真珠腫性中耳炎とは何か?どのようにして生じるのか?

 真珠腫性中耳炎は中耳真珠腫ともいわれます。ときには偽性コレステリン腫ともいいます。英語でotitis media cholesteatomaといいます。

 

 コレステリンとはなんでしょうか?コレステロールのことです。コレステロールは卵黄、肝臓および筋肉などの動物性食品には必ず含まれており、副腎皮質ホルモンや女性・男性ホルモンや胆汁酸を作る原料であり、細胞膜や血漿リポタンパク質の構成成分であります。血漿リポタンパク質というのは、皆さん存知のようにHDLやLDLなどの血中コレステロールのことであります。血中コレステロールの大部分はエステル型であります。エステルとは何でしょうか?エステルとは、カルボン酸の-COOH基とアルコールの-OH基とから水分子がとれると、-COO-で表される結びつきをエステル結合といいます。化学に興味のない人は難しいですがついてきてください。エステル結合を持つ化合物をエステルといいます。

 

 コレステロールは脂質のひとつであります。それでは脂質とは何かというと、一言で述べるのは難しいのですが、1つめが脂肪であり、2つめが油であり、3つめがコレステロールであります。その特徴は油っぽいことであります。脂肪も油も化学的にはトリグリセリドであります。トリグリセリドとは何でしょうか?トリグリセリドはグリセリンと脂肪酸が結合したものであります。グリセリンと脂肪酸やグリセリドについては下に書きます。3つめのコレステロールは、トリグリセリドではないのですが、油っぽい性質なので脂質の仲間に入れられています。ちなみに人体の脂質の95%が脂肪であります。室温で個体のものを脂肪といい、液体のものを油とか油脂ともよぶことは知っておいてください。

 

 さて、グリセリドとは何でしょうか?これはグリセリンの脂肪酸エステルのことであります。グリセリンとは何でしょう?皆さんご存知の3価のアルコールであります。3価とは何でしょうか?アルコールはOH基がついていることはご存知でしょうが、このOH基が3つあるということです。OH基は別名、水酸基ともいいます。

 

 それでは脂肪酸とは何でしょうか?脂肪族化合物の1価カルボン酸を脂肪酸といいます。それでは脂肪族化合物とは何でしょう?炭素原子どうしが鎖状に結合したものであります。それではカルボン酸とは何でしょう?カルボキシル基をもつ化合物をカルボン酸といいます。それではカルボキシル基とは何でしょう?-COOHのことであり、カルボン酸は分子の中に-COOHを1個もつものを1価カルボン酸、2個もつものを2価カルボン酸とに分けられます。脂肪族化合物の1価カルボン酸を脂肪酸といいます。ややこしいでしょう。高校の化学の復習ですね。

 

 さて、やっとコレステリンの話に到着しました。コレステリンは脂質の3つめであるコレステロールのことであります。コレステロールは、高脂血症の原因であり、ご存知のように血管の壁に沈着して、粥状硬化症とよばれる動脈硬化を起こすことで悪名高いのですが、実は人体の60兆個の細胞膜を作るのに絶対に必要な成分であります。脂質の1つめの脂肪も2つめの油も化学的にはトリグリセリドであり、トリグリセリドはグリセリンと脂肪酸が結合したものであることは説明しました。この脂肪酸とは似ても似つかぬ脂質がコレステロールであります。コレステロールは、六角形の亀の甲の環が3つと、五角形の亀の甲の環の1個ががっちり結びついて出来上がっています。この4個の環が結びついたものをステロイド骨格といいます。ステロイド骨格は、骨格といわれるぐらいに結びつきが強固なので、細胞膜がつぶれなくする上に、コレステロールは脂肪であるのにもかかわらず親水性のOH基があるので、脂肪酸と同様に水にも油にもなじみやすいのです。そのため細胞の中にいろいろな物質に対して流動性や透過性を制御することができるのです。以上が、コレステアトーマとよばれる真珠腫の説明のイントロダクションであります。これから真珠腫性中耳炎が一体どんな病気なのかについての説明する前に、真珠腫についての説明から始めます。

 

 なぜ真珠腫というかっこいい病名がつけられたのでしょうか?英語でpearly tumor といいます。肉眼的に真珠に特有な光沢を持っているだけではなく、中耳の中腔の壁を形成している粘膜上皮面での繰り返される炎症により粘膜上皮細胞が増殖を繰り返し、角化により生じた角質が蓄積分解します。粘膜上皮細胞の膜はコレステロール、つまりコレステリンからできているので、顕微鏡で炎症によって生じた上皮粘膜の落屑物を見ると、コレステリン結晶、つまりコレステロール結晶が認められたために、コレステリン腫と名付けられたのです。真珠腫性中耳炎は、慢性の中耳炎が原因であります。ここで問題となるのは、どうして慢性の中耳炎が起こるのかということです。これについて考察しましょう。

 

 私は耳鼻科も標榜していますから、しばしば他の耳鼻科の専門医院で治らない患者さんが数多く漢方治療を求めてこられます。既に慢性中耳炎と診断されてくるのですが、2〜3年もの間、抗炎症剤や痛み止めや、さらに抗生物質を長期に投与されてしまっていますが治らないのです。ですから慢性中耳炎と診断されてこられるのです。彼らに今までかかってきた耳鼻科の専門医に「この中耳炎の原因は何ですか、と聞いたことがありますか?」と問いただすと、「聞いたことがないか、聞いても原因が分からないと言われるだけだ」と答えてくれます。ついでに「どこからその炎症を起こす原因菌が中耳に入り込んだか聞いたことがありますか?」と聞いても、「そんなことは聞いたことがないし、聞いたとしても答えてくれない」と言います。これが現代の日本全国の病医院の耳鼻科の医療の程度なのです。このような間違った中耳炎の治療を30年も受けてきた人もいます。激しい耳痛が続き、痛み止めを何十年も飲まされているのです。その間に免疫が下がり、ヘルペスウイルスが第五脳神経である三叉神経の三番目の下顎神経で増殖しまくっています。残った免疫がこのヘルペスウイルスと戦って、さらに新たに耳痛が激しくなっていることを耳鼻科の専門医は全く気づいていないのです。このような患者さんに、この耳痛の原因を耳鼻科の専門医に聞いたことがあるかと問いただしても、炎症のためだと言われるばかりであったのです。

 

 さてここで、中耳炎を起こす原因は何であり、かつどこからその原因が侵入するか、さらに耳痛がどうして生ずるかについて考えてみましょう。まず中耳とは何かについて下の図を見ながら書きましょう。中耳は、鼓膜、鼓室、耳管、乳突洞、頭蓋骨のひとつである側頭骨にある含気蜂巣の5つから成り立っています。3つの耳小骨が入っている部屋を鼓室といい、上部を上鼓室、中部を中鼓室、下部を下鼓室といいます。乳突洞は左下図を見てください。上鼓室といけいけになっているエンドウ豆大の空洞です。含気蜂巣は右下図の蜂の巣のような骨であり、耳管から空気が入っていくのです。鼓膜の組織について少し述べておきましょう。鼓膜は3層より成り立っています。外側は重層扁平上皮で外耳道の皮膚の続きであります。中層は線維の束から成り立っており、内側は単層扁平上皮で中耳粘膜の一部であります。中層の線維束は、外側は放射状に走っており、内側は輪状に走行しています。鼓膜は上部が緩んでおり、弛緩部といいます。この弛緩部に線維束はなく薄くなっているので、鼓室内の気圧の変化に敏感であります。

