オプジーボについて(PD-1とPDL-1はステロイドと同じである)

 まず、ノーベル賞を受賞された本庶佑先生がおっしゃられていたように、オプジーボは免疫の働きを利用した全く新しいタイプの抗ガン剤であり、かつガン治療薬において細菌病原体に絶滅させた嚆矢となったペニシリンと同じ位置を占めることができると公言されました。本当にそうなるかどうかを検討したいのと、さらにもう一つ重大な問題を検討したいと思います。それは副作用であります。この論文の2大テーマは、1つは「ガンは細胞の問題ではなく、生命そのものである遺伝子の単なる突然変異であるので、ガン細胞を殺す薬はガンを治すことはできない」と、2つめは、「なぜオプジーボは患者を殺すような華々しい副作用が出るのか」の2つであります。

 オプジーボは2014年に初めて日本において公認されたのですが、華々しい副作用が報告されています。その重大な副作用を羅列していきますと、1)間質性肺疾患、2)重症筋無力症、3)心筋炎、4)筋炎、5)横紋筋融解症、6)大腸炎、7)重度の下痢、8)Ⅰ型糖尿病(劇症Ⅰ型糖尿病を含む)、9)免疫性血小板減少性紫斑病、10)肝機能障害、11)肝炎、12)甲状腺機能障害、13)神経障害、14)腎障害、15)副腎障害、16)脳炎、17)重度の皮膚障害、18)静脈血栓塞栓症、19)筋ジストロフィーなどがあります。これらの症状はどうして出るのでしょうか?オプジーボ投与により死に至る重篤な自己免疫疾患が多数発生しており、合計すると1割以上の発生率と報告されています。その原因は、T細胞がガン細胞が発現するPDL-1のみならず、PDL-1を発現している正常細胞を攻撃すると考えられるからです。本当にこれらの病気は自己免疫疾患なのでしょうか?これを免疫学の観点から詳しく論じたいと思います。さらにオプジーボで本当に全てのガンが治るのでしょうか?という問いに対しても答えていきたいと思います。

 活性化したキラーT細胞が発現している膜のタンパク質であるPD-1が、ガン細胞が発現しているPDL-1と結びつくと、キラーT細胞の働きがなくなってしまいます。するとガンを殺す力もなくなってしまうので、PD-1にPDL-1が引っ付かない抗ガン剤が作られました。これがオプジーボです。極めて高価なオプジーボは、既存の抗ガン剤で効かなかった人にしか使えません。ところが既存の抗ガン剤を使って来た人や、あるいは放射線治療を受けたり、あるいは外科的治療を受けた人たちは極めて免疫が下がっている状態です。言うまでもなく、ガンになると言うことは免疫がよほど低下している人でありますから、いずれにしろガン患者は健康な患者に比べて、極度な免疫低下の状態にあります。その間に全ての人が多かれ少なかれ持っている8種類のヘルペスウイルスが無限大に増殖しております。ステロイドをはじめとする免疫を抑制する薬はすべからくヘルペスを増やし続けるという事実を世界中の医者の誰一人として気がついていません。人類の最後の消滅まで残り続ける病原体は8種類のヘルペスであるということを誰も知らないのです。しかももっと無知なことは、免疫が回復したら増やし続けたヘルペスとの戦いが始まり、原因不明とされるあらゆる病気を発症することも世界中の医者は誰も知らないのです。いうまでもなく、オプジーボによってもたらされる副作用としての19種類の病気は、実は全てヘルペスと免疫との戦いで生じた病気であることを、本庶佑先生ご自身もご存知でないのです。それではオプジーボはステロイドと同じく免疫を抑制する薬なのでしょうか?オプジーボは絶対にステロイドではありません。もちろんオプジーボは免疫抑制剤でもありません。それではなぜオプジーボを抗ガン剤として使用した時に、ヘルペスウイルスが無限大に増え、オプジーボを減らした時に、あるいはやめた時に、ヘルペスウイルスとの戦いが生じ、死をもたらすこともあるぐらいに一生治らない病気になってしまうのでしょうか?この答えも順番に出してあげましょう。

 オプジーボを用いている時に、免疫がゼロになっているわけではありません。残り少ないキラーT細胞をはじめとする免疫細胞は、必死で増えたヘルペスウイルスと戦おうとしていますし、実際に戦っています。ヘルペスと戦うためにT細胞を刺激するためにはCD28というレセプターが発現します。ところがT細胞が活性化すると、同時にPD-1というレセプターが発現します。このレセプターは免疫抑制レセプターともいわれます。キラーT細胞が戦うためにはCD28というレセプターが必要でありますが、一方キラーT細胞に戦うことをやめさせるレセプターがPD-1であります。T細胞が戦っているときに戦いをやめさせるPD-1を作らせるのは矛盾だと思いませんか?これに対する答えも後で詳しく述べましょう。

 私はこのPD-1は、世界一ずる賢い天才ヘルペスウイルスの遺伝子が、人間の免疫が殺すために働き始めたキラーT細胞に無理やり発現させたのです。なぜでしょうか?人間の免疫がヘルペスに対する殺しかたを見つける前から、ヘルペスは人間の免疫から回避する様々な戦略を見つけていたのです。この戦略については後で詳しく述べます。

 私がいつも常々言っていますように、最後に人類を悩ませるのは殺しきれないヘルペスであるというのは、何を意味していると思いますか?それは人間の免疫の遺伝子はヘルペスの遺伝子に敗北し続けているという意味です。全ての生命は、遺伝子が作り上げた操り人形に過ぎないのです。操り人形の種類が38億年かかって進化という遺伝子の変異によって作られたのが1000万種類といわれる種(species)なのであります。その種の中でヘルペスウイルスは人間の免疫のみならず、全ての生命が持っている免疫の働きを騙し、逃げ隠れし、決して絶滅しない戦略を身につけた天才ヘルペスに対して、人類はオプジーボという最高の贈り物を与えてしまったのです。なぜでしょうか?後で詳しく説明します。皮肉な話になりますが、ノーベル賞受賞者である本庶佑先生に、ヘルペスウイルスの仲間たちは彼にノーベル賞以上のものを与えたいと密かに思っているはずです!ワッハッハ!なぜならば、PD-1は一言で言えば、「ヘルペスと人間との熾烈な戦いを永遠に休戦しましょうという条約のハンコ」であったからです。免疫はできる限りヘルペスウイルスを攻撃することはやめますという誓いの休戦条約をオプジーボは破ってしまったのです。この理由も後で詳しく説明しましょう。

 8種類のヘルペスウイルスの全ては、永久に人体の全ての細胞に隠れ続け、絶対に殺しきれないのみならず、人体の免疫が落ちた時に増殖し、免疫が戻った時に免疫によって絶滅させられないように再びあらゆる細胞に隠れ続ける戦略を取り続けてきた天才ウイルスであリます。その戦略も詳しく後で書きます。ヘルペスは免疫を抑えるステロイドをはじめとするあらゆる免疫抑制剤を少しでも投与されると増殖する上に、ストレスのない人間はこの世に誰一人存在しないわけですから、競争を第一義とする資本主義全ての人は多かれ少なかれ過剰にストレスホルモンを出して免疫を抑えて生活をしています。世界一金持ちのAmazonのジェフ・ベゾスとアメリカ大統領のトランプだけが例外でしょうが。ワッハッハ!

 さぁ、これから一から十まで詳しくPD-1、PDL-1、抗ガン剤オプジーボ、ガン、さらにPD-1に対する抗体であるオプジーボ、最後にヘルペスウイルスが免疫との関わりにおいてどのような位置を占めているかについて順に詳しく説明しましょう。また上に記したいくつか問いに対して答えも出していきましょう。私にとっても手強いテーマでありますが、楽しいテーマでもあります。アッハッハ!

 私は一介のアホな開業医にすぎません。医学博士号は持ってますが、決して研究者ではありません。にもかかわらず、なぜこのようなとてつもないテーマに手を出すことができるのでしょうか?答えは極めて簡単です。遺伝子をも含めた生命体は生き続けるために、生命誕生以来38億年の臨床経験を持った遺伝子を私は絶対的に信頼しているからです。この遺伝子の働きは全て遺伝子が作り上げた生命体を生き続けさせるために病原体と戦い、殺したり共存したりするために進化(遺伝子の変異)を38億年間やり続けてきた、いわば最高の臨床医師である遺伝子を信じているからです。つまり遺伝子というのは最高度にエゴなる存在であり、その自分だけの遺伝子によって作り上げた遺伝子の操り人形である全ての生命体のエゴの意味を理解することだけが私の仕事であるので、研究者が断片的に提供してくれる事実を、ジグソーパズルのように正しく組み立てさえすれば、生命体の実相が明らかにすることがとっても楽しい仕事になるのです。

 しかしながら、こんジグソーパズルには単純な医学の知識だけでは解決できないのです。複眼的な哲学が必要なのです。単線思考では絶対に完成されないジグソーパズルなのです。このジグソーパズルを完成させるためには、世界中の医者が知らないヘルペスの存在を頭に入れなければ答えが出ないのです。かつガンはガン細胞の問題ではなく、遺伝子の変異に過ぎないのです。たまたま人体を構成する40兆の細胞の中のたった1個の細胞の遺伝子の変異が増殖に関わる遺伝子(ガン遺伝子)と増殖を抑制する遺伝子(ガン抑制遺伝子)の2つにたまたま生じた結果、この一個のガン細胞が無限に増え、その結果、ガンと認識されるに過ぎないのです。決してガンは細胞の問題ではなくて、生命体の根源である遺伝子の変異に過ぎないのです。殺しきれないヘルペスと遺伝子の変異の意味の2つをしっかり頭に入れておかなければ、このジグソーパズルは完成しないのです。この2つの真実を頭に入れておけば、PD-1やPDL-1やオプジーボの意味を理解することは極めて簡単であるのです。なぜならば38億年間臨床医師をやってきた人間の免疫の遺伝子さえ処理できない敵がヘルペスウイルスであることと、ガンは細胞の病気ではなくてたまたま生じた遺伝子の変異に過ぎないということを私以外に誰も知らないので、私しか答えが出せないのです。徐々に答えを出していきましょう。アッハッハ!

