、このRNAがA型ウイルスの遺伝子であります。人間の遺伝子は二本鎖のDNAから成り立っていますが、インフルエンザウイルスは一本鎖のRNAであることを知っておいてください。特にRNAウイルスの特徴は、1回の増殖で大量のコピーを作ることと、複製酵素であるRNAポリメラーゼの精度があまり良くないために、ウイルスが増殖中に簡単に塩基の並びに変異を起こす頻度が高いのです。そしてインフルエンザウイルスの球の外側の膜にはHAとNAが刺さっています。1個のウイルスにつき500個のHAタンパク質と100のNAタンパク質がついています。HAは呼吸器の細胞に引っつく仕事をします。ところがNAの働きは正確には明らかではありませんが、感染した細胞で増殖したウイルスが、その細胞から出て行くときに細胞の膜についているノイラミン酸とかシアル酸を切り取るために使われる酵素だと考えられています。このようなHAやNAを作る遺伝子が大きく変わる抗原シフトによってハイブリッドカーならぬハイブリッドウイルスが誕生するのです。

 それではどのようにしてハイブリッドエンジンならぬ、ハイブリッドウイルスが生まれるのでしょうか?その仕組みは三つあります。まず1つめは、人の種の壁を乗り越えて他の動物から人間に感染するインフルエンザウイルスがあることです。人畜共通に感染するインフルエンザウイルスが存在しているからです。2つめは、動物同士で感染したり人間と動物の間で感染が起こると、インフルエンザウイルスの大量の遺伝子の組み換え、つまり抗原シフトが起こるからです。3つめは、上に述べたように、インフルエンザの大流行は、アヒルや豚に感染するインフルエンザウイルスと、人のインフルエンザウイルスが混ざり合って抗原シフトを起こし、ハイブリッドウイルスが誕生するのです。

 ついでに述べておきましょう。世界的なパンデミックではなくて、数年ごとにやってくる地域的なインフルエンザの小流行は、この抗原シフトではなく抗原ドリフトによって起こることも付け加えておきましょう。つまり小流行が起こるのはA型ウイルスの遺伝子の塩基のひとつにウイルスが複製するときに遺伝子の配列を少しだけ変化させて突然変異が起こり、アミノ酸配列が変わり、ウイルスの表面のタンパク質の構造が少しだけ異なるミュータント(変異)のインフルエンザウイルスができるからです。インフルエンザの大流行は、インフルエンザウイルスの染色体一本、つまり遺伝子全体の変化によって起こり、インフルエンザの小流行は遺伝子の一部の変化によって起こることを確認してください。

 B型ウイルスによる症状もA型ウイルスと似ていますが、A型ウイルスほどB型ウイルスの遺伝子は変異しないので、もちろんハイブリッドウイルスも生まれないので、一度B型ウイルスに出会うと免疫が出来上がり、ひとたび免疫がつくと二度とかからないのです。C型ウイルスは普通の風邪とほとんど同じで、一度かかると一生免疫が続くので風邪と全て同じだと考えてください。いずれにしろA型ウイルスが大きく変異するためには飼育動物と寝るような生活条件が必要ということです。日本のように人間と豚とアヒルが一緒に生活するような生活様式が全くないところでは絶対に新しいA型インフルエンザウイルスが日本国内で生じることはないのです。さらにひとたび世界的大流行が起こったときには、ワクチンを作っても時遅しということですから、しかもワクチンを作る時間も全くないのでワクチンを作ったり打つ意味がなくなるのです。

 次に普通の風邪の代表であるウイルスはライノウイルスとコロナウイルスはC型インフルエンザウイルスと同じであり、病原性も弱く自分の免疫で簡単に治せます。免疫を上げる漢方煎じ薬を飲めば、さらに免疫が普通の風邪のウイルスを殺してくれます。

 それではついでにどのようにしてA型インフルエンザウイルスが人の呼吸系に感染するかを述べておきましょう。さらに免疫が作ったインフルエンザに対する抗体が、インフルエンザの抗原にどのように引っ付いてインフルエンザを殺すかについてもお話しておきましょう。と同時に、HとかNに番号がつきますが、その意味についても解説しましょう。

 基本的にはインフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)が呼吸器の細胞の粘膜に引っ付かない限りは絶対に感染は起こらないのです。このウイルスのHAが引っ付く粘膜の細胞の部分をレセプターといいます。このレセプターの表面には上に述べたノイラミン酸やシアル酸があります。このシアル酸とHAが引っ付かない限りはインフルエンザウイルスは細胞の中に入ることはできないのです。従ってインフルエンザに感染しないためには、インフルエンザのHAが呼吸器の粘膜の細胞と結びつかなければよいのです。まさに引っ付かせないようにするのが、ワクチンや感染によって人間の免疫が作りだすインフルエンザに対する特異的な抗体であります。この抗体がインフルエンザにつく部分を抗原いいます。ところがこの抗原全体に抗体がつくのではなくて、この抗原の表面にあって引っ付ける独特の形をした小さなパーツがあります。このパーツに抗体は結合するのであります。このパーツのことをエピトープと呼んでいます。