 

 この5つの部分から成り立っている中耳に炎症を起こす原因は、中耳から空気感染によって侵入してくるウイルスか細菌かカビか、あるいはアレルギーを起こす化学物質の異物だけであります。私は69歳のおじんでありますが、一度書いたように中耳炎など一度も経験したことはありません。私の家族も知り合いのほとんどの方も同じように中耳炎を経験したことはありません。ましてや慢性中耳炎の人は周りに誰もいません。慢性中耳炎で当院を受診されている患者さんに中耳炎の始まりを聞きますと、やはり必ず風邪をひいた後であります。風邪のウイルスはどこから中耳に入ると思いますか?もちろん咽頭と中耳を連結している耳管であります。耳管も鼓室も粘膜であり、単層扁平上皮に覆われています。耳管の開口部に近づくにつれて粘膜細胞は背が高くなり、耳管移行部や下鼓室は重層繊毛上皮に覆われ、その上皮に中には粘液を分泌する杯状細胞があり、下鼓室も耳管と同様に粘液で中耳の清掃に関わっています。さらに耳管の粘膜は繊毛円柱上皮で覆われ、繊毛の運動は咽頭へ向かっていくので、鼓室や耳管に入った異物を咽頭に吐き出してしまうのです。さらに咽頭開口部の近くの粘膜下には耳管扁桃というリンパ小節があるのです。いずれにしろ中耳は全て粘膜でできていますから、強力な粘膜免疫がウイルスも細菌も処理してくれるのです。

 

 さぁ、ここで急性の中耳炎がどうして起こるかについて考えましょう。中耳の感染はどのような経路を通じてどんな時に起こるかをまとめてみましょう。まず第1に耳管を通じて起こることが最も多いのです。2番目は、近頃は滅多にないのですが、鼓膜の穿孔によって起こることがあります。入浴や海水浴の際に起こることがあります。最後はまれに血液を通じて起こることがありますが、流行性感冒、つまりインフルエンザで起こることがありますが、これも現代では滅多に見られません。とりわけ風邪をひくと風邪の原因菌であるウイルスが咽頭から耳管を通じて中耳に入ったり、さらに細菌性の扁桃炎や咽喉頭炎が起こった時にも、耳管を通じて中耳全体に感染が生じることもあるのです。咽喉頭炎を起こす細菌は、レンサ球菌、インフルエンザ菌、ブドウ球菌、肺炎球菌であります。いつも言っているように、ウイルスを殺すのは自分の免疫だけです。細菌を殺す手伝いは抗生物質を投与すれば患者の免疫を手助けして殺すことができます。

 

 ところで中耳の一部である乳突洞とか側頭骨含気蜂巣の壁も粘膜でできていますが、私は未だかつて慢性中耳炎の人から、自分の中耳炎が乳突洞炎とか側頭骨含気蜂巣炎などは聞いたこともありませんし、耳鼻科医もそんな病名を口にすることはありません。おそらくそこまで炎症が波及することもなく、かつ外側からは見えないので、そのような病名は簡単にはつけられないからでしょう。ついでに言えば、耳の一部である外耳道には外耳道炎は起こることがあります。その原因は何でしょうか?汚い指の爪で引っ掻いたり、木製や鉄製の耳かきで引っ掻いて傷が起こった時です。もちろん外耳道も皮膚の一部であり、強い扁平上皮からできているので、人為的に傷を作らない限りは、外耳道炎の原因菌である黄色ブドウ球菌やレンサ球菌が外耳道に侵入することはないので、外耳道炎は自然には起こらないのです。あるいは外耳道にアトピーが生じステロイドを塗られると、免疫の力も落ちるので、外耳道のアトピーの痒みを汚れた指で引っ搔いた傷から細菌が侵入して外耳道炎が起こることはしばしば見られます。

 それではどうして急性の中耳炎がときに慢性中耳炎や、中耳炎が慢性化することによって起こる真珠腫性中耳炎になってしまうのでしょうか?慢性中耳炎は、実は慢性化膿性中耳炎というべきものです。つまり慢性中耳炎は化膿菌であるレンサ球菌やブドウ球菌によって起こされるので、慢性化膿性中耳炎と呼ばれるのです。慢性化膿性中耳炎の特徴的な臨床症状は3つあります。ひとつめが難聴であり、ふたつめが鼓膜穿孔であり、3つめが耳漏、つまり耳垂れであります。この慢性化膿性中耳炎を2つに分けます。ひとつめのタイプが単純性化膿性中耳炎であり、鼓膜の中心部には鼓膜の張りが緊張している部分があり、そこに穿孔が生じ、耳漏排泄が起こるものであります。もうひとつのタイプが真珠腫性中耳炎であります。この真珠腫性中耳炎は鼓膜の周辺や、先程述べた鼓膜の弛緩部に穿孔があり、真珠腫を形成するタイプであります。なぜこのように中耳炎が慢性となり、化膿性となるのでしょうか?答えはただひとつ、風邪の症状があるときに熱冷ましや痛み止めを出すことで患者の免疫の力を弱めてしまうからです。免疫が弱まっている限りは、いつまでもレンサ球菌やブドウ球菌を殺すことができないからです。いわば医原病のひとつが慢性化膿性中耳炎であるのです。実は慢性化膿性中耳炎の症状のひとつである難聴は、中耳の炎症のために起こるのではなくて、ヘルペスによって起こっているのです。次回詳しく書きます!

 今日はここまでです。2014/05/01

 ここで慢性疾患とは何かを説明しましょう。これまで医者も患者も慢性疾患というものを漠然と徐々に発病したり、あるいは急に発病してもいつのまにか長期間経過して治りにくい病気と考えてきました。私がもっと正確に慢性病とは何かを定義してあげましょう。慢性疾患を正しく定義するためには、疾患、つまり病気とは何かを正しく説明する必要があります。私のホームページを読んでこられた人にとっては耳ダコになりますが、病気とは5大栄養素と水と酸素以外の異物が侵入したときに、それを免疫が殺すか共存するか吐下するか、人体の一部に閉じ込めるかのいずれかを決める戦いであります。逆に急に起こる病、つまり急性疾患とはなんでしょうか?まずどう考えても急に起こる病気の原因は風邪を引き起こすウイルスぐらいでしょう。つまり風邪をひかない限り急性疾患はないといっても過言ではないのです。だって栄養充分な人間の免疫は風邪のウイルスぐらいは簡単に殺してくれます。それでは徐々に起こる病気、つまりいわゆる慢性疾患の原因は何でしょうか?21世紀にはたった二つしか原因はありません。化学物質とヘルペスウイルスだけです。言わずと知れたことですが、化学物質に対しては、免疫は後天的免疫寛容を起こして、最後は化学物質と共存させてくれるのです。ところが神経に隠れたヘルペスと免疫の戦いの帰趨はどうなるでしょうか?これが今日のテーマです。

 さぁ、それでは神経にひとたび隠れてしまった単純ヘルペスや水痘帯状ヘルペスは、どのようにして免疫は処理するのでしょうか?免疫は神経に住みつくこれらのヘルペスウイルスを殺しきることができるでしょうか?残念なことに、ひとたび人体に入ったヘルペスウイルスは必ず神経に住みつくので、免疫がヘルペスウイルスを見つけ出すことが極めて難しいのです。なぜ神経に住みついたヘルペスウイルスが免疫に認識されにくいかの理由を書く前に、以前「ユダヤ人はなぜ頭がいいのか」のコラムで神経細胞の構造について説明したことがあるので、一部引用し復習も兼ねながらさらに詳しく加筆し、かつヘルペスウイルスと免疫の戦いによって生ずる神経線維の脱随も説明し、さらに脱随による神経線維の損傷と修復についても詳しく解説していきましょう。脱随とはミエリン鞘が破壊されることであります。

