間質性肺炎について

 さてここでビッグニュースをお伝えしましょう。先ほども「肺上皮細胞の幹細胞」という言葉をちらっと書きましたが、私は長い間、肺胞の細胞はひとたび壊死やアポトーシスしてしまえば、二度と再生できないと考えていました。なぜならば、肺胞の上皮細胞には幹細胞がないと考えていたからです。ところが、脳の中枢神経細胞にも幹細胞があるという事がわかったように、肺胞のⅠ型・Ⅱ型の細胞にも幹細胞があり、再生が可能ということが判明しました。私の知る限りでは、ひとたび死滅した細胞が再生できないのは、腎臓の足細胞だけであるのです。

ご存知のように私は常々言っています。「病気というのは、異物が人体に入らない限り絶対に起こらない。現代文明において病気を起こす異物はたった二つだけである。一つは現代文明が作り出した7500万種類以上の化学物質のどれかであり、二つ目は8種類のヘルペスウイルスのどれかである」と。間質性肺炎の原因についても、言うまでもなく、その原因は化学物質かEBウイルスかサイトメガロウイルスのどれかであることがわかってきました。EBウイルスやサイトメガロウイルスについては補体の話の後に詳しく書く予定です。ご期待ください。いずれにしろこれらの化学物質とEBウイルスとの戦いが肺で行われたときに、死滅したⅠ型やⅡ型の肺胞上皮細胞も再生が可能であるということがわかったのです。人間は死なない限り、自分の免疫でしか病気を治すことはできないという真実も、間質性肺炎においても言えるのです。ひとたび死んだ肺上皮細胞も肺の幹細胞によって再生することができるという希望が出てきたのです。肺の命を守ってくれる幹細胞があるという研究については次回詳しく述べましょう。しかしながら崩壊した肺胞の構築を正常に戻すことと、肺胞上皮細胞を再生することとは別問題であることは知っておいてください。ちょうどリウマチにおいて、長い間炎症を繰り返し、変形してしまった関節の構造を元に戻すことと、関節の細胞が炎症ために死んでも、関節の幹細胞が残っている限りは再生が可能であることとは別問題であるのと似ています。

ここで、最先端の肺胞の上皮細胞の再生についての研究の一端を紹介しましょう。
 長い間、一度死んだ肺胞の細胞は再生しないと考えられていました。老人に多い慢性閉塞性肺疾患(COPD: chronic obstructive pulmonary disease)のひとつである肺気腫(Pulmonary emphysema)などで認められる肺胞破壊は不可逆的なものであると考えられてきました。ところが感染、喫煙、誤嚥などによりⅠ型もⅡ型も肺細胞は傷害を受け、それら傷害を受けた細胞および肺組織が新しい細胞によって常に実際は修復されていることは知られていました。言い換えれば、肺の細胞は創傷を受けても免疫の修復の力で治癒されているのです。この修復機構は、COPD以外の肺線維症や肺癌など多くの難治性肺疾患にも働いているのです。これらの肺修復には、肺組織幹細胞のみならず骨髄由来幹細胞の関与もわかってきました。具体的に説明しましょう。

 肺は発生学的には、食道壁の一部より生じ、消化管と同じ起源を持ちます。消化管とくに腸の上皮細胞が1日〜数日で新しい細胞に入れ替わるのに対し、肺の気道上皮細胞のturn over(細胞の新旧の入れ替わり)は約100日と長いのです。しかし、肺は外界に接している臓器であるため、肺損傷後の修復は素早く行われる必要があります。なぜならば、肺胞の傷が残り続ければ、常に空気に含まれる病原体や毒物にさらされ、様々な肺炎になりやすいからです。ところが残念ながらこの肺の修復の詳細は未だ不明であるのです。

 傷害を受けた肺胞では、その細胞に取って代わる新しい細胞の供給が必要です。この新しい細胞の供給源となる元の細胞が肺の幹細胞であります。これらの細胞が増殖するために母地となる適切な結合組織(基質)を作る細胞の存在も必要であり、さらにそれらの細胞を傷害部位に誘導させるための走化因子、増殖させるための増殖因子などの液性因子も不可欠です。また、それらの幹細胞を目的とする肺組織の様々な細胞に分化させるための細胞内シグナルおよび転写因子の発動も重要でありますが、今なお完全には解明されていません。