 後で説明しますが、遺伝子と生命は実は同じものなのです。なぜならば生命の始まりは実はRNAであるのです。RNAという遺伝子は、自己複製が可能であると同時に、そのために必要な酵素も作ることができるからです。これは、RNAはまさに生命である証であるのです。研究者は、遺伝子は生命の設計図で生命体ではないと言いたがりますが、私は、遺伝子は生命の設計図をも内蔵している生命体と考えています。その理由も後で詳しく書きます。

 それではまずPD-1というのは一体何なのでしょうか?まずどのような細胞が膜のレセプターとしてPD-1を発現しているのでしょうか?PD-1は、T細胞やB細胞や顆粒球や大食細胞や単核細胞などの免疫細胞が活性化された後に、細胞の膜に発現するITIMを含んだ受容体(receptor)であります。それではITIMとは何でしょうか?ITIMは英語で、“immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif”の頭字語です。“inhibitory”を日本語に訳すと「抑制する」という意味です。このITIMは、細胞質にある様々なphosphataseという酵素に結びついています。日本語でホスファターゼといいますが、リン酸エステルやポリリン酸を加水分解してリン酸基を除去する働きがあります。一方、リン酸基を逆に付加する酵素をホスホリラーゼといいます。これらのリン酸基を持っているタンパク質をITAMといい、ITAMからホスファターゼの働きでリン酸基を奪い取ると、ITAMの働きがなくなってしまうのです。ITAMというのは、英語で“immunoreceptor tyrosine-based activation motif”の頭字語です。“activation”は「活性する」という意味です。結局ITIMとITAMは逆の仕事をすると覚えておいてください。ITIMは細胞の働きを抑制し、ITAMは細胞の働きを活性化するのです。キラーT細胞とガン細胞が結びつくと、キラーT細胞のホスホリラーゼという酵素が活性化して、キラーT細胞はガン細胞を殺そうとするのですが、リン酸基がなくなると抑制され、キラーT細胞はガン細胞を殺せなくなります。

 PD-1は、CD4T細胞、CD8T細胞、CD4Treg、B細胞、APC、単球、マクロファージ(大食細胞)などが活性化された後に、細胞膜に発現します。CD4T細胞は、ヘルパーT細胞です。CD8T細胞は、キラーT細胞です。CD4Tregは制御性Tリンパ球のことです。iTregという言い方もします。APCはご存知のように、Antigen presenting cellの略であり、抗原提示細胞ですね。dendritic cellのことであり、樹状細胞や樹枝状細胞とも言います。言い換えるとPD-1はほとんど全ての免疫細胞が活性化された後に発現します。

 なぜこれらの細胞の膜にわざわざ免疫を抑制するITIMを含んだ受容体(receptor)をさせるのでしょうか?しかもなぜPD-1はほとんど全ての免疫細胞が活性化された後に発現するのでしょうか?ここが世界中の医者が誰も理解できないポイントであります。これに対する答えは、この世に自己免疫疾患が存在するわけがないという答え以上に難しいものですが、必ず答えを出してあげます。医学を知らないバカでもアホでも、正直でピュアな心を持っている人なら自己免疫疾患がないということはすぐにわかるはずです。ところが、オプジーボはなぜ19ものヘルペスとの戦いでのみ見られる副作用が起こるのか、という答えのみならず、これに関連する問題に対しても答えを出すのは、やはり免疫学の本質を理解しなければ誰も出せないのです。私だけしか答えを出せないとも言い切れます。この答えを出す前にPDL-1の話もする必要があります。

 それではPDL-1は一体何者であり、どんな仕事をするのでしょうか?PDL-1は、免疫細胞であるCD4T細胞、CD8T細胞、CD4Treg、B細胞、APC、単球、マクロファージ(大食細胞)、マスト細胞、血管内皮細胞などの細胞膜に常時発現しています。これらの細胞が活性化されなくても常に細胞膜に発現しています。病原体との戦いの結果、上にあげた免疫細胞が生み出す様々な炎症性サイトカインによってPDL-1を持つ細胞にシグナルが送られ、かつPDL-1とPD-1が結合すると、免疫抑制レセプターであるPD-1の発現が抑制され、炎症がどんどん進む反応が増えるはずなのです。ところが不思議なことに、慢性の感染症においてPD-1が表出されている広範囲の細胞がT細胞の活性化を逆に減らしてしまうという現象が見られるのです。なぜでしょうか?とにかくPD-1とPDL-1の意味付けを考えるときにはなぜなぜという疑問の連続です。その疑問に答えてあげようとしているのです。

 皆さん、現在に慢性感染症という病気があると思いますか?ないのです。医者たちが様々な慢性疾患の病名をつけたがりますが、このような病名は全く実態のない病名にすぎないのです。面白いことに慢性疾患の病気の原因は二種類、つまり2億種類の化学物質と8種類のヘルペスしかないもかかわらず、慢性疾患の病名は2万以上もあります。医者たちは病名作りの天才と言えますね。アッハッハ!言い換えると、病気がないのに病名だけが横行しているだけです。

 私は以前から、現代文明の病気の原因は無限に作り出される異物となる化学物質とヘルペス8種類しかないと言ってきました。抗生物質とワクチンによってあらゆる病原体は駆逐されてしまったのです。現在、慢性疾患というのはあらゆるアレルギー疾患といわれるものと、原因不明の治せない慢性疾患、つまり自己免疫疾患と、症状を取るために免疫を抑制する結果、増え続ける医原病であるヘルペス感染症だけであります。もちろんいうまでもなく、免疫を抑えている間にヘルペスが増え続けるのでありますが、一生免疫を抑えるステロイドを使い続ければ病気は起こらないのです。このパラドックスは現代の医者は知らないのです。いや最も賢い人たちが医薬業界のトップに君臨している人たちが知らないはずがないのです。私が世界で一番頭がいい男だと思いますか?私は子供時代に確かに頭が最優秀の子供の一人であったはずです。ところがヘルペス性脳炎になったために右目が失明し、右の脳は半分機能不全となり死んだも同然です。左の脳だけで生きているアホ極まりのない男です。その男が知っている真実を、最高の頭脳を持った医学会の最高の指導者が知らないと思いますか?知っているのです。が、それを認めると現代の全ての病気は医原病であり、免疫を抑制する薬しか作れない製薬メーカー、そしてその免疫を抑制する薬を用いるしかない医者共々医薬業界の破滅をもたらすことになるので認めようとしないのです。いや、ひょっとしたら世界で一番賢い男は私であり、私しか知らない真実かもしれませんね?ワッハッハ!!なぜこんなバカなことが起こるのでしょうか?それはヘルペスが人類最後に残った慢性感染症の原因であることを認めないからです。

 次の本論に戻りましょう。ガン細胞をTCR(T細胞受容体)でガン細胞を認識したキラーT細胞がなぜガン細胞の細胞膜に発現したPDL-1とT細胞に発現しているPD-1と結びつくと、なぜキラーT細胞の殺しの力が減るのでしょうか?PD-1がT細胞に発現しても、PDL-1がT細胞のPD-1と結びつかない限り、T細胞の働きは減ることはないのです。それではなぜキラーT細胞の働きは病原体(ウイルス)が感染した細胞やガン細胞を殺すために生まれたはずなのにもかかわらず、しかもそのような敵によって刺激されて活性化した元気のいい実行部隊となったT細胞の働きをわざわざPD-1を作って、なぜ減らそうとするのでしょうか?むちゃくちゃ矛盾ですよね。だって免疫は病原体を殺すために生まれたにもかかわらず、ガン細胞のPDL-1と結びつくためにPD-1をわざわざ作るのでしょうか?

 既に述べたようにPDL-1は、CD4T細胞、CD8T細胞、CD4Treg、B細胞、APC、単球、マクロファージ(大食細胞)、マスト細胞、血管内皮細胞などの細胞膜に常に発現しています。PD-1はあくまでも活性化された時だけ免疫細胞に発現し、一方PDL-1は刺激されなくても常にほとんど全ての免疫細胞と血管内皮細胞に発現しているのです。この違いの意味はなんでしょうか?これも後で答えを出しましょう。特にPDL-1は免疫細胞でない人体に1000億個もある血管内皮細胞に発現していることをもしっかり覚えておいてください。

 あちこちの細胞にT細胞の活性化されたキラーT細胞に一時的にPD-1というレセプターが出現しても、このPD-1のリガンドであるPDL-1が引っ付かない限りは戦いをやめさせることができないのです。PD-1とPDL-1が結びつくと、戦いをやめなさいというシグナルがキラーT細胞の核に伝わります。それでは、PD-1というのはどんな細胞に出現し、PDL-1はガン細胞以外のどんな正常細胞に発現しているのか、PD-1とPDL-1の働きについて、現在成書に認められている一般的な性質をもう一度説明します。

 生きるために人間どうしでも常に戦い続けているのと同じぐらいに、見えない人体で人類はヘルペスと戦っています。この時に発現されるPD-1の働きを、賢いヘルペスは自分を殺さないようにPDL-1を作ってPD-1の働きを抑えてしまいます。そうすると敵と戦うことをやめさせるレセプターがPD-1でありますから、敵は始めはヘルペスウイルスだったのですが、ガンになった人は、今度はガン細胞が持っているPDL-1と結びつくと、ガンとも戦うことができなくなります。この時に、本庶佑先生が閃かれたのがオプジーボであります。つまりガン細胞が発現しているPDL-1がキラーT細胞のPD-1にひっつかないようにする薬を作ればガンは治るのではないかと。この閃きが本庶佑先生をノーベル賞への道を開いたのです。簡単に結論を言えば、PD-1というレセプターを発現したキラーT細胞に、PDL-1というリガンドを発現したガン細胞が結びつけば、キラーT細胞のガンを殺す力がなくなるので、引っ付かない薬を作ればいいということですが、そうはいかないのです。そうはいかないからこそオプジーボの重大な副作用が19種類も出てしまったのです。なぜこのような副作用が起こったのでしょうか?

 それではなぜ治らないガンもたくさんある上に、様々な怖い副作用が出るのかとか、副作用で死ぬ人もいるという話を詳しくする前に、先ほど約束した通りにPD-1やPDL-1が何であるかについて、今までとは別の観点から話をします。さらにガンとは何かについてもおいおい話を進めたいと思います。とにかく一筋縄では説明しきれないのが慢性感染症であるヘルペス感染症なのであります。

 PD-1とかPDL-1のPDはどういう意味でつけられたのでしょうか?PDは、programmed deathという英語の頭字語です。つまり「遺伝子に前もって計画され、組み込まれてしまっている死」という意味で、アポトーシスと同じ意味です。アポトーシスとはなんでしょうか?病的な細胞死ではなくて、細胞内小器官の構造は保たれながら、核つまり遺伝子であるDNAが凝集し、断片化することで細胞が死んでいくことです。なぜならば人間の細胞は遺伝子によって生かされているからです。遺伝子がなくなった細胞は死ぬしかないからです。

 実際PD-1とPDL-1が結びつくと、アポトーシスが起こるということはどこにも書かれていません。正しくは、PDはinhibitory receptorと名付けるべきであったのです。なぜならばPD-1にPDL-1がつくことで、直接PD-1を持っている細胞が殺されるわけではないからです。あくまでもガン細胞を殺すキラーT細胞の力がなくなるだけです。既にキラーT細胞がガン細胞の特異的な抗原を認識している時に、このキラーT細胞が持っているPD-1にガン細胞が表出しているPDL-1が引っ付くと、キラーT細胞のT cell receptor(TCR)からの「ガン細胞を殺せ」という信号が抑制され、無視されてしまい、その結果、ガン細胞は生き続け増殖し続けるだけです。つまりリンパ球の活性化を抑制するシグナルが細胞の核の遺伝子に伝えられるからです。いわばPD-1とPDL-1が引っ付くと、結果的には、キラーT細胞はガン細胞を殺すという仕事をやめてしまうのです。それでは、PD-1とPDL-1が結び付くと、どのように抑制シグナルが核の遺伝子に伝えられるかを勉強しましょう。

 まずPD-1というのは、既に述べたように、繰り返しますが、T細胞やB細胞や顆粒球や大食細胞や単核細胞などが活性化された後に、細胞の膜に発現するITIMを含んだ受容体(receptor)であります。それではもう一度ITIMを復習しましょう。ITIMは英語で、“immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif”の頭字語です。“inhibitory”を日本語に訳すと「抑制する」という意味です。このITIMは、細胞質にある様々なphosphataseという酵素に結びついています。日本語でホスファターゼといいますが、リン酸エステルやポリリン酸を加水分解してリン酸基を除去する働きがあります。一方、リン酸基を逆に付加する酵素をホスホリラーゼといいます。これらのリン酸基を持っているITAMからホスファターゼの働きでリン酸基を奪い取ると、ITAMの働きがなくなってしまうのです。ITAMというのは、英語で“immunoreceptor tyrosine-based activation motif”の頭字語です。“activation”は「活性する」という意味です。結局ITIMとITAMは逆の仕事をします。ITIMは細胞の働きを抑制し、ITAMは細胞の働きを活性化するのです。キラーT細胞とガン細胞が結びつくと、キラーT細胞のホスホリラーゼという酵素が活性化して、キラーT細胞はガン細胞を殺そうとするのですが、リン酸基がなくなると抑制され、キラーT細胞はガン細胞を殺せなくなることは既に書きました。