 はじめに確認しておきたいことは、ヘルペスウイルスが神経細胞体に入り込むと、絶対に免疫はヘルペスウイルスを見つけることができないことを確認してください。その理由についても詳しく書きましょう。さらに免疫がヘルペスウイルスを見いだすのは神経線維(神経軸索)の髄鞘がないランヴィエ絞輪と神経線維の終末だけであることをも再確認してください。その詳しい意味も追々お分かりになるでしょう。

 まず神経細胞はニューロンといわれます。この神経細胞は、神経細胞体と神経線維と樹状突起と神経終末の4つの部分から成り立っています。神経線維を神経軸索とか軸索線維とか軸索突起といわれることも知っておいてください。4つの部分がどんな仕事をしているかについて述べましょう。まず神経細胞体は、神経細胞の司令所である核があり、神経細胞にとって必要なタンパク質を全て作っているところです。この神経細胞体から突起が無数に樹状に生えています。だから樹状突起といいます。この樹状突起は隣のニューロンの神経終末から送られてきた情報を受け取ります。神経終末とは何でしょうか?神経細胞体から樹状突起の反対側に1本の神経線維がのびていきます。その先端を神経終末といいます。神経線維はまさに情報を電気的に神経終末にまで伝えていく線維であります。この神経終末と隣のニューロンの樹状突起とが接触している部分をシナプスといいます。従って隣にあるニューロンのことをシナプス後ニューロンといいます。神経は1個のニューロンを指すわけではありません。数多くのニューロンの1本1本の神経線維が束になって太いいわゆる神経を作り上げているのです。例えば、神経の中で最も長くて太い神経は何かご存知ですか?坐骨神経ですね。なぜ太いかお分かりですか?今述べたように神経細胞の細い軸索線維が数多く束になって集まり、太い坐骨神経を作っているからです。一方、神経細胞の細胞体の集合部分を神経節というのはご存知でしょう。神経節にヘルペスウイルスが逃げ込むと、免疫が手も足も出なくなることもご存知でしょう。その理由についても詳しく後で述べます。

 1本1本の神経線維はそれぞれシュワン細胞の膜で保護されています。この膜をシュワン鞘といいます。従って無随神経線維もお互いに直接接触しているのではないことを知っておいてください。さらに個々のシュワン鞘を結合組織性の皮膜である神経内膜が包んでいます。さらにこれらは束となって同じく結合組織性の皮膜である神経周膜で覆われているのです。この神経周膜には血管が分布しています。この血管から、後で述べるヘルペスウイルスを殺すことができるキラーT細胞やNK細胞がもれ出ていくのです。さらに神経周膜に包まれた神経線維が束になって集合したものを神経上膜が包み込んでいます。この神経上膜にも血管が分布しています。この血管からもキラーT細胞やNK細胞がもれて出て行くのです。従って末梢神経線維を包む結合組織は3つあるのです。それは神経内膜と神経周膜と神経上膜の3つであります。神経軸索にはこの3つの膜の上に、さらに髄鞘(ミエリン鞘)で囲まれている有随神経と、髄鞘(ミエリン鞘)のない無随神経があるのです。

 上に述べたように、神経軸索はシュワン細胞の鎖で何重か巻かれています。これを髄鞘といいます。これはミエリン鞘ともいいます。鞘(しょう)は“さや”のことです。つまり、神経軸索をさやで包んでいるという意味です。ちょうど電線の電気が漏れないように、かつ固定するために使われる碍子(がいし)と似ています。つまり神経も電気の流れで情報を伝えるので、電気が漏れないようにシュワン細胞を碍子代わりに用いているのです。ところが、髄鞘と髄鞘の間にランヴィエ絞輪(こうりん)という隙間があり、ここでヘルペスウイルスやその断片を見つけたときに後天免疫のキラーT細胞と自然免疫のNK細胞の2つの細胞が殺しにかかるのです。言うまでもなく、もともと髄鞘のない無随神経においてもヘルペスウイルスを見つけやすいのです。免疫とランヴィエ絞輪は極めて関わりがあり、しかも神経の電気信号の伝達にとって極めて重要ですから、少し詳しく述べておきましょう。

 ランヴィエ絞輪(node of Ranvier)は、神経細胞の軸索繊維のまわりのミエリン鞘(髄鞘)に規則的に存在する間隙のことをいいます。ミエリン鞘は一部の軸索(有髄神経)に存在する脂質の層であり繊維の絶縁性を高めていますが、およそ 1 µm の幅をもつランヴィエ絞輪の部分では、軸索の細胞膜はミエリン鞘化されることなく細胞外液にさらされています。この細胞外液は神経の結合組織を満たしているのです。そしてキラーT細胞(CTL)とナチュラルキラー細胞(NK細胞)がこの神経の結合組織を動き回っているのです。ランヴィエ絞輪は活動電位の跳躍伝導 (saltatory conduction) で重要な役割を果たしています。

 跳躍伝導とは何でしょうか?もし神経線維にミエリン鞘がない無随の神経線維の場合は連続的に興奮が伝わる伝導速度は1秒間に2mぐらいでありますが、ミエリン鞘がある有随の神経線維の場合は、このランヴィエ絞輪によって跳躍的に電気パルスが伝達するようになり、1秒間に75mの伝導速度で興奮が伝わります。これを跳躍伝導と呼ぶのです。ところがこのランヴィエ絞輪はシュワン細胞で外から保護されているのですが、ミエリン鞘がないのでその周辺の結合組織の細胞外液にいる免疫の細胞との接触が起こりやすく、キラーT細胞やNK細胞が神経細胞にいるヘルペスウイルスを認識し、付着します。するとキラーT細胞やNK細胞からパーフォリンやグランザイムBなどのタンパク質(酵素)を放出し、その結果ヘルペスウイルスも殺されると同時に、神経細胞にも炎症が生じ、神経線維を覆う髄鞘も傷つけられて、ひどいときには破壊されてしまうこともあるのです。その結果、神経線維に障害が起こり、機能が異常になり、神経の種類に応じて痺れ、ジンジン・ピリピリする痛みをはじめとする様々な神経症状が出るのです。これがめまいになったり、頭痛になったり、難聴や耳鳴りになったり、肩こりが出たり、こむら返りや、筋肉痛や絞扼感などが症状として出るのです。現代の病気の原因はまさにこのヘルペスウイルスである理由がちょっとずつお分かりになってきたでしょう。

 ここでどうして神経のミエリン鞘が壊れる、つまり脱随すると、上に挙げた様々な症状が出るのか、もっと詳しく説明しましょう。まず髄鞘による絶縁がなくなってしまうと、隣の炎症が起こっていないランヴィエ絞輪が興奮し、炎症のために髄鞘がなくなった広い範囲から電流が流入してしまうのです。このように電流が周囲から神経線維に流入することを、電気的には「脱分極」とか「活動電位」とか「発火」とか「インパルス」とか「スパイク」と表現し、神経的には「興奮」と表現するのです。難しいですが、できる限り分かりやすく説明するのでついてきてください。