 肺組織だけに存在する幹細胞群として、肺胞Ⅱ型上皮細胞、クララ細胞、肺上皮細胞と間質の間にある基底細胞が候補としてあげられています。
 クララ細胞とは、終末細気管支と呼吸細気管支の移行部に存在する線毛のない細胞でありますが、細胞表面に短い微絨毛はあります。しかしながら詳しいことはわかっていません。それでは終末細気管支と呼吸細気管支とはなんでしょうか?もう一度気道の構造を復習しましょう。まず空気は喉から気管に入り、次に気管支、細気管支、呼吸細気管支、肺胞管、肺胞嚢に入り、最後は肺胞が終着点となります。終末気管支は細気管支の最後の部分をいいます。終末気管支から続く呼吸細気管支の上皮細胞は円柱状から立方上皮様にさらに扁平上皮様となり、細胞の背丈がだんだん低くなっていきます。また実際には酸素と二酸化炭素を入れ替える機能は肺胞だけでなく、すでに呼吸細気管支の上皮からその機能があることがわかっています。

 上に述べたように、肺胞の幹細胞は、全てのⅡ型肺胞上皮細胞、クララ細胞であるとは限らないことは知っておいてください。これらの細胞の間に、本当の分化増殖の能力を持つ幹細胞があるかもしれませんが、まだ解明されていません。

 次に骨髄由来の肺胞上皮細胞の幹細胞について述べましょう。骨髄由来幹細胞が肺の炎症により動員され、傷害部位に集積し、肺胞上皮細胞・肺毛細血管内皮細胞に分化または融合することもわかりました。一般の肺炎症例においても、骨髄由来細胞が肺炎後の治癒にかかわっていることもわかりました。

 最後に肺胞上皮の幹細胞によって肺胞の上皮細胞が再生されるのには、細胞の分化・増殖因子を促す分化誘導・細胞増殖因子が必要であることはすでに述べましたが、これについても少し付け加えておきましょう。なぜ私がこれほど肺胞の細胞の再生についてこだわるのでしょうか?もちろんひとつは、間質性肺炎で傷ついた肺胞の細胞は絶対に再生できないので、治っても傷は永遠に残ると考えていたのは間違いであることを証明したいためですが、それだけではありません。ふたつめの理由は、人間のすべての組織の細胞が障害を受けた時に、新たにその組織の固有の幹細胞から細胞を再生する必要がありますが、肺胞の細胞を再生するプロセスと、多かれ少なかれ酷似しているからです。従って人体の他の全ての組織の細胞が傷ついた時に、どのようにしてそのような傷ついた組織が修復・再生されるかを同時に理解してもらいたいためなのです。

 さて、細胞増殖因子は、細胞の増殖・遊走・分化・アポトーシスの誘導、形態形成の誘導、細胞外基質(細胞外結合組織)の産生・制御など様々な細胞および組織機能の調節を行い、発生時の組織形成や発生後の組織再生に関与しています。とりわけ肝細胞増殖因子hepatocyte growth factor (HGF)は、肝細胞や胆管上皮細胞に働きその細胞増殖を促進させ、肝臓の細胞や肝臓の組織の再生へ向かわせるのみならず、実は様々な臓器において組織の修復と再生を促すことが知られています。肺においても、発生の段階での肺胞形成や肺切除後の代償性の肺成長に関与することが知られています。HGFのみならず、様々な細胞増殖因子が肺胞細胞を増殖させることも知られています。例えば、granulocyte-colony stimulating factor (G-CSF)もHGFと同じ細胞の再生の効果があることが分かっています。元来、granulocyte-colony stimulating factorというのは、顆粒球の集団を増やす因子という意味です。つまり白血球の中で3つの顆粒球である好中球や好塩基球や好酸球を骨髄で増やし成熟させ、かつ末梢血に運び出す遊走因子でもあったのですが、マクロファージに対してもこのG-CSFは同じ作用を持っています。G-SCFは、このような白血球を増やすのみならず、肺胞上皮細胞を増やすこともわかりました。ちなみに最近、骨髄由来幹細胞を含めた血球系および間葉系の骨髄細胞を末梢に動員する能力もG-CSFが持っていることが明らかになったことも伝えておきましょう。