 いずれにしろ、このキラーT細胞の細胞膜にあるinhibitory receptorの細胞質にある尻尾にはITIMというタンパクがひっついています。これをモチーフ(motif)といいます。モチーフ(motif)とは、タンパク質三次元構造に見られるαヘリックスやβシートから成り立っている特徴的な部分的構造をいいます。難しすぎますがついてきてください。

 従って、ガンを見つけたキラーT細胞がITAMによって活性化している時にPD-1が出現し始め、かつガン細胞のPDL-1がひっつくとITIMがONになり、ITAMがOFFになりITAMの働きが抑制されて、キラーT細胞の殺す力が減ってしまうのです。

 PDL-1というのは、別名B7-H1といいます。PDL-1は、既に述べたように常に広範囲に様々な細胞に発現しています。CD4T細胞、CD8T細胞、CD4Treg、B細胞、APC、単球、マクロファージ(大食細胞)、マスト細胞、血管内皮細胞などです。PDL-1はどんな仕事をするのでしょうか?PD-1とPDL-1が結びつくと、初めてPD-1の仕事ができなくなります。ということは、PD-1単独では細胞の働きを抑制する仕事はなにもできないのです。PDL-1が結びついて初めてPD-1の抑制の仕事が始まるのです。既に述べたようにPD-1が発現している細胞は免疫細胞だけでしたね。もう一度復習すると、PD-1を発現している細胞は、CD4T細胞、CD8T細胞、CD4Treg、B細胞、APC、単球、マクロファージ(大食細胞)の7つだけでしたね。この免疫細胞が活性化されて初めてPD-1が発現することも確認しておいてください。つまり7つの免疫細胞のレセプターに抗原がついて初めてPD-1が発現することを確認してください。7つの免疫細胞が活性化した後にPDL-1が引っ付くと、PD-1の本領が発揮されるのです。つまり7つの免疫細胞の働きが減ってしまうということです。

 従ってPDL-1がPD-1につくと、7つの免疫細胞の働きが弱められます。7つの免疫細胞の大部分は炎症を引き起こす様々なサイトカインを作ることです。このサイトカインが減ると、炎症反応が減ってしまいます。サイトカインの産生によって細胞に伝わるシグナルは、PD-1の発現を抑制することができます。主な炎症性サイトカインとして、TNF-α、IL-1、IL-6、IFNγ、IL-8、IL-12、IL-18があります。IFNγは、細菌抗原やIL-12、IL-18などによって活性化されたヘルパーT細胞から産生され、抗ウイルス作用を高め、マクロファージを活性化します。IL-8は好中球の強力な遊走活性を有するケモカインです。IL-12は、単球、マクロファージ、好中球、樹状細胞などから産生され、炎症性・抗炎症性サイトカインの産生を高めます。また細胞性免疫を高め、Th1リンパ球への分化を促進します。IL-18は、活性化されたマクロファージから産生され、IFNγの産生を高めます。また細胞性免疫に加え抗体を作る液性免疫を強めることができます。

 さぁ、ここで再び複眼思考を始めましょう。皆さんご存知のように感染症がなくなったので、飛躍的に全世界の先進国の寿命が伸びました。先進国おいては感染症であるとすれば急性感染症しかありませんね。せいぜい風邪ぐらいですね。風邪は病気というほどのものではありません。それでは常々述べているように、10人のうち9人以上が感染しているにもかかわらず、殺しきることができない病原体はなんでしょうか?ヘルペス8種類以外に何があるでしょうか?しかも免疫が下がって増え続け、免疫が戻って再び戦いが始まるという繰り返しを続ける病気を起こす敵はなんでしょうか?ヘルペスですね。従って、ヘルペスは急性慢性感染症と名付けるべきですね、アッハッハ!

 皆さん、考えてみてください。免疫は何のために38億年かけて進化したと思いますか?人体に外部から病原体が侵入した時に、病原体を殺すか共存するか押し込むかの3つの手段によって病原体と戦いを止めることが病気を治すことです。それでは病気とは何でしょうか?症状が病気ではないのです。世界中の医者は病気を症状と同じだと勘違いしております。症状は殺すか共存するか押し込むかの3つの結果をもたらすためのプロセスにすぎません。ところが1つだけ例外があります。いうまでもなくその例外はヘルペスです。ヘルペス以外のほとんどの病原体はワクチンと抗生物質を用いて免疫の力を借りて殺すことができます。次に化学物質に関しては、免疫寛容によって共存することができます。それでは腸管の常在菌に対しては、免疫はどのような態度をとっているのでしょうか?殺し切ることもできないので、やはりできる限り免疫寛容を起こして共存する道を選びました。それでは世界中の医者が誰一人認めない殺しきれない最後に残る唯一の病原体である8種類のヘルペスウイルスに対して無力な免疫はどのような戦略をとったと思いますか?

 皆さん、世界の覇権を巡って米中貿易戦争をきっかけに米国と中国は戦いを始めていますね。殺し合いの道でしょうか?共存の道でしょうか?それとも覇権大国米国は中国に譲歩するでしょうか?いずれその答えは出るでしょうが、長い歴史を見る限りは、結局は強い国が勝つという法則は貫かれることになるでしょう。永遠に覇権を保持することは絶対に無理だということは歴史が証明していますがね。ところがヘルペスとの戦いに対する人間の免疫の答えは、実を言えば何億年前に出ていたのです。

 結論から言いましょう。ヘルペスとは戦わないという戦略を免疫が生み出したのです。つまり、ヘルペスと戦うことによって病気を起こすという無駄を免疫はやめたのです。戦っても勝てる訳ではないということを免疫は悟ったのです。というよりも戦っても自分の免疫の遺伝子が傷つくだけであるということを悟ったのです。その悟りがPD-1を生み出し、PDL-1を生み出したのです。言い換えると、ヘルペスウイルスだけに対しては敗北を認めざるを得なかったのです。

今日はここまでです。2018/12/14

 私のこの論文のテーマの一つである「オプジーボはなぜ取り返しがつかない副作用を起こすのか」を理解するために、絶対に必要な3つの条件があります。しかも、世界中の医者の誰一人も気が付いていない3つの免疫学の真実です。オプジーボは、アメリカで作られた抗ガン剤であるキイトルーダと同じく、2014年に発売されましたが、どちらも同じ副作用が大々的に生じています。しかしながら、どうして副作用が出るかについては世界中の医者が誰一人理解していないのです。私がその答えを出してあげましょう。

 まず第1に、この世に自己免疫疾患は絶対にありえないということを知ることです。つまり自分の免疫が自分を攻撃するという病気は進化論的にも哲学的にも論理的にも医学的にも生命の目的論的にも臨床的にも、完全にありえないことが証明できる真実をまず頭に入れることが一番大切です。私の「なぜ自己免疫疾患がないのか」の論文を読んでくださればわかってもらえます。自己免疫疾患がないということを理解されなければ、PD-1は下の表に示している様々な免疫細胞に出現するのは、自己免疫疾患が生じないためだとつまらぬことを言っているのですが、それを信じ込むと絶対にこれから説明するオプジーボの副作用のメカニズムが理解できないからです。自己免疫疾患がないということをしっかり頭に入れておかないと、どうしてオプジーボが19種類以上の様々な恐ろしい副作用が起こるかを絶対に理解できないからです。声を大にして叫びます。自己免疫疾患は医者がステロイドを使って病気を作るために捏造した嘘であります。自己免疫疾患はない!!!

 2つめに知っておいてもらいたいのは、抗生物質とワクチンで感染症を起こす病原体はほとんど全て絶滅することができました。ただ一つだけ例外があります。人体の免疫が永遠に殺しきれないヘルペスウイルス8種類だけが最後に残る病気の原因となることを知ることです。この2つをまず十分に理解して初めて、私のこの論文が理解可能となります。

 3つめの条件は、副作用は全ての薬の効能書きに書かれています。ところがどうして様々なしかも重大な副作用が起こるかの根拠については全く書かれずに、読むだけで恐ろしい副作用だけが羅列されております。皮肉に言えば、このような副作用が出る薬は飲むなという警告だと考えますが、医学に愚かな大衆はなぜか薬が大好きです。アッハッハ!しかしながら、これらの副作用は必ず原因があるのです。現代の薬の副作用は、ほとんどが異物である薬と免疫の戦いの結果生じる正しい反応であるということを頭に入れておいてください。

 1つめのテーマは、すでにあちこちで「なぜ自己免疫疾患がないか」を言い続けていますので、さらに説明する必要はないと思います。ただ自己免疫疾患がない理由をさらに付け加えながらこの文章も編集されることになるでしょう。次に、第2のテーマである「なぜヘルペスが殺しきれないか」という問いは、「なぜヘルペスの遺伝子は人間の免疫の遺伝子よりも賢いか」というテーマと同じことですから、5年前に書いた「何故ヘルペスが殺しにくいのか?(何故ヘルペスウイルスに対してワクチンを打つ意味がないのか)」の原文を掲載し、その後5年間で私が新たに学んだ知見を加筆していくことで、このテーマに対する答えを出していきましょう。

 

 なぜヘルペスウイルスに対してワクチンを打つ意味がないのでしょうか?打つ意味がないだけではないのです。ヘルペスウイルスのワクチンは正確に言うと、8種類のヘルペスウイルスの中の、3番目の水痘帯状ヘルペス(VZV)に対するワクチンであります。このウイルスに対してはほとんど全ての人が自然にかかってしまっているので、VZVに対する抗体も既に出来上がっているのに、さらにわざわざ弱毒のVZVのワクチンを入れる必要はないはずなのです。にもかかわらず、VZVのワクチンを入れることによって何が起こると思いますか?私が経験した例では、特発性血小板減少症とⅠ型糖尿病などが生じます。まさにこれはオプジーボの一部の副作用と同じであります。

 何故このような病気が起こるのでしょうか?それは既に人体に入り込んでいる外敵に同じ外敵を入れることによって、殺しきれないVZVを増やしているだけであるからです。人体も増えた敵に対してワクチンをすることによって免疫が上昇し、外敵であるVZVと戦い始めると、戦う場所によって免疫をあげたために様々な病気が起こるのです。オプジーボはVZVのワクチンではありませんが、結果的にはオプジーボはヘルペスウイルスを増やしすぎたので、オプジーボをやめた後に増やしすぎたヘルペスと激しい戦いとなり、とんでもない病気を引き起こし、これをVZVのワクチンの副作用と言っているだけなのであります。もちろん世界中の医者はこの真実を誰も知りませんが。アッハッハ!実はオプジーボと同じ薬がアメリカで売られていることは既に述べました。それはキイトルーダという抗ガン剤です。一度オプジーボとキイトルーダを比較しながら、これらの薬の意味を理解しましょう。

 まずオプジーボとキイトルーダの作用機序は同じであり、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の一種であるので、免疫系に作用するタイプの薬剤であると、ノーベル賞をもらった本庶佑先生は新たなるガンの免疫療法であると述べました。ところが皆さんは、免疫チェックポイント阻害剤と言っても何がなんだかわからないでしょう。チェックという意味は「阻止する」とか「抑制する」とかという意味で使われ、ポイントというのはPD-1のことです。したがって、日本語でもっとわかりやすい言い方をすれば、「免疫の働きを抑制するPD-1の働きを、さらに抑制する」という意味となり、結局は免疫の働きを元に戻すということになります。オプジーボもキイトルーダも、キラーT細胞に現れるレセプターPD-1の覆いとなる抗体であり、PD-1という免疫チェックポイントがなくなってしまい、その結果、キラーT細胞の殺しの仕事がしやすくなって、良くなるガンも出てくるというわけです。ところがなぜ激烈な様々な副作用が出てくるかの理由が、オプジーボとキイトルーダとも2014年に発売されたのですが、全く誰も解明していないのです。ここで私の登場となったのです。アッハッハ!