 まず脱分極と活動電位について説明しましょう。皆さんは高校で学んだように、人間の細胞は全て細胞内が電気的にマイナス(陰極)になっており、細胞外がプラス(陽極)になっていることはご存知でしょう。これを分極状態といいます。このような細胞膜の内外で陰極と陽極に分かれている状態を細胞の静止膜電位といいます。ところが神経細胞に刺激が加わると、分極している静止膜電位から脱して、静止膜電位からゼロに近づこうとします。これを脱分極といいます。このような膜の電位の変化が起こると、細胞外のプラスイオンであるナトリウムイオンが急激に細胞内に流入すると、細胞内はプラスと変化します。するとナトリウムイオンが細胞内に入ることができなくなります。逆にもともと細胞内にあったプラスイオンであるカリウムイオンはナトリウムイオンによって細胞外へ流出させられてしまうので、再び静止膜電位に戻ってしまうのです。このような急激な静止膜電位の逆転を活動電位とよぶのです。急速に変化する電気量を波形で観察できるオシロスコープで見ると、鋭く尖った波形を確認できるのでインパルスやスパイクや発火などというのです。最後にこのような活動電位が発生するのは神経細胞が刺激されて興奮しているように見えるので、この活動電位を興奮ともいうのです。このような急激な脱分極電位は、隣の膜からナトリウムイオンを連続的に急激に細胞内に流入させ続けるのです。

 なぜ連続的に脱分極が起こり、興奮が伝わっていくのでしょうか?活動電位が発生している興奮部の細胞外はマイナスに変わったのでありますが、隣の部分の細胞外は今までどおりプラスとなっています。このように隣接する細胞外がプラスとマイナスになっているので、電位に差ができあがるために局所的な電流の回路ができてしまいます。電流はプラスからマイナスに流れるので、プラスの興奮部に向かって細胞内外の周囲のマイナス部分から電流が流れ込み、隣の興奮していない細胞膜に外向きに電流が流れ出て、隣接部分も活動電位が発生するからであります。

 無随線維はシュワン鞘と神経内膜、神経周膜、さらに神経上膜に包まれているので、電気的には絶縁されていますが、髄鞘には包まれていません。そのため隣どうしだけの局所電流だけが起こり、その結果活動電位が生まれ、連続的に同じことが繰り返され、この興奮が連続的に伝わっていきます。

 一方、有随線維はシュワン鞘と神経内膜、神経周膜、神経上膜の周囲を、さらにシュワン細胞の細胞膜が何重にも取り巻いた髄鞘で覆われています。この髄鞘があるために有随線維は電気的に完全に絶縁されているので、局所電流は起こりません。ところが髄鞘が覆われていないランヴィエ絞輪だけが神経細胞の外部からナトリウムイオンが集中して流入するので、ランヴィエ絞輪部どうしの間にだけ局所回路ができて、活動電位は次の絞輪部に跳躍的に伝導していくのです。これで無随神経の興奮の伝導の仕方と、有随神経の興奮の伝導の仕方が完璧に分かっていただいたでしょうか?

 簡単にまとめると、軸索がミエリン鞘化されていない神経細胞(無髄神経)では、細胞体や軸索にある小さい丘のような膨らみ(axon hillock) で発生した活動電位は、軸索の細胞膜のNa+イオンチャネルを次々に開けて活動電位を神経パルスとして神経軸索を通じて次の神経細胞体に伝えていくのです。Na+イオンチャネルというのは、ナトリウムイオンが細胞外から細胞内に流入する通路のことです。その伝達速度は典型的には数m/s程度にすぎないのですが、神経の種類によって伝達速度が変わります。最も早い運動神経では時速432kmであり、痛覚や触覚に関する伝達速度は時速12km~30kmであります。さらに、ミエリン鞘が存在し軸索の絶縁度が高まることによって、細胞内の電位の変化は遠くまで伝達しやすくなります。この絶縁の程度は電位の伝達距離を決定します。まさにユダヤ人はこの絶縁の程度が遺伝的に高いことが徐々に知られるようになりました。だからユダヤ人は賢いのです。

 ミエリン鞘化された軸索(有髄軸索)は数十 µm から数 mm 間隔でランヴィエ絞輪を設けることによって、再び活動電位を強化し、高速でより遠方まで神経パルスを伝達することができるのです。これによって、平均的伝達速度は 10–100 m/s に向上します。まさにミエリン鞘の度合いが高い民族がユダヤ人であるので、ユダヤ人は脳が得た情報を140億個もある大脳の細胞に、どの民族よりも素早く遠くまで運ぶことができるのです。各国の国民の中でも頭のいい人は常に跳躍伝導を活発に数多くの大脳の細胞に伝え続けて賢くなっているのです。この跳躍伝導を行うためにランヴィエ絞輪部分の軸索の細胞膜にはそれに関わる特に多くのイオンチャネルが存在しています。特に先ほど述べた電位依存性 Na+ チャネル (voltage-gated sodium channel) の密度は 1010 個/mm2 にもなり、ランヴィエ絞輪で再び活動電位を強化し、高速でより遠方まで神経パルスを伝達し、できる限り多くの次の神経の樹状突起とシナプスし、頭の回転を良くするのみならず、思考回路を豊かにかつ複雑にしているのです。

 さて、ユダヤ人には2つの系統があります。それはアシュケナージ系ユダヤ人といわれるドイツやポーランドやロシア系のユダヤ人であります。アシュケナージ系ユダヤ人は混血が少ないといわれています。もうひとつは、セファルディ系ユダヤ人といわれるスペインやポルトガルや北アフリカ系のユダヤ人で混血が多いといわれています。アシュケナージ系ユダヤ人のIQは110~115もありますが、セファルディ系ユダヤ人は他の民族と同じIQであります。アシュケナージ系ユダヤ人のノーベル賞受賞者は世界中の民族の人口比で150倍も多いのです。あらゆる分野においてアシュケナージ系ユダヤ人の頭の良さは実証済みです。なぜ彼らが圧倒的な知的成功を占めたかは色々説明がありますが、私はやはり遺伝子が一番大きい決定的なファクターであると考えます。もちろん逆に有髄神経のミエリン鞘を作る遺伝子が少なければ、先天的な脳疾患になることもあるのです。まさに有髄神経のミエリン鞘の量が多いことが、アシュケナージ系ユダヤ人の知能の優秀さを証明しているのです。

 ミエリンは髄鞘を指すことがあります。神経細胞の中で有髄線維といわれるものは、神経細胞の突起である軸索は髄鞘(ミエリン鞘)によって包まれています。従って髄鞘はミエリンとも呼ばれます。電気的興奮が神経線維を伝わるとき髄鞘の切れ目であるランヴィエ絞輪を跳躍伝導することによって高速にしてかつ無減衰で進むことを可能とする重要な生理学的な機能がミエリンにあります。ミエリンがないか、ミエリンが欠けてしまうと、神経細胞(ニューロン)は機能を発揮できません。中枢神経系は希突起膠細胞(オリゴデンドロサイト)がミエリンを作りますが、末梢神経系ではシュワン細胞が作る。髄鞘とはこれらのミエリン形成細胞の突起が平たくなり、軸索の周りをロールペーパーのように巻いていき、細胞質がほとんどなくなって膜と膜が密着して作られる鞘であります。ミエリンはミエリン塩基性タンパク(MBP)やウォルフグラムタンパクやプロテオリピッドタンパク(PLP)やミエリン随伴性糖タンパク(MAG)などの特異なタンパクから構成されています。最近ではこれらの遺伝子構造も決定され、ミエリンとミエリン形成細胞の分子生物学的研究が進みました。ミエリンは脂質のひとつであるスフィンゴ脂質からできているので、さらにスフィンゴ脂質について説明します。