 さぁ、最後に本論の原因不明である間質性肺炎、つまり特発性間質性肺炎がどうして起こるのかについて考察していきます。今まで述べてきたのは、あくまでも特発性間質性肺炎の時に、どんな症状が出るとか、かつKL-6が高値であるとか、SP-A、SP-Dも高値をとるとか、KL-6、SP-A、SP-Dが何であるかについて専門書に書かれた最先端の情報をかいつまんで述べてきただけです。ところが、どれだけ私が世界中の医学者の書いた専門書を読んでも、なぜKL-6が上昇するのか、SP-AやSP-Dの値が高くなるのかの理由については一言もふれられていません。ましてやその原因についても誰も何も言及していません。そこが私が一番知的興味をそそられるところなのです。言い換えると、誰も知らないことを明らかにするために私は老体に鞭打って日夜勉強しているのです。アッハッハ!これから、その難問のひとつひとつを解明していきたいと思います。

 まず、今書いているホームページは、本来、補体の全貌を明らかにするために書き始めたのですが、なぜこんなに寄り道をしてしまったのでしょうか?それはSP-AとSP-Dは、まさに補体の仲間であるからです。思い出してもらいたいのですが、補体活性化の経路は3つあります。①古典経路、②副経路(代替経路)、③マンノース結合レクチン(MBL)経路の3つであります。①と③は既に述べました。③のMBL経路で最初に異物(病原体)を認識するタンパクがレクチンとフィコリンがあったことを覚えておられますか?これらのタンパクは、コレクティンというタンパクの仲間なのです。従ってレクチンとフィコリンの構造は非常に似ていることに気づかれたことでしょう。実はSP-AやSP-Dも、このコレクティンのタンパクの仲間なのです。だからこそSP-AやSP-Dは、肺胞の内面の粘液の中に大量に見られるのです。なぜでしょう?このSP-AとSP-Dは、肺胞の内面の粘膜を外敵から守っているのです。SP-AやSP-Dは、外部の空気に含まれている様々な病原体を覆うことにより、肺胞マクロファージに食べやすくさせているのです。まさに、補体と同じくオプソニン作用を発揮しているのです。ところが残念なことに、SP-AやSP-Dは、コレクティンの仲間ではありますが、残念ながら補体の活性経路の①古典経路が持っているC1rとC1sがないものですから、補体を活性化することができないのです。さらに②MBL経路のMASP1とMASP2を持っていないので、やはり補体を活性化させることができないことも知っておいてください。C1r、C1s、MASP1、MASP2を覚えておられますか?復習しておいてください。

 さて、肺胞マクロファージとは何でしょうか?肺胞マクロファージ(alveolar macrophage)は、血管から袋状の肺胞の内面に出たマクロファージであります。肺胞マクロファージは、大気中から肺胞に侵入した粒子状物質やたばこ煙、呼吸器内に侵入した微生物を、マクロファージの細胞骨格を形成するアクチンというタンパクを働かせ、肺胞マクロファージ自体の細胞膜を粒子に沿わせ伸展することによって粒子を細胞内に取り込み、呼吸器を守る役割を持っています。通常のマクロファージは組織内で活動しますが、肺胞マクロファ−ジだけは組織の外へ出て、肺胞の内壁で活動します。1個の肺胞の表面には平均 50個の肺胞マクロファージがいます。つまり、人間は左右に6億個〜7億個の肺胞を持っていますから、7億×5=350億個の肺胞マクロファージを持っているのです。ちなみに、すべての肺胞の表面積を合わせると平均70平方メートルにもなります。

 もちろん肝臓で作られた様々な補体成分が肺胞表面にもあるにもかかわらず、なぜわざわざオプソニン作用を持つSP-AやSP-DをⅡ型肺胞上皮細胞に作らせたのでしょうか?言うまでもなく、肺胞は常に空気に含まれているあらゆる種類の病原体や化学物質にさらされているからです。それではKL-6はどんな仕事をしているのでしょうか?