 必ずしも正しくはないのですが、もっと現代医学的な解釈をすると、「本庶佑先生をはじめとする研究者によって、ガン細胞が免疫の攻撃から逃れるための様々なメカニズムを有していることを明らかにしました。その1つに、免疫細胞(キラーT細胞)がガン細胞を攻撃する際に、ガン細胞がなぜか免疫に対してブレーキをかけているということが明らかになりました。それはまずガン細胞はPD-1にひっつくPDL-1というリガンドを作ります。リガンドは英語で“ligand”と書き、ライガンドと発音することがあります。リガンドは特定の受容体(receptor)に特異的に結合する物質を意味します。この免疫細胞(キラーT細胞)のPD-1という受容体にガン細胞が作るPDL-1というリガンドがひっつくと、 免疫細胞(キラーT細胞)がTCR(T細胞受容体)で認識したガン細胞を殺すという働きが阻止されてしまうのです。キイトルーダもオプジーボも、キラーT細胞の受容体であるPD-1に結合する抗体医薬品であります。この受容体はガン細胞が人間の免疫から回避するのに利用されるのです。というのは、健康なヒトでは通常このPD-1は自己免疫疾患を抑制する役割を担っていますが、一部のガン患者においては、キイトルーダやオプジーボのような抗体医薬を投与してこの受容体を阻害することによって、免疫系を再活性化させ、自己の一部であるガン細胞を攻撃させて破壊することができるのです。いわゆる免疫チェックポイント阻害療法であるのです。」

 ところが、上の文章は様々な矛盾を含んでいるのです。つまりPD-1は自己免疫疾患が起こらないように免疫細胞が作ったレセプターであるということです。それでは、PD-1の働きがなくなれば自己免疫疾患が起こることになりますが、20近くの副作用には自己免疫疾患は入っていないのです。もちろん、オプジーボやキイトルーダを使った医者も医学者も、誰も言っていませんね。逆に言うと、PD-1の働きをなくせば、ガンは少しは無くなるけれども、新たに一生治らない自己免疫疾患を作っていることになりませんか?だって、自己免疫疾患は世界中の医者が一生治らないと言い張っているでしょう?もちろん自己免疫疾患などは絶対にないわけですから、元来PD-1というのは、別の働きがあるのです。

 それでは別の働きとはなんでしょうか?PD-1は、自己免疫疾患を起こさないために、免疫細胞が作ったレセプターではなくて、つまり自分の免疫が過剰に働いて、自分の組織を過剰に攻撃する自己免疫疾患を起こさないために作られたのではなくて、永遠に殺しきれない8種類のヘルペスウイルスが潜んでいる自分の細胞を攻撃しないためなのです。まさにオプジーボが作った副作用というのは、あらゆる細胞に潜伏感染(latency)の状態で存在するヘルペスを細胞もろとも殺すために生じた結果なのです。それではどのようにしてPD-1の抗体であるオプジーボやキイトルーダという免疫作用があるという抗体によってPD-1の働きを阻止することによって、20近くの副作用が生じたのかを説明しましょう。これからの話はさらに難しくなりますがついてきてください。

 PD-L1はPDL-1と書くことがあります。同様にPD-L2もPDL-2と書くことがあります。正しい表記法はPD-L1とPD-L2であります。

 ここでもう一つ頭に入れておいてもらいたいのは、ガン細胞とヘルペスは全く敵として異質なものであることです。まず一つの違いは、ヘルペスウイルスはPDL-1を作ることは絶対にできません。ところガン細胞は人体の免疫がヘルペスウイルスと共存するために作ったメカニズムを利用しただけなのです。それではPDL-1はガン細胞しか出さないのでしょうか?さらにPD-1はガンを特異的に認識するキラーT細胞だけしか作らないのでしょうか?違います。それでは人体のどんな細胞がPD-1を作り、どんな細胞がPDL-1やPDL-2を作っているかをまず勉強しましょう。PDL-2についてはあとで説明します。

 左の図を見てください。例えば血管内皮細胞にヘルペスが入っているとしましょう。血管内皮細胞にはPDL-1がたっぷりありますね。この血管内皮細胞に入ったヘルペスが、内皮細胞のペプチドとMHC1の断片を内皮細胞の膜に表出しているとします。これをTCRで認識して活性化したキラーT細胞であるCD8T細胞は、同時にPD-1を大量に表出します。活性化キラーT細胞はこの内皮細胞にいるヘルペスウイルスを殺すために内皮細胞と引っ付いた時には、内皮細胞のPDL-1と活性化キラーT細胞のPD-1と結びつくと、殺すために活性化キラーT細胞のITAMがITIMによって殺す働きがなくなり、免疫とヘルペスとの戦いがなくなり、症状が出なくなるのです。つまり平和条約が遂行されるのであります。免疫を抑えている間にこっそりと様々な細胞が増殖した後に、免疫が復活して免疫細胞に見つけられても、この平和条約といってもいいメカニズムのためにヘルペスの戦いは無視されるのです。つまり敵であるヘルペスがlatencyの状態であろうが、増殖した状態であろうが、常に免疫はヘルペス感染細胞を悔しいけれども攻撃してはいけませんという敗北の平和条約を実行することによって、ヘルペスとの戦いによって生じる被害は全くなくなるのです。しかも免疫を抑える時にだけ、ヘルペスはlatencyの状態から増殖することができるので、できないようにするためには、免疫を自分のステロイドホルモンで過度に抑えることがないように、かつ医者から絶対に免疫を抑える薬、とりわけステロイドホルモンを投与されないことが極めて大切になるのです。

 言い換えると、人体の免疫は、本来は病原体を殺すために生まれました。しかしながら8種類のヘルペスの恐ろしい性格は、あらゆる人体の細胞に侵入して絶対に免疫に見つけられないlatencyという状態に隠れ続けることができる特技を身につけたのです。人体の免疫の低下の時に増殖して、免疫に殺されかかったとしてもすぐにlatencyの状態に逃げ込むことができるすべを身につけたのです。しかもこのヘルペスたるや、基本的には人間を殺す力は本来的には持っていないことも知っておいてください。

 このような敵に対してどのような戦略を取ればいいのでしょうか?最も大切な戦略は実害を最小限にすることです。そのためには戦わないという戦略を取るしかなかったのです。この戦略は人間を含めて全ての生命が発生以来取らざるを得なかった負け犬の戦略であったのです。人間はこのような意味において、ヘルペスウイルスの遺伝子よりも人間の免疫の遺伝子は劣っているといえます。次回以降に詳しく何回かに渡って書きますが、極めて興味あるテーマ、というよりも人類最後の免疫学のテーマであるので、一筋縄では説明しきれません。ノーベル賞を超えたテーマであります。なぜならばオプジーボを作ったとされる本庶佑先生も、オプジーボを使った時にどうしてどでかい副作用が生じるかをご存じないからです。来年は私にノーベル賞がもらえるでしょうか?ワッハッハ!

最後にオプジーボの副作用を理解するためには、単純な免疫の論理では通じないのです。だからこそ読めば読むほど、理解しようとすればするほど、頭が混乱するのは当然なのです。何もあなたの頭が悪いからではないのです。人間の免疫を超えた敵がヘルペスウイルスなのです。

2018/12/21




 この話を進める前に免疫学的にワクチンというのは何をするのかを一度詳しく説明する必要があります。ただワクチンを打つ目的は本当の敵が来たときに、知らぬ間に免疫が侵入者を殺してしまい、病気を意識する必要がないためだということは全ての人は既にお分かりでしょう。それではどうしてワクチンを打つことが戦いの症状を意識しないで病気を治してしまうかについては、どの免疫学者も詳しく述べていません。それを例のごとく、世界で初めて皆さんに分かりやすく説明しようとしているのです。この話をし始めると、免疫が感染症を起こす侵入者をどのように認識し、どのように先天免疫を働かせ、さらに先天免疫のどの細胞がどのようにして後天免疫に橋渡しをし、ヘルパーT細胞がどのようにしてB細胞に抗体を作らせる液性免疫の話に加えて、さらにヘルパーT細胞がどのようにしてキラーT細胞に感染した細胞を殺すのかという細胞性免疫の話まで全て説明する必要が出てきます。それは長すぎて複雑であり、難しすぎるので次回にまわすことにして、結論としてヘルペスウイルスに対するワクチンが意味がないことをまず説明しましょう。

 この問いに対する答えは実は極めて簡単なのです。だからこそ先に済ましてしまいたいのです。最初の最初に書いたように一度かかった感染症に対しては二度とかからないという話はしましたね。実は究極のワクチンは、実際にそれぞれのウイルス感染症や細菌感染症にかかってしまうことなのです。だからこそ幼児は保育園や幼稚園で何百種類の風邪のウイルスにかかって二度と同じ風邪のウイルスにかからないために免疫をつけているのです。元来、普通の風邪で正常な普通の免疫を持っている幼児は死ぬことはないので、普通風邪に対しては、誰もワクチンを打つことはしないのです。このように実際に風邪にかかることが、二度と同じ風邪にかからない免疫のつけ方の究極なのです。ところが風邪のウイルスのような死ぬことがない敵に対しては自分の免疫で風邪のウイルスを殺すことができるのですが、例えば日本脳炎や百日咳や麻疹や流行性耳下性炎や破傷風などは、ときには免疫が負けてしまうような怖い感染症にかかってしまうと、後遺症が残ったり、ときには死ぬことが過去にあったからこそ、ワクチンが使われ始めたのです。

 1798年にワクチンを最初に作ったのはエドワード・ジェンナーであり、それが天然痘のワクチンであったのは皆さんご存知でしょう。ところが彼はワクチンの原理は何一つ知らなかったのです。経験的に牛痘の膿をジェームス・フィリップという子供に植え付け、その後に天然痘の膿をその子供に接種しても天然痘にかかることはないということを証明しただけなのです。どうしてジェームス・フィリップが天然痘にかからなくなったかの原理の全てを語ることは、ワクチンの原理の全てを語ることと同じなのです。しかしそれは後に回します。いずれにしろワクチンを打つよりも、本当の敵に感染した方が二度と病気にかからないわけですから、二度と感染症にかからないためには、“ワクチンよりもはるかに優れたワクチン”は一度感染症にかかってしまうことだということはお分かりでしょう。幼児が幼稚園で風邪のうつし合いをしているのは、いわゆる生の本物のワクチンを打っているといえるのです。

 さぁ、もう頭のいい人で、何回もヘルペスウイルスにかかっている患者さんは、ヘルペスウイルスに対するワクチンを打つ意味がないことを既にお分かりでしょう。つまりヘルペスに一度かかっているのに、また何回も何回もヘルペスと戦い、同じような症状が出続けているのは、いわゆる免疫がついていないからだということはお分かりでしょう。だからこそヘルペスのワクチンが要らないということなのです。なぜならばヘルペスのワクチンを打ったことがない人が、一度ヘルペスウイルスに感染するという“強い生のワクチン”を打っているにもかかわらず、二度三度同じように症状が出てくるからです。つまり本当の病原性が強いヘルペスに一度かかって殺しているはずにもかかわらず、再び同じヘルペスにかかっているのは免疫ができていない証拠なのです。つまりヘルペスウイルスは免疫で殺すことができないということを証明しているのです。病原性の強い本当のヘルペスにかかっても免疫がつかないのに、病原性の弱い製薬メーカーが作ったヘルペスウイルスのワクチンをしても、免疫がつかないのは当たり前であるのです。病原性がはるかに弱いワクチンを打つ必要があるでしょうか?ありませんね。これが答えです。

 ここでどうしてヘルペスに対しては免疫ができないのかについて述べる必要があるのです。これに対する答えも極めて簡単です。人体に一度侵入したヘルペスウイルスを、自分の免疫で殺しきることができないからです。自分の免疫で殺しきれない敵を誰が殺してくれますか?皆さんの中にはワクチンが殺してくれると思い込んでいる人もたくさんおられるでしょう。全く違うのです。ワクチンは免疫を利用して、一度かかった同然の状態を免疫に覚えこませて、その免疫の記憶を利用して免疫が同じ敵をすぐに殺せるようにしているだけなのです。