 アシュケナージ系ユダヤ人は神経細胞に蓄えられているミエリンスフィンゴ脂質という物質が関与する病気にかかりやすいということも分かっております。このミエリンスフィンゴ脂質は神経細胞軸索の絶縁性の髄鞘を形成していて、電気信号の伝達やシナプスを行う樹状突起の成長を可能にさせるのです。ミエリンを作るスフィンゴ脂質が多すぎると、テイサックス病やニーマンピック病やゴーシェ病などの遺伝的疾患になりやすいのです。ときにはミエリンを作るスフィンゴ脂質が多すぎると死に至るか、少なくとも生殖不可能な病気にかかってしまうのです。このスフィンゴ脂質過剰遺伝子は父親と母親の2人ともが持っているときには、その子供に今述べた深刻な病気や死をもたらす劣性遺伝病を引き起こしますが、父親と母親のどちらか1人だけが持っていると、スフィンゴ脂質の量は高くなりますが、致死的な状態にはならないのです。既に述べたように、このミエリンを作るスフィンゴ脂質の量が多いと、神経信号の伝達が容易になり樹状突起の成長も促され、神経伝達が高速になり、かつ神経突起の枝分かれが多いほど情報が大脳の神経細胞に行き渡り、学習や一般的な知能が高くなるのです。

 一方、セファルディ系ユダヤ人が知的成果を上げていないのは、他の知能が人並みの民族との混血が多くなったために、ミエリンを作るスフィンゴ脂質の遺伝子の組み換えが起こったために、テイサックス病やニーマンピック病やゴーシェ病にならない代わりに一般的なレベルの知能に落ちたのでしょう。テイサックス病やニーマンピック病やゴーシェ病に関しては、機会があれば説明しましょう。

 ゴーシェ病は、セレブロ-リピドーシスといわれ、日本語では大脳脂肪症といわれますが、まず大脳の細胞について勉強しましょう。大脳は140億個の神経細胞(ニューロン)がありますが、この神経細胞は神経細胞体と神経軸索でできています。大脳は外側の頭蓋骨に近い大脳皮質と、内部の大脳髄質に分かれています。大脳髄質は大脳白質ともいわれるのは、神経線維、つまり神経軸索が大部分であり、この神経軸索は100%髄鞘に覆われているので大脳髄質といわれるのと同時に、この髄鞘は脂質であるスフィンゴミエリンであり、脂質は白く見えるので大脳白質ともいわれるのです。一方、大脳皮質は神経細胞体が大部分であるので髄鞘が少ないので、脂質の白色が少なくなり大脳灰白質といわれるのです。

 ゴーシェ病がなぜ大脳脂肪症といわれるかについて説明しましょう。ユダヤ人がよくかかる遺伝子病であるのですが、この遺伝子病はグルコセレブロシデースという酵素が作られないために、様々な細胞に異常な脂肪が溜まるのです。この異常な脂肪を溜めた細胞を処理するために、この細胞を貪食する単球・大食細胞・樹状細胞・好中球などの細胞がたくさん集まっている細網内皮系という組織があります。このような細網内皮系の細胞が異常な脂肪を貪食してたくさん集まっているリンパ節や肝臓や脾臓や骨髄などや、さらに末梢神経細胞や脳の神経細胞にグルコ-セレブロシドという異常な脂質が蓄積するのです。既に述べたように常染色体劣性遺伝形式をとるのです。つまりグルコ-セレブロシドが脂質のセラミドと糖に分解される反応が進まずに、蓄積したグルコ-セレブロシドを貪食細胞が食べているのです。このようなグルコ-セレブロシドを貪食した細胞をゴーシェ細胞といいます。このような常染色体劣性遺伝を持った人の臨床症状と経過からゴーシェ病を、急性乳児神経型と、慢性成人非神経型と、両者の混合である亜急性若年神経型の3つに分けます。急性型は生後6ヶ月以内に発症し2年以内に死亡しますが、慢性型は潜行性で成人になって気づくことが多いのです。お父さんもお母さんも、同じ常染色体劣性遺伝の異常な染色体を持っている両親から生まれた子供は、急性乳児神経型となり死んでしまうのです。一方、おそらく慢性成人非神経型の人は、両親のうち片方だけが常染色体劣性遺伝子を持っていた両親から生まれた子供で、頭は良いのですが、徐々に徐々に病気が発症するのです。

 テイ-サックス病は、常染色体劣性遺伝による遺伝子病で、ガングリオシドというスフィンゴ糖脂質が神経節に溜まる病気です。これも乳児型と若年型と成人型に分けられますが、乳児形は乳児期より視力障害や精神運動発達の遅滞などの進行性中枢神経症状を示します。脂質が大脳皮質や小脳の神経細胞に蓄積し、神経細胞の死により減少していきます。これも神経症状が出ない人は賢いユダヤ人としてノーベル賞をもらう人になるのかもしれません。乳児型は両親が両方とも常染色体劣性遺伝子を持っていたのです。

 ニーマンピック病は、別名スフィンゴミエリン蓄積症といわれます。脂質であるスフィンゴミエリンとコレステロールが、神経細胞のみならず様々な臓器内に蓄積をきたす常染色体遺伝性脂質代謝異常症であります。生後6ヶ月ぐらいで肝臓や脾臓が肥大し、運動障害、知能発育の低下、筋緊張の低下が起こります。5つの形があり、A型は急性神経型といわれ3年以内で死亡する乳児型であります。B型は慢性に経過するものであり、C型は神経症状を示す慢性型であります。D型は黄疸を伴うものであり、E型が成人発症型であります。A・B・C型はスフィンゴミエリンをセラミドとリン酸コリンに分解するスフィンゴミエリナーゼという酵素が遺伝的に欠損するためであるということが証明されております。いずれにしろスフィンゴミエリンの蓄積が、肝臓や脾臓や骨髄やリンパ節などの脳内系細胞やニューロン(神経細胞)に見られ、細胞は泡沫に(泡のように)なってしまいます。このような細胞は貪食細胞が過剰なスフィンゴミエリンを処理しようとしているのですが、処理できない状態を示すものです。ニーマンピック病に5型あるのは、スフィンゴミエリナーゼという酵素を発現させる遺伝子が、ひとつだけではなくいくつかの遺伝子が作られていることを示唆しています。

 以上、神経の伝達を良くするスフィンゴミエリンが、異常に大量に作られたために起こるゴーシェ病やテイ−サックス病やニーマンピック病について述べましたが、これらの病名は、これらの病気を初めて見つけたゴーシェ、テイ、サックス、ニーマン、ピックという発見者の5人の名前にちなんでつけられたものであります。

 なぜこのような病気がユダヤ人に多いかといいますと、彼らは民族発祥の昔から他民族と混合することを良しとしなかったからであります。いわばスフィンゴミエリンは多ければ多いほど神経伝達が素早く、しかも漏れることもなく伝えられ、かつシナプスの樹状突起が増えるものですから頭は良くなります。しかしながら、逆にスフィンゴミエリンを作る脂質が多すぎると神経細胞のみならず様々な細胞に脂質が蓄積し、頭は良くても体は悪くなるという遺伝子病を作り出してしまいます。このような遺伝子は染色体を通じて伝えられていきます。ユダヤ教に基づいて民族の純血を継承していくためには、近親結婚しかありません。つまり同じ染色体に乗っている遺伝子が、代々子孫に伝えられていかざるをえなかったのです。