 皆さん、覚えておられますか?肺癌の治療薬で、癌細胞の分子だけを標的にして癌細胞を殺すといわれる抗癌剤のイレッサを投与したために、肺癌が治るどころか、557人もの患者が間質性肺炎で亡くなられたニュースを覚えていますか?このような薬を分子標的薬といいます。アストラゼネカが作った分子標的薬であるイレッサが間質性肺炎を生み出し、死ぬこともあるという副作用を知らされずに用いられたということで被害者が訴訟を起こしたのですが、結局裁判で負けてしまいました。それはイレッサの効能書きに間質性肺炎になることもあるという一文が書いてあったということで、被害者は負けてしまったのです。これもおかしな判決だと思いませんか?病気を治すために薬を飲むのですが、肺癌が絶対に治るという薬であれば、たとえ死ぬかもしれない薬でも生死をかけて服用する価値もありますが、治すことができない薬を国が認めるということはおかしいと思いませんか?TPPが締結された後に、欧米の製薬会社が同じような薬を金儲けのために大々的に売り出すようになるのではないかと懸念しています。ちなみにクローン病や潰瘍性大腸炎の抗体医薬で有名なヒュミラは一年間で1兆2000億円売れています。世界でナンバーワンの売り上げの薬です。2番目は例のレミケードであります。これは8500億円売れています。使えば使うほど免疫を抑え続けて病気を絶対に治すことができない薬が、どうして売れまくるのでしょうか?不思議でたまりません。病気を治すのは自分の免疫の遺伝子しかないのにもかかわらず、であります。悲しいことですね。

 それではどうしてイレッサが間質性肺炎を起こすのでしょうか?いろいろ調べてみたのですが、それに対する答えは一行たりとも探し出すことはできませんでした。さぁ、ここで私の出番となります。皆さんご存知のように、私の理論の根底は異物が人体に侵入し、それを免疫が認識しない限り病気は起こらない、という原理原則です。異物とは人体にとって生き続けるためには必要でないものです。言い換えると、異物とは命を守る免疫が敵と認識するものです。現代文明社会においては、そのような異物は2つしかないのです。ひとつは言わずと知れた文明が作った7500万種類以上の化学物質です。もうひとつは、8種類のヘルペスであります。

 イレッサはまさにわざわざ肺に集中的に集まるように作った化学物質です。その化学物質がハプテンとなり、遺伝子が生きるために作った10万種類以上のタンパクがキャリアタンパクとなり、イレッサのようなハプテンとキャリアタンパクが結びつき複合抗原となります。摂取されたイレッサがこの複合抗原となり、血流に運ばれて肺胞の間質(隔壁)に沈着します。肺胞にいる肺胞マクロファージがこのような複合抗原を貪食し、血管を通じて肺周辺にあるリンパ節に運び込みます。肺や肺周囲には、14箇所のリンパ節があります。代表的なリンパ節には、まず鎖骨上窩リンパ節、上縦隔リンパ節、大動脈リンパ節、下縦隔リンパ節、肺門リンパ節、肺内リンパ節などがあります。イレッサであるハプテンとキャリアタンパクの複合抗原がこのようなリンパ節に運ばれると、この複合抗原だけを認識できる限られたT細胞が敵だと認識できるのです。

 それでは抗体を作るために必要なB細胞は、どのようにしてこの複合抗原を認識するのでしょうか?肺胞の間質(隔壁)には膨大な毛細血管があります。その毛細血管に運ばれてきた肝臓で作られた補体が肺胞の結合組織に漏れ出てきます。この補体と複合抗原が結びつき、再び毛細血管や毛細リンパ管から吸収されて上に述べた肺関連のリンパ節に運ばれます。そのリンパ節には、イレッサと結びついたキャリアタンパクの複合抗原だけを認識できるB細胞がいれば、その複合抗原が結合した補体と結びつくことができるのです。なぜでしょう?実は B細胞は、補体と結びつくレセプター(CR2)を持っているのです。このB細胞のCR2に補体とイレッサの複合体が結びつくと、B細胞もイレッサを認識できます。

 リンパ節でT細胞もB細胞もイレッサを敵と認識すると、B細胞はイレッサに対する抗体を作り始めます。この抗体はリンパ管から再び肺胞の結合組織(間質)にまで運びだされます。ご存知のように、抗体はオプソニン作用があり、肺胞の間質や肺胞の内面にいる好中球や肺胞マクロファージに食べられます。これらの貪食細胞は溶けきれないイレッサを吐き出します。吐き出す時に、肺胞の組織に障害を与える活性酸素や様々な酵素も同時に吐き出します。このような強い作用を持つ化学物質が肺胞の組織を傷つけ、炎症が生じます。大量のイレッサを飲み続けると、この炎症が激しくなり、肺胞が崩壊していきます。酸素と二酸化炭素の交換を行う肺胞上皮細胞Ⅰ型のみならず、Ⅱ型も死んでしまいます。肺胞の上皮細胞Ⅱ型で作られるKL-6やSP-AやSP-Dが大量に血流に漏れ出てしまいます。既に述べたように採血をすればKL-6やSP-AやSP-Dの値が正常より高くなっていることがわかるのです。ややこしいですがついてきてください。