 さらに、私がワクチンがどのような仕事をしているかについての話を後回しにしようとしたのは、免疫の記憶についても語る必要があるからです。ワクチンに関係する免疫記憶に関わる細胞にはメモリーB細胞とメモリーヘルパーT細胞とメモリーキラーT細胞があります。このような免疫記憶細胞がどのようにして一度出会った敵を記憶し続けるかについて語ることはきわめて難しいのです。昔から現代免疫学の最も難しい問題は免疫記憶を解明することであったのですが、それが最近の研究によって徐々に徐々に明らかにされてきました。これらの話を全て語り尽くすつもりですから、ご期待ください!と同時に、ワクチンのメカニズムもできる限り分かりやすく詳しく書く予定です。

 今日はここまでです。2013/02/14



 なぜヘルペスウイルスが人間の免疫から回避して、いつまでもひとりの人間が死ぬまで人体に潜み続けるのみならず、現代文明に生きる人類に潜み続け、免疫が低下したときに全ての現代人の体内で増え続けるのか。さらに人間が免疫を回復したときに、再び戦いを行うときに出る不愉快な様々な症状が人類絶滅の最後まで残り続けるのかについて、詳しく説明していきましょう。同時に本論のヘルペスウイルスに対して、なぜヘルペスウイルスが持っている免疫回避機構のためにワクチンが作れないかを、免疫学に基づいて詳しく説明しましょう。文明に最後に残された人体の敵がなぜヘルペスウイルスであるかということもご理解できるでしょう。

 ヘルペスウイルスが至上最強の狡猾なウイルスであり続けるのは、ウイルスの進化の過程で人体に寄生し続ける場所に偶然にも神経を選びとったためです。神経細胞に定着できる親和性を進化の中で獲得したのです。言い換えると、神経細胞の膜のレセプター(鍵穴)に結合できる鍵(リガンド)をあみ出し、この鍵を鍵穴に差し込んで、神経細胞のドアを開けて神経細胞内に入り込む特殊な能力を身につけたのです。鍵穴のことをレセプターと呼ぶことはご存知だと思うのですが、鍵の方を専門用語でリガンドといいます。今後、レセプターにリガンドが結びつくという話はいくらでも出ますから覚えておいてください。

 それではなぜ1種類のウイルスは1種類の細胞にしか入れないのかご存知ですか?ウイルスは遺伝子しか持っていないものですから、自分自身が生き続け、増殖し続けるためには、設計図である遺伝子だけでは無理なのです。そのためには自分自身をコピーできるための材料が必要なのです。材料はウイルス以外の生命体にしかありません。しかも細胞の中にしかないのです。とすれば、例えば人体は210種類の細胞からできているといわれていますが、人間の210種類全ての細胞に入るリガンド(鍵)を持つように進化すれば、一番都合が良いと思われるでしょうが、実はそのようにはならなかったのです。なぜでしょう?答えは2つあります。1つは、リガンド(鍵)を多種類持つには小さすぎるし、さらにその鍵はタンパクでできていますから、そのタンパクを多種類作るには遺伝子が少なすぎるからです。2つめは、210種類の鍵穴の取り合いを他のウイルスとやらざるをえなくなることを避けたからです。つまり縄張り争いをして他のウイルスと戦うことを避けたからです。ウイルスはなんと控えめな生命といえるでしょうか!貪欲な人間とはまるで異なりますね。それでもウイルスの世界も独占と縄張りの世界であるようですから、やはりウイルスからエゴの世界が始まったといえるかもしれませんね、アッハッハ!もしウイルスが貪欲であれば、より高度な単細胞になり、多細胞になり、魚類になり、両生類になり、爬虫類になり、哺乳類になり、最後は人間になればよかったのです。実は人間の祖先はウイルスであるとも言われています。ウイルスの中で貪欲な進化を続けた特殊なウイルスが38億年かけて人間になったとも言えるのです。ワッハッハ!嘘ではないのですよ!

 しかしながら人体の免疫に殺されてしまうヘルペスウイルス以外のあらゆる他のウイルスは、住処を間違ったようです。神経細胞以外の他の細胞に住み着けば、必ず人間の免疫がウイルスを見つけ出し、殺してしまうからです。ところがヘルペスウイルスは偶然にも人体の神経が人間にとって最も大事であることを知らずして住み始めたことが、人類が滅亡するまで、というよりもあらゆる脊椎動物が滅亡するまで生き続ける保証を得たことになったのです。なぜならば神経細胞が戦場になり続ければ、脊椎動物は生き続ける意味がなくなるからです。脊椎動物も神経が最も重要な器官であることを重々わかっているので、神経細胞体の集合体である神経節をあらゆる障害から守るために、神経の防壁である外套細胞を何重にも巻きつけて保護したのです。ところが、神経に入り込んだヘルペスウイルスが免疫から逃れてこの神経節に逃げ込んでしまえば、免疫によって絶対に殺されない最適な住処となることを知ってしまったのです。いわば絶対安全な皇帝が住んでいる敵の陣地に、こっそり隠れ続けることができるというのが、免疫から回避できる最高の戦略になってしまったのです。ヘルペスウイルスが神経だけを住処にしたことが、ヘルペスを永遠に人類の敵にしてしまったことをまず知っておいてください。

 さらに、下記にもっと具体的なヘルペスの免疫からの逃避戦術が、免疫を敵に回してどのように行われ、どのように抗体を作らせないか、かつキラーT細胞に殺されないようにしているのかを説明していきましょう。この説明が、とどのつまりはヘルペスに対するワクチンができない説明になることも分かっていただけるでしょう。



1、ヘルペスに対する防御免疫タンパクである抗体を作るために、人間が持っている遺伝子の発現をスタートさせるメッセンジャーRNA(mRNA)を分解させるタンパク質をヘルペスが持っているために抗体が作られにくいのです。

 皆さん、人間の遺伝子は何のためにあるのでしょう。一言で言うと、タンパクを作らせる設計図なのです。ヘルペスウイルスを殺すのは、抗体とキラーT細胞(CTL)とナチュラルキラー細胞(NK細胞)です。抗体は血液に溶けているので、抗体の働きをまとめて液性免疫といいます。キラーT細胞(CTL)やナチュラルキラー細胞(NK細胞)は細胞ですから、これらの働きを細胞性免疫といいます。実は抗体自身が直接ウイルスを殺すわけではないことは知っておいてください。もちろん液性免疫と細胞性免疫はお互いに助け合っていることも知っておいてください。さらにどのように免疫がヘルペスウイルスをも含めたウイルスを殺すかはこちらを読んでいただければよく分かるはずです。いずれにしろ抗体はタンパクなのです。このタンパクを作らせる遺伝子であるDNAの塩基の配列を読み取るためには、まずメッセンジャーRNA(mRNA)に読み替える必要があります。さらにこの読み替えたDNAの命令をタンパクを作るリボソームという工場にまでメッセンジャーRNA(mRNA)に転写させます。ところが感染細胞に入り込んだヘルペスウイルスは、この出来上がったmRNAを分解させてしまうのです。従って抗体を作るどころか、リボソームというタンパクを作る工場まで運ぶことさえできなくなるのです。


 

2、ヘルペスウイルスはインターフェロンの働きを抑えます。皆さんがご存知のようにB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスを殺すためにインターフェロンが使われています。ヘルペスウイルスはこのインターフェロンの働きを抑えるのです。

 

 インターフェロンは、耳にされたことがあるでしょう。ウイルスが人体の細胞に感染すると、その細胞(宿主細胞)が隣の正常な細胞に敵が来たことを伝えるために産生するサイトカインのひとつです。どんなウイルスに対しても、そのウイルスが増殖させないようにします。つまり感染細胞が分泌したインターフェロンは、まだ感染していない周囲の細胞が持っているインターフェロンレセプターに結合し、短時間でウイルスに抵抗できるようにするのです。特にウイルスの感染初期の防御因子として重要なのであります。この防御因子の働きは、ウイルスが自分のコピーを作るために必要なタンパク質を合成するのを阻害したり、従ってウイルスが増殖しないようにします。インターフェロンにも様々な種類がありますが、抗ウイルス作用以外にもNK細胞の活性を強めたり、CTL細胞の働きを強めたりするのです。インターフェロンの全てを語るのは不可能です!


 

3、樹状細胞の働きをヘルペスウイルスは阻害することができるのです。樹状細胞はヘルペスウイルスのタンパクの断片をT細胞に提示するために必要ですが、この仕事をできなくさせてしまうのです。

 樹状細胞は、これを発見した医学者が2年前にノーベル賞をもらって有名になりました。樹状細胞こそが、人間が生まれつき自然に持っている先天免疫と、抗体を作る後天免疫とを仲介してくれる最も大切な免疫細胞の中枢のひとつであります。この樹状細胞の働きがなくなるとヘルペスウイルスを取り込んだ樹状細胞は、ヘルパーT細胞にヘルペスウイルスの断片を提示することができないので、後天免疫の発動が不可能になり、抗体が作られないのは、私のホームページを読んでいただいている皆さんは既にご存知でしょう。いうまでもなく樹状細胞のMHCⅡにヘルペスウイルスのペプチドが結合して、それをヘルパーT細胞に提示することができなくなってしまうからです。


 

4、ヘルペスウイルスは、補体作用を働かなくさせるのです。補体は敵であるヘルペスウイルスと結びつかなければ、Bリンパ球に敵であるヘルペスウイルスを提示することができません。

 

 先天免疫の極めて大事な捕体については徹底的に詳しく分かりやすく書いてあげようと思っていますが時間がありません。既に書き終わったので、ここを読んでください。先天免疫(自然免疫)である捕体はAIDSを起こすHIVウイルスをも殺すことができることを知っておいてください。このようなAIDSのウイルスさえも殺すことができる捕体の働きをヘルペスウイルスが奪い取ることができるので、この意味ではヘルペスウイルスはHIVよりも怖いウイルスといえます。ただヘルペスウイルスは人間の神経細胞に住み着くというすごい離れ業を持っているだけではないのです。だからこそ人類消滅まで人類を苦しめるのです。一方、HIVは後天免疫の中枢であるリンパ球に住み着くというすごい離れ業はできるので、AIDS発祥当時は、AIDSにかかると必ず命がなくなると恐れられたのですが、近頃HIVは、抗HIVウイルス剤を3剤一緒に投与することによって、AIDSのために死ぬことはなくなってしまいました。HIVも人を殺すだけの実力があるのですが、ヘルペスウイルスほどずる賢さがないので、結局は人間の免疫と人間が作り出した抗HIV剤で敗北をしてしまいました。AIDSは制圧されたといってもよい状態になりました。しかしヘルペスは人を殺さないけれども、人を永遠に苦しませ続け、しかも人間の免疫でも抗ヘルペス剤でも殺しきることができないので、永遠に人類にとって手ごわい敵となり続けるのです。抗ヘルペス剤の全てについては書き終わりましたから、こちらを読んでください。

皆さん、この意味でもHIVよりもヘルペスの方が恐ろしい敵だとお分かりになりませんか?このホームページを読まれている皆さんの神経で今も生き続け、今も増殖し続けているかもしれませんよ。もし皆さんがステロイドをはじめとする現代の免疫を抑制している薬を飲み続けている限りは、どんどん増殖し免疫を取り戻したときには、リウマチ性多発筋痛症や線維筋痛症や慢性疲労症候群や、さらにあらゆる難病の病名がつけられる病気になってしまうのですよ。現代の間違った医療、つまり免疫を抑える医療からできる限り脱却することしか、ヘルペスから逃れられませんよ。しかもそのような薬を止めたときのリバウンド症状というのは恐ろしいものであると知っておいてください。悲しいことです。


 

5、Bリンパ球がヘルペスに対する特異的な抗体を作ったとしても、この抗体のしっぽに大食細胞や好中球をひっつかなくさせてしまうのです。

 