 ユダヤ人がなぜ他民族と混血することを嫌ったのでしょうか?少しユダヤの歴史を勉強しながら考えてみましょう。ユダヤ人が崇拝した神はご存知でしょう。エホバであります。より正しいヘブライ語の発音に近いのはヤハウェであります。このエホバの意味は“万物の創造者”であり“宇宙の統一者”であります。日本語に訳すと、上帝とか天帝とも呼ばれるものであります。まるで中国の古代の皇帝のように聞こえますね。このエホバに選ばれた最も優れた選民が自分たちであると確信したユダヤ人が作り上げた民族宗教がユダヤ教であるのです。まさに差別宗教の典型といえます。いやみな宗教ですね。その起源は明確ではないのですが、皆さんご存知のように、あの有名なモーゼの指導により、ユダヤの民が紀元前13世紀前半にエジプトから脱出し、シナイ山において神エホバとシナイ契約といわれる契約を結んだのがユダヤ教の始まりといわれています。モーゼはこのシナイ山でエホバから十戒を授けられたこともご存知でしょう。モーゼによってここでヘブライ人といわれていた諸部族が初めてイスラエルという民族共同体を形成したのです。イスラエルという言葉は“神が支配する”という意味があります。つまりエホバが支配する国であり、その民族であるというわけです。ヘブライ人もイスラエル人もユダヤ人も同じ民族を示すと考えてください。

 紀元前10世紀にあのミケランジェロの彫像で有名なダビデ像の一族のソロモンによってエルサレムにユダヤ教の神殿が初めて建立されました。この神殿はユダ王国の滅亡で破壊されましたが、ユダヤ人はその後、律法学者であるラビを中心としてラビのユダヤ教をあちこちに展開しました。このラビという言葉は今も生きています。ヘブライ語で“我が主(神エホバ)”の意味でありますが、現在でも黒い僧衣に黒い帽子をかぶったユダヤ教の教師を意味する敬称であることもご存知でしょう。その後、礼拝のために安息日ごとにユダヤ人が集まるシナゴーグも生まれました。シナゴーグはユダヤ協会の集会所としても今も生き続けています。

 ユダヤ教の経典としては文字化された成文律法の他に口伝律法があり、これをミシュナといいますが、これらは紀元後200年ごろにラビのユダという人によってまとめられました。さらにミシュナ本文と注釈書が紀元後5世紀にタルムードとして集大成されました。タルムードというヘブライ語は教訓という意味があります。このタルムードは本文であるミシュナとその注釈であるゲマラの2部から成り立っており、広くユダヤ民族の社会生活を物語るものです。このタルムードには、エルサレム・タルムードとバビロニア・タルムードがあります。しかし5世紀には、パレスチナのユダヤ人共同体は度重なる迫害にあって壊滅状態となり、ほとんどのユダヤ人が世界各地に散って流浪の民、ディアスポラとなってしまいました。ディアスポラというのは、今でもよく使われています。ディアスポラという言葉は、現在英語でも良く用いられており、国外移住とか国外離散とか父祖の土地から遠く離れた地に居住する人々という意味でも使われていることもご存知でしょう。エルサレムから散りぢりバラバラとなり、ドイツやポーランドやロシアに定住した人たちがアシュケナージであり、北アフリカに住み着いたのがセファルディであります。アシュケナージの方がセファルディよりも知能が高いことは既に述べました。

 皆さん世界史で学んだと思いますが、バビロン捕囚という言葉は知っていますね?紀元前586年にユダヤ人は新バビロニア王国のネブカドネザル王によって、自分たちの国であるユダヤを征服され、優秀なユダヤ人の多くはバビロニアに強制移住させられた出来事を知っていますね。ネブカドネザル王はユダヤ人の優秀さとユダヤ人の団結力を恐れて反旗を翻させないように強制移住させたのです。この団結力の元は一神教であるユダヤ教の信仰心の強さであると同時に、自分たちがユダヤの神エホバに選ばれた選良民族であるという信念によるものです。もちろんこの信念の背後には遺伝的に優れた神経細胞を作るスフィンゴミエリンに支えられていたとは、ユダヤ人自身も夢にも思わなかったことでしょうが。アッハッハ!

 既に別のところで書いたことがあるのですが、なぜナチスのヒットラーはユダヤ人をホロコーストしかけたのでしょうか?それは世界で最も優れた民族であるユダヤ人(中国人もユダヤ人に負けず優れた民族であることは言うまでもありませんが)に対する嫉妬であります。人間のエゴの発揮は他人に対しては嫉妬という形で現れます。白雪姫の世界です。自分よりも優れた人間の存在を許さないというエゴが嫉妬という形で現れるのです。

 私は若いときに一度人生も希望も嫉妬も放棄し、命以外の全てを捨て去った経験を20年も続けてきた人間ですから、自分自身のエゴと結びついた嫉妬についても気楽に語れます。今もなお本能的には嫉妬心が世界一強い男のひとりだと自負していますが、この嫉妬心を他人に向けることは絶対にしない自信があるので、というよりも他人の優れた資質に対して敬意を表する心のあり方を身につけることができたので、嫉妬も堂々と語ることができるのです。もちろん他人に負けたくないという嫉妬心は向上心に簡単に変えられる力も私は持ち合わせているので、ますます自分の嫉妬心や他人の嫉妬心を自由に語ることができるのです。全ての活動の根源はエゴから発するものであり、つまり気づかない嫉妬心から発するものですから、それに気がつけば全ての不可解とされる人間の営みの根源が極めて簡単に見えてきます。ナチスのヒットラーのユダヤ人ホロコーストもまさに嫉妬心のなせる業であったのです。ユダヤのホロコーストを研究しているどの学者も、今なお原因が分からないと言い続けていますが、ユダヤ民族に対するゲルマン民族の集団的嫉妬によるものがナチスのホロコーストの原因だったのです!今もなおあらゆる分野で嫉妬が世界を支配し続けているのですが、誰も口には出しません。残念です。自由、平等、民主主義、資本主義の根幹には嫉妬の情熱が波打っています。

 もちろんユダヤ人もヒットラーに負けないほどの嫉妬心を持っているのですが、彼らは生まれつき優れた知能を有しているので、現代世界をアメリカの支配を通じて、わずか1300万人のユダヤ人だけで現代世界を思うように動かしているのです。知能の高いユダヤ人は金儲けがうまいのみならず、学問の分野のみならずあらゆる分野での支配力を手中にしているので、中国人がさらに台頭するまでは世界を支配し続けるでしょう。いずれにしろユダヤ人は人口が少ないので、いずれは圧倒的多数の中国人にとって代わられるでしょう。昔も今もさらに未来も、知能の差別はなくなることはないでしょう。今後はさらに知能だけが世界を支配し続けることになるでしょう。差別のない世界が作られることは今後も永遠にないでしょう。なぜならば知能の差別については誰も問題にしないからです。

 以上、以前書いたユダヤ人の頭の良さやナチスのユダヤ人ホロコーストについて長々と引用したのは、初めて読む人を想定したためです。しかしながら、それ以上に、自分が書いた昔の文章ですが、極めて面白い真実をよくも書いたのかと思って再掲させていただきました。何回読んでもめちゃ面白いコラムだと自分ながら感心しております。アッハッハ!