 それでは今日のテーマのひとつに対して答えを出しましょう。肝臓で作られた様々な補体成分が肺胞表面にもあるにもかかわらず、なぜわざわざオプソニン作用を持つSP-AやSP-DをⅡ型肺胞上皮細胞に作らせたのかという問いに対する答えです。答えは極めて簡単です。生き続けるためには、何が一番大事でしょうか?酸素です。酸素が無限にあっても、それを体内に取り込む肺胞の仕事ができなくなれば一巻の終わりです。昔から人類は感染性肺炎で死に続けてきました。まさに肺胞に入ってきたウイルスや細菌を何とかして殺すために、補体があるにもかかわらずSP-AやSP-Dが特別に肺胞上皮細胞Ⅱ型で作られたのです。肺胞に入ってくるウイルスには、実はヘルペスウイルスの8つの仲間たちがいることはご存じでしょう。これらのヘルペスウイルスをいち早くやっつけるためにSP-AやSP-Dが作られたのです。これについては後でふれます。

 ところが感染症がほとんど根絶された現代文明においては、肺胞に入ってくるのは病原体ではなく化学物質となってしまったのです。まさにイレッサは現代文明が作り出した不必要な(?)化学物質であったのですが、SP-AやSP-Dは今も昔も変わらず、補体と同じくイレッサにまとわりついて、肺胞マクロファージや好中球に食べやすいようにオプソニン作用の働きを発揮するのです。もちろん生命でないイレッサを貪欲細胞が殺せるわけはないのにもかかわらず、殺そうとする無駄なことをやらざるを得ない宿命を負っているのです。なぜならば、免疫の遺伝子の命令であるからです。これが膠原病なのです。まさに膠原病は現代文明が作った化学物質が原因となっているのです。この世に化学物質がなければ、人類にとって難病というものは起こり得ないのです。もちろん化学物質がなければ医者も飯の食い上げですがね!だって病気がなくなってしまうでしょう?アッハッハ!

 それではKL-6は何のために作られたのでしょうか?38億年かかって進化した人類が作る化学物質は目的的な意味が必ずあるはずです。間質性肺炎の診断や経過を見る上で最も大切なKL-6ですから、大上段に構えてKL-6の役割を問いかけたのですが、元来、KL-6が間質性肺炎と直接関わりがある特別な機能を持っているわけではないのです。KL-6は、MUC1(ムチン1)上に存在しているシアル化糖鎖抗原の1つにすぎないのです。MUCはmucinの略です。MUC1はムチンの1種であり様々な上皮細胞に見られる膜貫通型の糖タンパク質にすぎないのです。言い換えると、KL-6は、ムチン(mucin)といわれるタンパクにひっついた糖の鎖にすぎないのです。それではムチンとはなんでしょうか?ムチンとは、動物体の粘性物質を指し、特に免疫中の粘液タンパク質をいいます。もう少し詳しく説明しましょう。

 ムチンは、人体の高分子の中に含まれるタンパク(コアタンパク)が無数の糖の鎖によって修飾されてできた巨大分子であります。コアタンパクの主要領域は大半がアミノ酸であるセリンかトレオニンからなる10~80個のペプチドの繰り返し構造を持っています。糖の鎖は、N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルグルコサミン、ガラクトース、フコース、シアル酸などから構成されています。糖鎖はムチンの分子量の50%以上を占めています。この糖鎖のためにムチンの強い粘り気や水分子の保持能力が生まれ、タンパク質分解酵素によって分解されにくくなるのです。ムチンには、上皮細胞などが産生する分泌型ムチンと、疎水性の膜貫通部位を持ち細胞膜に結合した状態で存在する膜結合型ムチンの2種類があります。

 ムチンのコアタンパクはMUCと呼ばれ、様々なコアタンパクが発見され、その発見順に番号がつけられました。ヒトでは少なくとも19種類のムチンがあり、MUC1, 2, 3A, 3B, 4, 5AC, 5B, 6, 7, 8, 9, 11, 12, 13, 15, 16, 17, 18, 19があることがわかっております。そのうちMUC2, 5AC, 5B, 6は分泌型ムチン、MUC1, 3A, 3B, 4, 12は膜結合型ムチンであります。従って、KL-6はMUC1ですから、最初に発見されたムチンであり、かつ膜結合型ムチンであるのです。従って間質性肺炎でⅡ型上皮細胞の膜に結合していたムチンであるKL-6が崩壊して血中に大量に見られるのです。KL-6が膜にあるということは、このKL-6を足場にしてEBウイルスやサイトメガロウイルスが肺胞の細胞に入り込むのです。これについては後で詳しく書きます。