 ワクチンの目的は2つあります。最初に述べたように、病気を起こさずにワクチンを打つことによって、メモリーT細胞やメモリーB細胞を作って、本当の敵が来たときにすぐに抗体を作らせるためです。もうひとつはキラーT細胞(CTL)に敵を覚えさせ、病原性の強い本物の敵が来たときにすぐに殺してしまうためです。この2つがワクチンの大目的です。

 たとえヘルペスワクチンによってその抗体を簡単にメモリーB細胞に作らせて、その抗体の“Y”という形の上の2本の手にヘルペスウイルスが捕まえられても、“Y”の一本足にくっつく大食細胞や好中球が引っつかない限りはヘルペスウイルスは食べられないのです。このような敵を捕まえる抗体の働きを抗体のオプソニン作用というのは皆さんご存知でしょう。いくら抗体が数多くのヘルペスウイルスを捕まえて大食細胞に食べさせようとしても、大食細胞が一本足に引っつかない限りは、大食細胞はヘルペスウイルスというご馳走があっても、見向きもしないし食欲も全く示さないのです。ワクチンで簡単に抗体を作るように前もって準備していても、ヘルぺスウイルスが好中球や大食細胞に食べられない限り何の意味もないことがお分かりでしょう。だからこそワクチンは意味がないという最も大きい根拠なのです。

 

 詳細は分かってはいないのですが、ヘルペスウイルスが、ヘルペスに対する特異抗体である抗体の両手にヘルペスが引っついても、引っついていない抗体と同じ状態にさせるからではないかと考えられます。つまり抗体の両手に他のウイルスが引っ付くと一本足のしっぽに大食細胞や好中球が引っつきやすくなるのに、ヘルペスウイルスの場合だけがなりにくいと考えられます。

 

6、キラーT細胞の働きをさせなくします。キラーT細胞は別名、細胞傷害性T細胞ともいいます。英語でCytotoxic T Lymphocyte(CTL)といいます。キラーT細胞がヘルペスウイルスが感染した細胞を殺すときに、どの細胞にヘルペスウイルスが感染したかを知らせる情報が必要です。MHCⅡと似たMHCⅠというタンパクは全ての細胞にあります。(MHCⅡは4つの細胞しか持っていません。樹状細胞、大食細胞、B細胞、胸腺の上皮細胞の4つです。これらの4つはヘルパーT細胞に抗原を提示できる特殊な免疫細胞なのです。)この全ての細胞が持っているMHCⅠというタンパクにヘルペスウイルスの断片であるペプチドと結びついて、これをCTLの細胞に提示します。このMHCⅠ-ペプチド複合体を認識したCTLがこの自分の細胞もろともヘルペスウイルスを殺そうとするのですが、このCTLの働きをなくしてしまうのです。

 5の項目でワクチンの効果のひとつである抗体が作られてもヘルペスウイルスは大食細胞や好中球に食べられにくくされてしまうことは述べましたが、さらに2つめのワクチンの効果である細胞性免疫で一番大事な仕事をしてくれるCTLの働きもヘルペスウイルスはさせなくしてしまうので、ワクチンを打つ意味がますますなくなってしまうのです。

 

 CTLが感染細胞を殺しにくくなるのは、MHCⅠと結びついたヘルペスウイルスのペプチドが、MHCⅠを覆い隠すためだと考えられます。あるいは、このヘルペスウイルスのペプチドをCTLは正常な細胞自身がはじめから自然に持っているタンパク成分のペプチドだと思い込ませる性質を、ヘルペスウイルスのペプチドが持っているからかもしれません。

 

7、ヘルペスウイルスは自分が入り込んだ人体の細胞が自殺しないようにするのです。この自殺を細胞のアポトーシスといいます。人体の免疫はヘルペスウイルスを殺すために自分の細胞もろとも殺そうとするのですが、ヘルペスウイルスはそれをさせまいとするのです。このアポトーシスを起こす働きを持っているのもCTLであります。

 

 CTLがパーフォリンという酵素で感染細胞に穴を開け、さらにグランザイムBという酵素を放り込んで感染細胞を自殺させることは皆さんご存知でしょう。つまりこの細胞自殺はヘルペスを直接殺すわけではないのです。感染細胞が自殺してしまうと、その細胞内に潜んでいるヘルペスウイルスをも同時に殺してしまうだけの話です。従ってヘルペスウイルスを直接殺すことができるのは、やはり貪食細胞である大食細胞(マクロファージ)と好中球しかないのです。だからこそ好中球を殺し屋専門の細胞といいます。一方、マクロファージのことを大食細胞、貪食細胞、大食球などというのは、単にウイルスをはじめ、様々な細菌などを食べ殺すだけではなくて、その分解した敵の情報をT細胞に提供できるので、好中球よりもはるかに多彩な仕事ができるのです。

 

 6の項で書いたように、CTLの働きがなくなるのは、細胞自殺をさせないことになりますから、7の項も同じことを繰り返し言っていることになります。もちろん細胞自殺はCTLのみならず、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)も引き起こすことができるので、ヘルペスウイルスはNK細胞の働きもなくしてしまうことがお分かりになるでしょう。

(※ 補足 ヘルペスが神経節に潜んでいる場合、キラーT細胞はヘルペスを殺す事が出来ません。しかしヘルペスが他の細胞に入っている場合は、NK細胞やキラーT細胞により殺すことが可能です。)

 以上、ヘルペスウイルスのワクチンを打つ意味が全くないことがお分かりになったことでしょう。にもかかわらず、医学会はヘルペスのワクチンを強く勧めているのは誰のためなのでしょうか?皆さん、考えてください!

 今なお、さらに世界中のウイルス学者がヘルペスについての研究をしていますが、なかなかヘルペスに関わる真実が公表されません。なぜならば人類の最後の敵はヘルペスということが分かってしまい、かつ現代人が悩んでいる様々な神経症状のほんと全てが、ヘルペスと免疫の戦いであるということが分かってしまうので、明らかにしないのです。残念です。現代の臨床医学に必要な薬は、漢方煎剤と抗生物質と抗ヘルペス剤だけなのです。もちろんこれらの3つの薬は本当の薬であり、人間の免疫を助けてくれるからです。私はヘルペスの研究者ではないので、以上の程度のことしか書けないのが残念です。

 私のような研究者でない一介の開業医でも、最も興味のある最も臨床に大切なウイルスであるヘルペスに興味を持たないウイルス学者はこの世に誰もいないはずなのです。にもかかわらずヘルペスの情報が公表されないのが残念至極です。抗ヘルペス剤が保険で長期に用いられない理由も全て分かっていますが、チャンスがあればいずれ書くつもりです。

 今日そのチャンスが訪れました。上に掲げた論文は5年前に書いたものですが、その間、全世界の免疫学者が明らかにした研究成果をもとに、どのようにしてヘルペスが宿主である人間の免疫系の働きを逃れて生き続けることができるのかのメカニズムを、もっと詳しく書きましょう。特に明らかにされているのは、ヘルペス8種類のうち1番目と2番目の単純ヘルペスと、4番目のEBウイルスと、5番目のサイトメガロウイルスであります。まず近頃オックスフォード大学の先生が「アルツハイマーは単純1ヘルペスである」ということを発表しました。実は「アルツハイマーは単純1ヘルペスである」という真実は、30年前に明らかにされていたのでありますが、一流の医学雑誌はその論文を掲載することを無視し続けていたのでありますが、やっと日の目をみることができた論文であります。なぜ一流雑誌はこの真実を載せることを拒絶してきたのかは、皆さんが考えてください。

 既にみなさんがご存知のように、私は3つも大学に居続けました。なぜでしょうか?3つ目の大学である京都府立医科大学に入学し直したのも、医者になりたかったからではありません。50年以上前に悩み始めた右目の強度視力低下、頭痛、嗜眠症、表現不能な不愉快さの原因がヘルペス性脳炎であることを知るためでありました。15年前に私の様々な不愉快な神経症状はヘルペス性脳炎であることを、突き止めました。今なお世界中の医者はヘルペス性脳炎を診断することができないのです。私は自分の病気を長い時間をかけて自分で診断し、かつ現在はその治療も自分で行っているのです。つまり抗ヘルペス剤を大量に服用すれば、様々な神経症状が取れるのです。医者になったからこそ自分の病気の原因を見つけ、治療し、診断できるようになったので、医者になった価値はあるというべきですが、16歳以後悩み苦しみ、自分の才能を十分に発揮できなかったことが今も悔やまれます。輝くべき青春時代を失ったのは、様々な医学の大発見をした現在でも悔やんでも悔やみきれません。しかしながら人類最後の敵は文明が作り出した化学物質と、太古以来、かつ現在も、かつ未来においても人間の免疫では殺しきれない8種類のヘルペスだと明らかにできたのは、せめてもの慰めとなっております。

 さて、前置きはこれぐらいにして、1番目と2番目の単純ヘルペスと4番目のEBウイルスと5番目のサイトメガロウイルスが、どのような戦略を用いて、かつどのような機構を用いて、その結果免疫に対して殺されないように逃げまくっているのかを述べていきましょう。ヘルペスウイルスの8つの仲間が生み出した戦略は4つあります。

 1つ目が人体の免疫の液性免疫といわれる抗体の働きを無力にすることであります。ウイルスに対する抗体の働きは3つあります。1つめはまず抗体がウイルスに引っ付くと、好中球や大食細胞に食べやすくするオプソニン作用があります。さらに2つめは、抗体がウイルスに引っ付くと、細胞の中に入れないようにする中和抗体といわれる働きがあります。3つめは、たとえウイルスが細胞の中に入っても、ADCC(Antibody-Dependent-Cellular-Cytotoxicity)という、日本語では抗体依存性細胞傷害により、その抗体がマクロファージやNK細胞といった免疫細胞を呼び寄せ、その抗体が結合している細胞や病原体を殺傷することから逃れる戦略を編み出したのです。

 2つめのヘルペスウイルスの戦略は、炎症反応を起こさせないようにすることです。炎症というのは、ウイルスをはじめとする病原体を殺すために生まれたものです。この働きをヘルペスウイルスは阻止して、殺されないようにできるのです。

 3つめのヘルペスウイルスの戦略は、ヘルペスウイルスがあらゆる細胞に入るのですが、とりわけヘルペスウイルスは中枢神経や末梢神経などの全ての神経細胞に入りたがるのですが、侵入された細胞はヘルペスウイルスを敵である抗原とみなし、この抗原の持つタンパクを処理し、MHCⅠに結びつけてキラーT細胞(CTL)に提示して、細胞もろともヘルペスを殺してくれと頼むのでありますが、それをさせないようにすることが3つ目のヘルペスの戦略となるのです。

 4つめは、ヘルペスウイルスは宿主の免疫を抑制することができるのです。

 それではまず1つめの戦略について詳しく書きましょう。難しいですがついてきてください。抗体はY字型になっているのはご存知ですね。下の尻尾をFcレセプターといいます。このFcレセプターに好中球や大食細胞をはじめとする免疫の細胞がひっつきます。Yの上の両手はまさに病原体であるウイルスを捕まえられる手であります。たとえヘルペスウイルスが両手で捕まえられたとしても、このFcレセプターに好中球や大食細胞がひっつかなければ、ヘルペスウイルスは大食細胞などに食べられることはなくなります。つまり抗体のオプソニン作用がなくなるのです。どのようにして抗体のオプソニン作用はなくなってしまうのでしょうか?単純ヘルペスウイルスとサイトメガロウイルスは、自分の遺伝子を使って偽のFcレセプターを作ってしまうのです。賢いでしょう!なんのために?つまり抗体のFcレセプターに大食細胞が引っ付く前に、自分が作った偽のFcレセプターと結びつかせて、大食細胞に貪食されないように逃れてしまうのです。さらにFcレセプターには補体もひっつくことができ、補体のオプソニン作用も同じような機序で、つまりヘルペスウイルスが作ったFcレセプターに補体を引っ付けることによって、大食細胞に食べられることから逃れるのです。みなさん覚えておられますか?補体というのは安物の抗体であるので、オプソニン作用を持っていると説明しましたね。補体についてはこちらを読んでください。この補体に捕まえられないようにする働きは、単純ヘルペス1型2型が得意であります。ちなみに単純ヘルペスには2つあり、1型と2型があります。