 

 道草はこれぐらいにして、本論の21世紀の人類にとって最大の敵であるヘルペスウイルスが、どのようにして慢性的な神経症状を起こし続けるかについて詳しく詳しく書いていきます。さらに慢性どころか、永遠に人類消滅まで戦わねばならないヘルペスを誰が増やしたのかについても詳しく書いていきましょう。もちろん免疫を抑える製薬メーカーの薬と、その薬を出し続ける医者であることは皆さんご存知しょうが。アッハッハ!乞うご期待!

 今日はここまでです。2014/05/08

 なぜ神経に住みついたヘルペスウイルスが免疫に認識されにくいかについて書き始めましょう。いわゆるヘルペスの専門学者が書いた本を勉強しても、ヘルペスが人類を永遠に悩ませ続ける最大の病気の原因であることについては一言も書かれていません。ただ潜伏感染するとか、持続感染するとか、回帰発生するとかだけしか書いていません。なぜヘルペスがひとたび人体に侵入すれば潜伏感染するのかとか、なぜ持続感染し続けるのかとか、なぜ回帰発生するとか、なぜ免疫がヘルペスを殺しきれないのかとかについても、一行も書かれていません。学問は「なぜ」という疑問を解くために存在しているのです。にもかかわらず、西洋医学が出来上がって200年近くも経ちますが、この今挙げたヘルペスについての「なぜ」に対する解答を示した医学者は誰もいないのです。だからこそ私が書かざるをえないのです。ワッハッハ!アホな死にぞこないの69歳のおじんですが、ヘルペスの「なぜ」に対する真実の答えに肉薄してみせましょう。アッハッハ!

 ヘルペスウイルスについての専門書を読めば読むほど、ウイルス学者のレベルがいかに低いかが窺い知れます。一番不思議に思うのは、彼らはどのようにして病気が生まれるのかさえ知らないのではないかと思うほどのレベルであります。…と思ったりするのですが、その思いは真実ではなく嘘です。というのも、彼らは私よりもはるかにはるかに賢い集団の御方達であり、彼らが私よりもレベルの低い人たちの集団でないことは日の目を見るより明らかであります。彼らは私よりもはるかに頭が良いので、一流の学者になっておられるのです。一介の開業医である私の知っていることは、実は彼らは全て知っているのは言うまでもないことです。なぜならばウイルス学者は30年も40年もウイルスを研究し、ヘルペスが特別な存在であることを知らないわけはないからです。それではなぜ私の知っている真実を語ることができないのでしょうか?答えましょう。

 これから書かねばならないことは、彼らの名誉を傷つけることになるかもしれませんが、あえて書きます。もし彼らがヘルペスについての全ての真実を書いてしまえば、医薬業界が崩壊してしまうことを知っているので、医薬業界という組織の一員としては口が裂けても真実を語ることができないのです。つまり組織で生き延びることの方が真実よりも大事だという人たちの集団であるからです。言い過ぎましたか?アッハッハ!彼らにとって真実を語ることによって一番困ることはただひとつ、ヘルペスを人体に増やし続けているのは自分たち自身であるということがバレてしまうことです。免疫を抑える薬しか医薬業界は作れないものですから、その薬を朝から晩まで死ぬまで投与しているのは自分たちであり、その免疫を抑える薬がヘルペスを無限大に増やしていることをも知っているので、口が裂けても言えないのです。人類に残された最後の病気の原因であるヘルペスを増やし続けているという責任を取らざるを得なくなるからです。悲しいですね!さらに現在最後に残された病気は痛みであり、感覚異常であり、自律神経異常であり、12種類の脳神経症状であるのですが、これらの症状は全てそれぞれの神経に潜んでいるヘルペスと免疫との戦いであることを知られてしまうと、一切の医学研究も不必要になり、さらに画像診断と言われるCTやMRIやPETの検査もする必要がなくなるからです。だって病気の原因を探ることが医学研究であることですが、抗ヘルペス剤を大量に投与すれば症状がなくなることはすぐに分かるのにもかかわらず、抗ヘルペス剤を5日以上投与させないのです。ヘルペスとの戦いによる症状が全然消えていないのにもかかわらずであります。なぜ抗ヘルペス剤の投与を5日間に限るのでしょうか?抗ヘルペス剤を飲めば飲むほど、症状がどんどん消えていくにもかかわらずであります。

 さらに病気の原因を診断するために日本全国で行われている高価な検査であるCTやMRIやPETの画像検査も、ヘルペスと免疫が神経で戦っていることを明らかにすることはできないのにもかかわらず、原因不明と診断するために検査代を稼ぐために毎日毎日行われているのです。一方、一番簡単な検査で、しかも免疫とヘルペスの戦いの度合いを確認できるのは、血液検査でそれぞれのヘルペスの抗体価を測定するだけでいいのですが、現代の健康保険では使わせないのです。やっても意味が無い効果がない検査はどんどんさせて、安く簡単なヘルペスの抗体価の検査をさせないのはなぜだと思いますか?CTやMRIやPETの画像検査はお金が儲かるからです。他方、安くて簡単に証拠が明らかになってしまうヘルペスの抗体価の検査は、やられるとヘルペスが原因であるということが分かってしまうからです。悲しいですね!病気の真実を明らかにする検査は全て禁止し、病医院が儲かる無駄な検査は自由にさせるとは、なんとおぞましい日本の国民皆保険を掲げる医療でしょうか?悲しいですね。

 ここで12脳神経に潜んでいるヘルペスと戦う免疫がどのような症状を引き起こすかについて詳しく書いておきましょう。まず神経についてのあらましと、12脳神経が一体どのような神経であるかについて説明しながら、様々な神経症状がどのようにして出るかをひとつひとつ説明していきましょう。

 まず神経は大きく中枢神経と末梢神経の2つから成り立っています。その中枢神経は脳と脊髄から成り立っています。脳は頭蓋骨に保護され、脊髄は脊椎骨に保護されています。次に末梢神経は脳神経と脊髄神経から成り立っています。脳神経は、脳から直接左右に出て行く12対の神経から成り立ち、脊髄神経は脊髄から左右に出て行く31対の神経から成り立っています。

 

 次に、末梢神経は感覚神経と運動神経と自律神経から成り立っていることはご存知でしょう。感覚神経は末端で受けた感覚刺激を中枢へ伝える神経であり、運動神経は逆に中枢から運動の命令を末端に伝える神経であります。残りの自律神経は読んで字のごとく神経自身が勝手に律している神経であり、人間の意思に関係なく働いている神経であります。例えば内臓の働きや、内分泌腺、外分泌腺、血管や汗腺などは自律神経によって支配されています。この自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っていることはご存知でしょう。交感神経と副交感神経はお互いに拮抗する働きがあることもご存知でしょう。