 さぁ、ここで本邦初公開の間質性肺炎の新たなる原因について述べましょう。伏線を張っておいたのですが、SP-AやSP-Dはヘルペスウイルスと結びついて、貪食細胞に食べやすくするようにオプソニン作用があるということは、チラッと述べておきました。8種類のヘルペスウイルスによって起こされるあらゆる病気について勉強してわかったことですが、なんと4番目のヘルペスウイルスであるEBウイルスによる間質性肺炎があることがわかったのです。さらに5番目のヘルペスウイルスであるサイトメガロウイルスも間質性肺炎を起こすことがわかりました。にもかかわらず、なぜ間質性肺炎の専門家である人たちが原因のわからない特発性間質性肺炎という病名を持ち出すのでしょうか?当院には日本全国から特発性間質性肺炎という病名をつけられて来院される人がたくさんいます。しかしながらEBウイルス性間質性肺炎という病名や、サイトメガロウイルス(CMV)性間質性肺炎という病名をつけられて来院された人は誰一人としておられません。なぜでしょう?みなさん疑問に思われませんか?

 それに対する答えはただ一つ、資本主義医療のためです。私が常々言っていますように、現代文明の病気の原因はたったふたつしかありません。8つのヘルペスの仲間と化学物質であります。この2つの原因によってもたらされる現代の病気はアレルギーと膠原病、それとヘルペスによる様々な原因不明の難病だけであります。しかもアレルギーと膠原病と原因不明の難病はすべてつながっているのです。なぜならば、アレルギーを治療と称して免疫を抑え続けると膠原病となり、しかも免疫を抑え続けている間に8つのヘルペスの仲間たちが人体のあらゆる細胞に増え続けるものですから、まさに医者と免疫を抑える薬を作る製薬メーカーが病気を作っていることを認めざるを得なくなるからです。なんと恐ろしい真実でしょうか???このような真実を語っているのは世界で私しかいません。もちろん世界中には医者が何千万人といるのですが、たった一人の死に損ないのクソジジイが語る真実を無視すればなんの痛痒も感ずることはないのです。世界中の誰もが知らない真実を語り続ける私はひょっとしたら天才ペテン師か、キチガイか、ノーベル賞を超えた天才かもしれませんね、ワッハッハ!

 私は100%臨床家ですから、患者の病気を治すことが使命であります。従って、どうしても病気をなんとか治すための臨床的な話が中心になります。ところが病気とは、人体にエプシュタイン・バール・ウイルス(EBV)やサイトメガロウイルス(CMV)などの病原体(異物)が侵入した時に、人体の免疫が戦って殺そうとした時に生じるものですから、まず自分の武器である免疫を完全に理解すると同時に、敵であるEBVやCMVのすべてを知る必要があります。だからこそ私は免疫を毎日勉強すると同時に、間質性肺炎を起こすと考えられるEBVやCMVの本体についてできる限り理解した後で、皆さんに分かりやすく述べようとしているのです。以前から私は、膠原病の原因は化学物質であると言い続けてきました。と同時にヘルペスウイルスが膠原病に関わりがあるということも示唆してきたのですが、やっと膠原病のひとつである間質性肺炎の原因となっているEBVとCMVについて語る時がきました。

 まずEBウイルス(EBV)とはなんぞや、から話をしましょう。当然サイトメガロウイルス(CMV)についても述べるつもりですが、EBウイルス感染症とサイトメガロウイルス感染症との鑑別は臨床的にはほとんど不可能である上に、一般の血液検査のデータからも鑑別はできないのです。EBVもCMVも全ての人が感染しているのです。従ってEBVやCMVに対する抗体を調べても何の意味もないのです。しかも抗体検査は血中にある抗体を調べているだけですから、神経細胞をはじめとする多種多様な細胞に隠れているEBVやCMVの量を調べることは不可能です。ましてや、EBVやCMVによって細胞が崩壊していることも調べることは不可能です。もちろんEBVとCMVが起こすのは、間質性肺炎だけではなく、間質性肺炎以外の肺炎も起こすことを知っておいてください。