 さて2番目の戦略、つまりヘルペスに対して炎症を起こさせない戦略についてであります。この話をする前に一度勉強したサイトカインの一種であるケモカイン(Chemokine)についてもう少し深く勉強しましょう。

 全てのケモカインが持つ共通の性質について述べましょう。ケモカインはタンパクとしてはサイズが小さいこと(8~10kDa)です。ちなみにタンパクとしては小さなアルブミンは69kDaであります。ケモカインはタンパクであるので、決まった3次元構造を取っています。さらにケモカインは、4つのシステイン残基が存在しています。システイン残基というのは、アミノ酸のシステインと考えてください。ケモカインは、これらの共通の3つの特徴を持っている一群の因子の集まりで、これをケモカイン・ファミリーといいます。ケモカインという名前は、これらの物質が細胞の走化性(Chemotoxis; ケモタキシス)を誘導する直接の作用があることに由来することはすでにご存知でしょう。いくつかのケモカインは炎症性サイトカインと呼ばれ、感染部位における免疫応答の活性化を引き起こして炎症を誘発する性質があります。また炎症生ケモカイン以外に恒常性ケモカインと呼ばれるケモカインもあります。この恒常性ケモカインは、免疫細胞の発生や分化や免疫機能の維持に貢献しています。ケモカインは免疫の働きのある標的細胞の細胞膜上にあるケモカイン受容体と呼ばれる受容体と結合することによって作用が発揮されます。ケモカイン受容体は数多く見出されていますが、いずれも細胞膜を7回貫通する特徴的な構造を有するGタンパク質共役受容体(GPCR)に属しています。GPCRというのは、G protein-coupled receptorの頭字語です。一方、リガンドであるケモカイン・ファミリーには、4つの種類があります。ケモカイン・ファミリーはもちろんアミノ酸でできているタンパクです。N末端側の2つのシステイン残基(C)と他のアミノ酸(X)でできてきます。このシステインと他のアミノ酸の配列の関係の違いにより、次の4つのサブファミリーに分類されます。(C)はシステインであり、(X)はシステイン以外のアミノ酸であります。皆さんご存知のように、アミノ酸は20種類あります。したがってこの(X)は、システイン以外の残りの19種類のアミノ酸のどれかになります。

 Alpha Chemokines (CXC)、 Beta Chemokines (CC) 、Gamma Chemokines (C)、 Delta Chemokine (CXXXC)の4種類があります。

 Alpha Chemokines(CXC)は、2つのシステインの間に他の1つのアミノ酸が入り、C-X-Cの配列となります。好中球を引き寄せる誘因物質、つまりケモカインとして働いて様々な免疫細胞を引きつけ引きつけた細胞のケモカインレセプターと結合し、その細胞を活性化します。例えばミエロペルオキシダーゼや、その他の病原体を殺す様々な酵素を好中球から放出させるのです。ちなみにミエロペルオキシダーゼは、ほとんど好中球のみに存在する酵素で、過酸化水素(H2O2)と塩素イオン(Cl-)から次亜塩素酸(HOCl)を産生します。感染した微生物は、酵素反応によって生じた次亜塩素酸(HOCl)により、効率的に殺菌されます。ヒドロキシルラジカル(OH)も同様にH2O2から作られます。過酸化水素(H2O2)は、Hydrogen peroxideといいます。過酸化水素を略して、しばしば過水(かすい)と呼びます。主にH2O2は水溶液の形で使われます。H2O2は強力な酸化剤にも還元剤にもなり、殺菌剤、漂白剤として利用されます。

 Beta Chemokines(CC)は、2つのシステインが隣り合うC-Cの構造をしています。細胞内カルシウム濃度を変化させ単球からの酵素放出を促進するのです。

 Gamma Chemokines(C)は、N末端から2つのシステインが欠損しており、C末端が伸長しています。

 Delta Chemokine(CXXXC)は、2つのシステインの間に他の3つのアミノ酸が入るC-XXX-Cの配列をしています。

 さて、ケモカインの話は終わって、本論である2番目の、ヘルペスが人間の免疫に炎症を起こさせないという戦略の話に戻りましょう。サイトメガロウイルスは、今述べたβケモカイン受容体を持っている単球(大食細胞・樹状細胞)とβケモカインが結びついて、炎症が起こって自分を殺さないようにするために、偽のケモカインレセプターを作ることができるのです。サイトメガロウイルスが感染した細胞に、偽のケモカインレセプターができ、そこに様々なβケモカインがひっついてしまうと、単球を呼び寄せる力がなくなってしまうのです。すると、大食細胞は炎症細胞の代表でありますが、その結果、炎症を起こせなくなってしまうのです。一方、EBウイルスは、EBウイルスが感染した細胞に、キラーT細胞が結合することを阻止することができるのです。それは、白血球の膜に発現するLFA-3(leucocyte function-associated antigen-3)、日本語では白血球機能関連抗原3という接着分子やICAM-1という接着分子などが、サイトメガロウイルスが感染した細胞にひっつかないようにすることができるのです。すると白血球が感染細胞に引っ付かなくなると、白血球の働きが活性化されずに炎症が起こらなくなるのです。

 3つ目の戦略についてであります。つまり単純ヘルペスとサイトメガロウイルスが侵入した細胞は、ヘルペスウイルスを敵である抗原とみなし、この抗原の持つタンパクを処理し、MHCⅠに結びつけてキラーT細胞(CTL)に提示して、細胞もろともヘルペスを殺してくれと頼むのでありますが、それをさせないようにするメカニズムついてであります。MHCⅠにヘルペスのタンパク(ペプチド)が引っ付かない限り、キラーT細胞にヘルペスウイルスを提示できないので、キラーT細胞は感染している細胞を認識できないので、殺すことができなくなります。もう一つは、単純ヘルペスに感染したヘルペスのペプチドは、TAPという輸送タンパクに乗せられて感染された細胞の膜まで運んで初めてキラーT細胞に認識されるのですが、単純ヘルペスはTAPというタンパクを作らせないようにしてしまうことができるのです。

 4つ目の戦略は、EBウイルスだけが持っている戦略であります。皆さんご存知のように、インターロイキン10(IL-10)というのは抑制性のインターロイキンであり、Th2が作り出すアレルギーを起こす排除のサイトカインです。このインターロイキン10(IL-10)は、炎症を引き起こすTh1が増えないようにすることもご存知ですね。つまり宿主の免疫を抑制して、殺す仕事を辞めてしまうということになります。EBウイルスは、偽のインターロイキン10(IL-10)を作ることができるのです。すると、Th1というヘルパーTリンパ球は、病原体であるEBウイルスを殺すための出発点となるインターフェロンγ(IFN-γ)を作る力がなくなり免疫が抑制され、EBウイルスはいつまでも人体に住み着き、永久に生き続けることができるのです。Th1は炎症を起こして病原体を殺す仕事をします。したがって炎症性細胞というのは、大食細胞や好中球やヘルパー1T細胞(Th1)を指します。一方、病原体を殺すのではなく炎症を起こさずに異物を排除し、かつできる限り異物と仲良くしようとするのがようとする働きの中心がヘルパー2T細胞(Th2)であり、レギュラトリーT細胞であり、アレルギーを起こす好酸球や肥満細胞であるのです。

今日はここまでです。2018/12/28

 前回は、ヘルペスウイルスが人体の免疫系の裏をかくための4つの機序をまとめましたが、それだけでは十分理解できないと思いますので、今日はヘルペスウイルスがどのようにして人間の免疫を逃れるのか、もっと詳しくわかりやすく説明し直しましょう。

 生命の起源は地球誕生の46億年前から生命誕生の38億年以上前に出来上がったRNA誕生であります。RNAは自己増殖とタンパク(酵素)を作ることができるので、RNAは生命そのものと考えられます。RNAは生命の設計図と考えられていますが、単なる設計図ではなくて、同時に設計士であり、建築士であり、大工さんであり、電気屋であり、組立工の全てを行うことができた生命体そのものであり、生命の元であります。遺伝子こそ生命の根源であります。だからこそこの生命の元が38億年前に原核生物を作り始めたのであります。私のような考え方を「RNAワールド仮説」といいます。生命の発祥はRNAから始まったと考える「RNAワールド仮説」について少し触れておきましょう。

 RNA ワールドとは遺伝子であるRNAが原始地球上に存在したと仮定され、RNA から始まる自己複製系の世界が展開し、現生生物へと進化したという仮説を RNA ワールド仮説と呼びます。これに対して「プロテインワールド仮説」があり、この仮説は、まずアミノ酸ができ、重合してポリペプチド、さらにタンパク質が作り出され、このタンパク質が酵素として働き触媒となり、様々なタンパク質を作り、最後は生命を作り出したという仮説です。この2つの仮説は「ニワトリが先か、卵が先か」の論争に似ていますが、いずれにしろ核酸もタンパク質も結局は生命そのものであることを主張しています。

 RNAワールド仮説はどうして強い支持を得たのでしょうか?それは自己スプライシングを起こすイントロンの発見やRNAウイルスであるレトロウイルスによる逆転写酵素の発見により、RNA が遺伝情報と酵素活性の両方を持ちうることが証明されたからです。イントロンは遺伝子情報を担っていない遺伝子であります。さらにどのようにしてRNAワールドからDNAワールドへと進化していったのでしょうか?それは RNAがはじめに持っていたタンパク合成に必要な触媒の働きをタンパク質に移行し、RNAはタンパク質の配列を示す遺伝暗号としての機能を持つようになったのです。ところがRNAが不安定な分子なので、RNAからDNAが遺伝暗号としての機能を担うようになり、今私たちのDNAワールドに進化したのであります。どうしてRNAが不安定な分子であるかについては後で詳しく書きます。

 なぜ私が生命の発祥にこだわるのでしょうか?それはDNAウイルスであるヘルペスウイルスよりもはるかに手ごわいのはRNAウイルスであるからです。例えばヘルペスウイルスの流行のために人が死んだという話はほとんど聞かないでしょう。ところがRNAウイルスであるインフルエンザウイルスやC型肝炎ウイルスによって人体がどれだけ失われてきたかについても、皆さんに理解してもらいたいためです。特に1918年〜1919年にかけて世界的に流行(パンデミック)したスペイン風邪(A型インフルエンザ)によって、感染者は5億人、死者は5000万人〜1億人という多くの尊い人命が失われたことはご存知でしょう。

 どうしてRNAウイルスであるインフルエンザウイルスが猛威を振るうのかを根本的に説明してみましょう。先ほど書いたように、RNA遺伝子そのものが不安定でしょっちゅう突然変異を起こしてしまうからです。不安定であるということは、遺伝子が正確にコピーされないということです。遺伝子が正確に複製されないということは、遺伝子が作るタンパクが複製されるたびに変わるということです。作られるタンパクが変わるということは、言い換えるとRNA遺伝子が増殖するたびごとに自然にミューテーション(突然変異)が生じ、ミューテーションした遺伝子が作るタンパクを免疫が、とりわけキラーT細胞が認識できなくなるということです。そのメカニズムを詳しく書きましょう。