 さて、今日のテーマである脳神経について述べていきましょう。12対の脳神経が脳の脳幹から直接出て行きます。12対の神経の名前を列記しましょう。①嗅神経 ②視神経 ③動眼神経 ④滑車神経 ⑤三叉神経 ⑥外転神経 ⑦顔面神経 ⑧聴神経(内耳神経) ⑨舌咽神経 ⑩迷走神経 ⑪副神経 ⑫舌下神経 の12種類であります。これらの神経の働きについて、分かりきっていると思いますが、あえて述べます。
①嗅神経は、においを脳に伝える感覚神経です。
②視神経は、見たものを脳に伝える感覚神経です。
③動眼神経は、読んで字のごとく、眼球を動かす筋肉に命令を伝える運動神経です。
④滑車神経は、眼球を下側・外側に向ける筋肉に命令を伝える運動神経です。
⑤三叉神経は、三本の神経から成り立っているので三叉神経といいますが、顔面や鼻や口や歯の感覚を脳に伝える感覚神経であると同時に、咀嚼や下を動かす運動神経でもあります。混合神経といえます。
⑥外転神経も読んで字のごとく、眼球を外側に転がす神経に命令する運動神経であります。
⑦顔面神経は、顔面神経麻痺という言葉を皆さんご存知のように、顔の表情の筋肉を動かす運動神経であると同時に、知らないうちに顔の表情を変える自律神経も含んでいます。また舌の先の1/3の味覚を司る知覚神経であります。さらに舌下腺、下顎腺、涙腺、鼻腺などの唾液分泌を支配する運動神経であります。
⑧聴神経は、内耳神経ともいいます。この神経でヘルペスと戦うとメニエール病が起こることはご存知でしょう。つまり聴覚と平衡感覚を脳に伝える知覚神経であります。
⑨舌咽神経は、文字通り舌と咽頭の知覚と分泌と運動に関わる神経であります。舌の後ろ2/3の味覚を脳に伝える感覚神経であり、耳下腺の分泌を支配する運動神経でもあります。嚥下作用を司る咽頭筋や喉頭筋の運動を支配する運動神経です。これも混合神経であります。
⑩迷走神経は、咽頭筋、喉頭筋、喉頭蓋、耳介後部、外耳道、胸腔、腹腔内臓を支配する混合神経であり、複雑であり、かつ自律神経失調症といわれる病気にも関わっているので、すぐ後で詳しく述べます。
⑪副神経は、胸鎖乳突筋、僧帽筋に命令を伝える運動神経です。この副神経の働きによって顎を上げたり肩を回したりできるのです。
⑫舌下神経は、舌筋を支配する運動神経です。舌で咀嚼したり飲み込んだり発声に関わる神経です。

 迷走神経について述べる前に、自律神経のひとつである副交感神経について述べておきます。副交感神経の最高の中枢は視床下部にあります。この視床下部は同時に交感神経の最高司令部ともなっています。つまり視床下部は自律神経の中枢であります。一方、視床下部に支配される部下の2番目の中枢となる副交感神経は脳幹にあります。脳幹というのは中脳と橋と延髄の3つの部分から成り立っております。ここから副交感神経を含んでいる③動眼神経⑦顔面神経⑨舌咽神経⑩迷走神経が直接出ています。さらに副交感神経は脊髄の一番下にある仙髄からも出ています。この仙髄から出ている骨盤神経にある副交感神経は大腸や膀胱や生殖器などを支配しています。もっと詳しく述べれば、③動眼神経は中脳から出ており、運動神経であり一部副交感神経も含んでいる混合神経であります。⑦顔面神経は混合神経でありますが、主に運動神経が占めており、感覚神経も副交感神経も含んでいます。⑨舌咽神経は運動と副交感神経と感覚神経の3つを含む混合神経であります。

 3つの神経を同時に含む混合神経以外に、副交感神経と運動神経が一緒になった混合神経と、副交感神経が感覚神経と一緒になった混合神経の、3種類があります。ちなみに交感神経はこのような混合神経はなく、運動神経や感覚神経から独立しています。

 最後に副交感神経を含んでいる第10脳神経である迷走神経について詳しく述べましょう。なぜ第10脳神経を迷走神経というかご存知ですか?この第10脳神経の神経線維の走行が、定まった経路を取らず、あちこち不規則に方向を変えながら進む神経であることが分かったからです。この神経を、ときには副交感神経と呼ぶことがあります。なぜでしょう?それはほとんどの臓器を支配している副交感神経が迷走神経に含まれているからです。この迷走神経は延髄から起こり、頭部から頚静脈孔という穴を通って出て行き、頸部、胸部、腹部にまで広く分布する神経であります。運動神経線維や知覚神経線維と副交感神経線維の3つを含む混合神経線維が含まれている混合神経であります。喉頭筋の運動や咽頭や喉頭の知覚を司り、気管支、食道、心臓、胃、腸などの運動や分泌を全て支配しています。

 ここで注意してもらいたいのは、迷走神経には、痛みを感じる神経も含まれていることです。迷走神経といえば副交感神経しか含まれていないと考えている医者が多いので、あえて注意しておきます。皆さんに聞きたいのですが、例えばしわがれ声がどうして起こるかご存知ですか?迷走神経の分枝である半回神経でヘルペスとの戦いによる炎症が起こると生じるのです。これを半回神経麻痺といいます。この半回神経麻痺が起こる時は、口を開けて「あー」と声を出した時に、咽頭の後ろの壁が炎症の無い側に引っ張られて、カーテンが開かれたような症状も見られます。これをカーテン兆候といいます。また内臓を支配する迷走神経の副交感神経でヘルペスとの戦いによる炎症が生じると、便秘や下痢をきたすことがあります。このような症状を過敏性腸症候群といいますが、この過敏性腸症候群も迷走神経で免疫がヘルペスと戦っているから生じるのです。さらに迷走神経痛という症状が出ることがあります。先程述べたように、迷走神経は感覚神経も含まれ、外耳道後部や耳介の後ろの皮膚に迷走神経の知覚枝が分布しています。さらに迷走神経の知覚を支配する神経が喉頭粘膜にも分布しているので、ここでヘルペスと戦うと痛みが出ることがあるのです。風邪の時に出る喉の痛みや耳の痛みは、実は多くがヘルペスとの戦いによって生じるのです。

 迷走神経は他の11種類の脳神経とは異なり、顔面や頭部だけを支配しているのではなくて、頭部よりも下の方に神経線維がのび、胸腔や腹腔などにある内臓の働きを支配しています。それぞれの内臓の臓器の中に迷走神経節を形作ります。自律神経の中の副交感神経の働きを最も多く担っている神経であり、交感神経と拮抗する最も重要な副交感神経であるので、迷走神経のことを副交感神経といわれることは既に述べました。ここで副交感神経について説明しましょう。少し難しいですがついてきてください。ここでもう一度確認してもらいたいことは、ひとつの脳神経からは、多かれ少なかれ自律神経(交感神経と副交感神経)線維も運動神経線維も感覚神経線維も一緒に束なって混在している混合神経である場合が多いことを知っておいてください。

 まず副交感神経はどのような働きがあるのでしょうか?一言で言うと、交感神経と拮抗する仕事をするというのは既に述べました。全ての臓器は相反する働きをする交感神経と副交感神経によって支配されています。つまり全ての臓器は仕事をしすぎてもしなさすぎても問題が起こるので、常にバランスを取り戻そうとします。このように臓器の機能的な状態をある範囲の中で安定的な状態に保持するために、自律神経系が生まれたのです。このような安定的な状態をホメオスターシスといいます。このホメオスターシスを維持するのは哺乳類では自律神経のみならず、内分泌腺、つまりホルモンによっても行われているのです。従って、無理やり医者がステロイドホルモンを入れたりすると、ホメオスターシスが破壊されて訳の分からない病気が生まれるともいえます。一方、例えば、交感神経は心臓の拍動を増すのですが、副交感神経は逆に心臓の拍動数を下げます。無理やり走りすぎて心臓の脈動が増しすぎると、ホメオスターシスが崩れて心臓の病気になることもあるのです。

 次回は神経がヘルペスと戦った時にどのような病気が出現するかについて述べます。さらに傷ついた神経がどのようにして修復されるにかについても述べる予定です。2014/05/22