 それではHA抗体のエピトープは一体何からできているのでしょうか?実はHAの表面には5種類のエピトープがあります。これら5つのエピトープ全てが人間の作った抗体と結合してしまえば、もはやHAは人の粘膜細胞から突き出たレセプターの表面にあるシアル酸とは結合できなくなり、感染は生じないのです。いわば抗体はHAのエピトープを塞ぐカバーのような仕事をしてHAの働きをなくしてしまうのです。HAの5種類のエピトープは全て異なっています。従ってHAに対する抗体も異なるのです。従って5種類のエピトープに対して5種類の抗体ができれば、完璧にインフルエンザに感染しないといえるのです。従って5個のエピトープの全てではなくとも、何箇所かのエピトープに結合するだけでも、感染の度合いが減ることになります。言い換えると、同じインフルエンザウイルスに感染しても、抗体を作る量以外に、抗体を作る種類にも影響されることがお分かりでしょう。従ってインフルエンザの症状にも軽重が出るのです。免疫力、つまり抗体を作る力が強い人ほどインフルエンザの症状も弱くなるのです。

 インフルエンザウイルスに感染すると必ず抗体が作られます。この抗体の種類はエピトープの種類によって異なります。このエピトープの種類をHAに対する新しい抗体が見つかるたびに順番に番号を打って、HA1、HA2、HA3・・・と番号を打つのですが、HAは長すぎるので、H1、H2、H3・・・となったのです。これで番号の意味もお分かりになったでしょう。HAに5種類のエピトープがあるのが分かっているように、NAについても同じようにいくつかのエピトープが見つかっています。従ってNAに結合する新しい抗体が見つかったときにはHAと同じく、N1、N2、N3・・・と番号をつけていったのです。こうして人畜に感染するインフルエンザウイルスのタイプをエピトープによって分けていったのです。つまりHとNの番号によって、鳥、豚、アザラシ、人などから分類したA型ウイルスの抗体によってエピトープのサブタイプを決めていったのです。現在Hのサブタイプは1~15、Nは1~9まであります。このような研究がなされる間に次の二つのことが分かりました。ひとつは、H1~H9のタンパク質はかなり異なっていることが分かりました。当然のことですが、H1に対する抗体はH2には結合しないために、H2タンパク質をエピトープとして持っているウイルスの感染は阻止できないのです。まさにこれが抗体の特異性というものです。ふたつめはA型ウイルスには免疫学的に異なるHとNを持った非常に多くのサブタイプが多くの動物に見られますが、共通点があります。その共通点は様々な動物のインフルエンザの症状、発熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感、鼻汁、鼻づまり、咳などの呼吸症状があることが分かりました。

 ちなみに最近日本で起こった鳥インフルエンザは、2004年1月に高病原性鳥インフルエンザH5N1、同年2月には大分県で愛玩鳥のチャボ、さらに京都府の採卵養鶏場で同じくH5N1が分離されました。皆さん、これでよく新聞に報道されるH5N1の意味も充分に理解できたでしょう。

 インフルエンザワクチンを打ったときに副作用について述べておきましょう。まずワクチンの作り方に何種類あるのかご存知ですか?3つあります。生ワクチンと不活化ワクチンとコンポーネントワクチンであります。1番目の生ワクチンは、生きているウイルスや細菌を入れるので生ワクと言いますが、弱らせたウイルスや細菌を健康な人の体内に注入するのです。最も有名な生ワクは1796年にエドワード・ジェンナーが世界で始めてやりました。生ワクは生きているため少量で長時間持続する強固な免疫が得られますが、感染を起こし本当の病気になってしまうことがあります。しかもウイルスや細菌が生き残る可能性があるので、何かのキッカケで弱らせたはずの病原性が強くなったり、免疫が落ちると元の病原性のあるウイルスや細菌に戻る可能性があります。この生ワクにはBCG、ポリオ、はしか、風疹、流行性耳下腺炎、水疱瘡などがあります。

 2番目の不活化ワクチンは、ホルマリンでウイルスや細菌を処理したワクチンで、複製能力はなくなりますが、免疫を誘導する能力は持っています。生ワクと違うところは、ウイルスや細菌が生き返ることがない点です。従ってウイルスは不活化されているため複製できないので、得られた免疫は一定の期間は有効ですが、一生にわたって有効ではないことがあるので、何回もワクチンの摂取が必要となります。ポリオワクチン、狂犬病ワクチン、インフルエンザAワクチンが含まれます。

 3番目はコンポーネントワクチンですが、日本語では構成成分ワクチンという意味です。つまりウイルス本体を使うのではなく、ウイルスの表面についているタンパク質だけを取り出して作るワクチンです。このワクチンの長所は、生ワクや不活化ワクチンと比べて不純物が少ないので副作用がないのです。B型肝炎ワクチンやインフルエンザAワクチンもコンポーネントワクチンとして使われることがあります。不活化ワクチンとコンポーネントワクチンはまとめて同じものとして分類することがあります。

 ここでインフルエンザワクチンのウイルスの副作用について考えてみましょう。インフルエンザウイルスのワクチンは病原菌であるウイルスを人工的に培養し、ウイルスだけを取り出して体内で増殖しないように不活化してあります。この不活化のために、先ほど述べたようにホルマリン、つまりホルムアルデヒドの水溶液を使うのです。元来ホルムアルデヒドはタンパク質を凝固する作用があり、防腐剤や腐食剤として用いられてきたものです。さらに住宅建材、壁紙の接着剤としても添加されており、シックハウス症候群の原因となるのです。目や鼻の粘膜への強い刺激があり、気管支喘息や生態浮腫などの症状を起こします。さらに人に対しては発癌性もあると報告されています。いずれにしろ細菌やウイルスを殺すことができる毒性があるので、人体にとっては異物であります。このホルマリンをワクチンの中から完全に消し去ることは不可能なので、様々な副作用を起こします。肝機能障害、発疹、発熱、けいれん、アナフィラキシーショック、ギランバレー症候群などが報告されています。なぜこのような副作用が出るかについては後で書きます。

 私が最近経験したインフルエンザワクチンの副作用としては、Ⅰ型糖尿病になった子供がいました。これはインフルエンザワクチンの副作用というよりも、別のメカニズムによって膵島のβ細胞が破壊されたためです。それを説明するためにインフルエンザワクチンがどのようにして作られるかを述べておきましょう。3つのステップがあります。最初のステップは鶏の受精卵をたくさん用意し、37度の孵卵期に10日間入れておくと、この受精卵はヒヨコになる途中の卵になります。これを孵化卵といいます。この孵化卵にウイルスの混ざった液体を注射器で注入しておくとウイルスが増えていきます。増えていく最中に孵化卵から液体を取り出して集めます。次のステップはこの液体からウイルスだけを取り出すことです。この液体には卵の成分であるタンパク質もたくさん含まれているので、この液体を遠心分離機にかけると、比重の違いを利用してウイルスだけを取り出すことができます。最後のステップは、分離したウイルスにホルマリンを加えて殺し、ウイルスを不活化します。これが不活化インフルエンザワクチンとなります。

 ここで問題点がいくつかあります。ウイルスを不活化するということに意味についてどの本にも書かれていないのです。不活化ワクチンは殺してしまったウイルスをワクチンに用いるという意味です。実際的には不活化ワクチンを人体に入れても感染はしないというワクチンです。感染はしないということはワクチンにしたインフルエンザウイルスの遺伝子が複製(コピー)できないという意味です。にもかかわらずホルマリンがどうしてインフルエンザウイルスの遺伝子を複製できないようにしているかについては一言も書かれていないのです。ワクチンの専門家は必ずこのような疑問を感じて解明しているはずですが、なぜ語らないのでしょうか?しゃべるとホルマリンで不活化することが人体にまずいことになるからかもしれません。今のところ私にはわかりません。ただ複製できなくなっても、上に述べたように、HAタンパクやNAタンパクはワクチンに残っていますから、ワクチンを投与すれば人体はそれに対して抗体を作ることはできるのです。この15種類のHAに対する抗体を作ったり、9種類のNAに対する抗体をワクチンによって無理やり作らせると、この抗体とクロスリアクション(交差反応)する膵島のβ細胞の膜の糖鎖を生まれつき持っている人、つまり遺伝子を持っている人はこの抗体が付着し、細胞もろとも大食細胞やナチュラルキラー細胞が食べてしまうことがあるのです。なぜクロスリアクション(交差反応)というのかを説明しましょう。交差反応とは、抗体が作られる元となった抗原とは別のよく似た違った種類のタンパクの抗原に対して結合し反応を起こしてしまうことをいいます。この場合は、インフルエンザワクチンに含まれているHAタンパクやNAタンパクと、膵島のβ細胞の膜の糖鎖の分子構造がよく似ているため、この違った2種類のタンパクに対して1種類の抗体が反応するので交差反応と呼ばれるのです。そうするとβ細胞でインシュリンが作られなくなり、幼くしてⅠ型糖尿病となり、生涯インシュリンを打ち続けなければならなくなるのです。

 生まれたときからⅠ型糖尿病になっている人はいません。ほとんどがインフルエンザウイルスをはじめ、その他の細菌感染症の後に起こるのです。全てが今述べたウイルスや細菌に対して作られた抗体が膵島のβ細胞の膜に引っ付き、クロスリアクション(交差反応)を行い大食細胞やナチュラルキラー細胞に食べられてしまうからです。このようなⅠ型糖尿病も自己免疫疾患のためであり、原因が分からないと学者は言い続けていますが、間違いです。この世には自己免疫疾患はないという論文を書きましたからここを読んでください。

 今日はここまでです。2013/01/10