 RNAウイルスの代表であるインフルエンザウイルスは、まず様々な細胞に感染します。大食細胞や樹状細胞にも感染します。もちろん大食細胞や樹状細胞は、異物や病原体を貪食する仕事もあるので、ウイルスに感染される前にウイルスを食べて殺すこともできます。ところが感染と貪食の違いがどのように起こるのかについて誰も研究しておりません。いずれにしろウイルスは細胞に住まなければ絶対に増殖できないので、様々な細胞に入り込みます。免疫系が侵入したインフルエンザウイルスを殺すためには、必ず免疫細胞がインフルエンザウイルスを認識しなければなりません。大食細胞や樹状細胞や好中球は様々な病原体を認識するためのPRR(Pathogen recognition receptorとかpattern recognition receptorの頭字語です)といわれる受容体を持っています。病原体の何を認識するのでしょうか?病原体だけが持つ特徴的なPAMP(Pathogen-associated molecular pattern)やDAMP(Damage-associated molecular pattern)といわれるパターン分子であります。このようなパターン化された一群の分子を認識できるPRRを持っているのは大食細胞や樹状細胞や好中球であります。これらの細胞のPRRは、TLR(Toll Like Receptor)が代表であります。現在知られているTLRは11種類あります。特に7番目のTLRは、インフルエンザウイルスが持っている一重鎖RNAのパターンを見つけ出すことができるのです。

 TLRは、宿主にはないけれども病原体には常に存在している特異的なパターンを認識します。したがってTLRは、細菌表面のリポ多糖(LPS)、リポタンパク質、鞭毛のフラジェリン、ウイルスの二本鎖RNAや、細菌やウイルスのDNAに含まれる非メチル化CpGアイランド(宿主である人間のDNAのCpG配列はメチル化されているので区別できるのです)などを認識するようにできています。CpGのCはシトシンであり、Gはグアニンという塩基です。pは、CとGがホスホジエステル結合しているという意味です。ホスホジエステル結合をしていると言っても理解できないでしょう。もう少し説明しましょう。ついでにRNAとDNAを合わせて核酸といいますから、そもそも核酸とは何者であるかを思い切って原点に戻って勉強しましょう。

 核酸は、今述べたようにリボ核酸 (RNA)とデオキシリボ核酸 (DNA)の総称です。左に核酸の一部を図示しておきましょう。核酸は、塩基と糖でできたヌクレオシドが、リン酸が1つ結びつくことによってヌクレオチドになります。Pのある部分がリン酸であり、五角形の部分が五炭糖であり、Nが含まれている部分が塩基(核酸塩基)であります。 左の図の塩基と糖が結びついたヌクレオシドが1つのリン酸と2つの糖(五炭糖)がホスホジエステル結合で結びつけられてヌクレオチドになります。このヌクレオチドが連なって出来上がった生体高分子が核酸であります。それではホスホジエステル結合(リン酸2エステル結合)から詳しく説明していきましょう。

 まずリン酸エステル結合は、リン酸とアルコールと反応して、水が取れて残りが結合する反応をリン酸エステル結合と言います。この反応を脱水縮合反応といい、出来上がった新しい物質をエステルといいます。それではまず縮合反応とは何であり、かつエステル結合反応とは何であるかを説明しましょう。

 縮合反応は、英語で“Condensation reaction”といいます。2つの物質の2つの官能基(反応基)からそれぞれ1部分が分離し、それが結合して小さな分子を形成して脱離し、それと同時に2つの官能基の残った部分同士で結合が生じ、新しい物質が生成される反応のことです。したがって脱水縮合反応を付加脱離反応ともいいます。例えばカルボキシ基(−COOH)とヒドロキシ基(−OH)の縮合反応では、カルボキシ基からOH、ヒドロキシ基からはHが分離して結合し水分子が脱離します。それと同時に残ったカルボキシ基の(−CO)の部分とヒドロキシ基の(−O)の部分も結合してエステル結合(−COO−)が生成します。ところがリン酸はヒドロキシ基(−OH)を持っていますが、アルコールではありません。しかもカルボキシル基(−COOH)もありません。一方、五炭糖はヒドロキシ基(−OH)も持っていますし、アルコールといってもいいのですが、カルボキシル基(−COOH)は持っておりません。にもかかわらず、なぜリン酸と五炭糖が結びつくのをエステルというのでしょうか?しかもリン酸1個と五炭糖2個がリン酸で結合しても、(−COO−)という結合はないのにもかかわらず、ホスホジエステル結合といわれています。定義には合わないのですが、このリン酸と五炭糖の結合をリン酸エステル結合と言われています。

 いずれにしろリン酸 (O=P(OH)3) とアルコールの反応で生じるのをリン酸エステルというのです。五炭糖はOHを持っていますから、アルコールなのです。リン酸(O=P(OH)3)が持っている 3個の水素の全てまたは一部が有機基(五炭糖)で置き換わった構造を持っているのが有機リン酸エステルです。水素との置換の数が 1, 2, 3個のものを順にリン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸トリエステルと呼び、リン酸エステルとはこの3つのの総称になるのです。ちなみにリン酸は、リンのオキソ酸の一種で、化学式 H3PO4 の無機酸であります。オキソ酸というのは、上のリン酸の図を見てお分かりのように、リン酸のようにリン(P)にヒドロキシ基(-OH)とオキソ基(=O)が結合している酸のことです。

 まとめますと、ホスホジエステル結合というのは、リン酸のOHと五炭糖のカルボニル基(C=O)と結合したものです。「ホスホ」は「リン酸」という意味で、かつ「ジ」というのは「2つ」という意味で、かつ「エステル」というのは、カルボン酸とアルコールの反応で生じるものであり、日本語で「リン酸ジエステル」というのは上で説明しました。

 先ほど上で述べたように、DNAの基本は塩基と五炭糖とリン酸の3つが結びついてヌクレオチドになっております。五炭糖の部分がリボースであるものがRNA、上の図のリボースの2'位の水酸基(OH)から酸素(O)が取れて水素基(H)に置換されると2-デオキシリボースとなり、これをDNAといいます。つまりRNAとDNAの違いはただ一つ、五炭糖の2'の炭素に酸素がついているかないかの違いだけです。RNAは2'位が水酸基(OH)であるため、水と反応して加水分解を受けやすいので、DNAよりも反応性が高く、熱力学的に不安定であります。五炭糖の1'位には塩基(核酸塩基)が結合しています。さらに糖の3'位と隣の糖の5'位はリン酸エステル構造で結合しており、その結合が繰り返されて長い鎖状になります。DNAの転写や翻訳は 5'位から 3'位への方向へ進みます。糖鎖(五炭糖)の両端のうち、5'にリン酸が結合して終わりになっている側の方を5'末端といい、一方、反対側のDNAの終わりになっている部分を 3'末端と呼んで区別しています。また、隣り合う核酸上の領域の、5'側を上流、3'側を下流といいます。

 念のために書いておきますが、核酸は塩基と五炭糖とリン酸の3つの要素から成り立っていることを忘れないでください。繰り返しますが、核酸は、リボ核酸 (RNA)とデオキシリボ核酸(DNA)の総称で、塩基と糖、リン酸からなるヌクレオチドがホスホジエステル結合で連なった生体高分子であります。

 核酸の復習はここまでにして、TRLに戻りましょう。

 TLRは特定の分子を認識するのでなく、上記のようなある一群の分子を認識するパターン認識受容体の一種であります。インフルエンザウイルスを認識するTLR7は、phago-lysosomeという膜に存在しております。このphago-lysosome とは何なのでしょうか?まずphagosomeというのは、大食細胞がインフルエンザウイルスを貪食したときに包み込む袋であります。それではlysosomeとはなんでしょうか?インフルエンザウイルスを加水分解して破壊することができる酸性の小器官であります。それではphago-lysosome とは何でしょうか?phagosome とlysosomeが一体になったものです。一体になるとインフルエンザウイルスを取り込んだphagosomeが、lysosomeと一体となると、lysosomeに含まれている加水分解ができる酵素によってインフルエンザウイルスが破壊されてしまうのです。インフルエンザウイルスが破壊された時に、インフルエンザの様々なタンパクがペプチドに分解され、インフルエンザの遺伝子であるRNAも分断されてしまいます。

 それでは、一番大切なTLR(Toll Like Receptor)の仕事について勉強しましょう。インフルエンザウイルスをTLR7で認識した後、その情報はどのようにTLR(Toll Like Receptor)を持っている大食細胞や樹状細胞や好中球の核に伝わるのかについてであります。言い換えると、この情報が大食細胞や樹状細胞などの核に伝わった後、どのような遺伝子を発現するのでしょうか?極めて難しいですが、まとまった文章を提示しておきます。さらにToll様受容体 (TLR)のうち、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR11、の合計10個のTLRが認識した敵を処理するためにどのようにその情報(signal)を核まで伝えるかという図を左に示し、かつ14種類の酵素やその他のタンパク質やその働きや他の目的の英語の表示と、さらに矢印で指示された11種類のsignalの伝達経路も含めて表示しておきましょう。もちろん皆さんにとっては、一生かかっても理解できないものですが、私自身の勉強のために掲示しておきました。私は全てを完全に理解しておりますが、皆さんにもわかるように機会があれば必ず詳しい解説をいずれするつもりです。この図を完全に理解すれば、免疫のシグナル伝達についての理解は終わったといっても過言ではないのです。TLRは自然免疫のレセプターでありますが、また自然免疫で大事なあらゆるサイトカインのレセプターの働きも、かつ高等免疫であるT細胞やB細胞のレセプターの働きとシグナル伝達の理解も極めて難しいのでありますが、TLRの全てを理解すれば免疫の全てを理解したといって良いからです。

 まず簡単にTLRのシグナルについて文章を掲載しておきます。その文章は略語が多すぎて何がなんだかさっぱりわからないでしょうから、それについても少しだけ解説してTLRについての話は終わりにしておきます。いずれ必ず戻ることになるでしょうが。なぜならばTLRを完全に理解しなければ、他の高等免疫は絶対に理解することができないからです。興味のある人は下の文章をざっと読んでおいてください。

 Toll様受容体 (TLR) は、すでに述べたように、ウイルスや細菌などの病原体が持っている特有の分子パターンを認識し、自然免疫応答において最も重要な役割を果たします。これらの受容体は侵入してくる病原体に対する最初の防衛に関与するのみならず、また、炎症、免疫細胞の調節、免疫細胞の生存及び免疫細胞の増殖においても重要な役割を果たしています。すでに述べたように、11種類のTLRファミリーメンバーが同定されています。そのうち、TLR1、TLR2、TLR4、TLR5、TLR6が細胞表面に存在し、TLR3、TLR7、TLR8、TLR9がendosome-lysosome(エンドソーム-リソソーム)に存在します。endosome-lysosome(エンドソーム-リソソーム)は、上に述べたphago-lysosome(phagosome-lysosome)と今のところ同じものだと考えておいてください。

 TLRシグナル伝達経路の活性化は、細胞質側のToll/IL-1受容体(TIR)ドメインから開始されますが、これはToll/IL-1受容体(TIR)ドメインを持つアダプタータンパク質のMyd88(Myeloid differentiation primary response 88)と会合します。ドメインやアダプターの意味は年明けに詳しく書きます。リガンドの刺激を受けるとすぐに、Myd88はIL-1受容体結合キナーゼ-4(interleukin-1 receptor-associated kinase 4略してIRAK-4) をTLRに呼び寄せますが、これは、両者に存在する細胞死ドメイン間の相互作用によって起こります。キナーゼはタンパクのアミノ酸にリン酸をつけることです。リン酸が引っ付くとそのタンパクは活性化されるのです。

 リン酸化によって活性化されたinterleukin-1 receptor-associated kinase 1(IRAK-1)は、次に TNF receptor associated factor 6(TRAF6)と会合し、最終的にはMAPキナーゼ (JNK、p38 MAPK) 及びNF-κBの活性化に至ります。MAPキナーゼについても来年詳しく書きます。Toll interacting protein(Tollip)及びIRAK-M(IRAK-3)はIRAK-1と相互作用してTLRを介するシグナル伝達経路を負に調節します。負に調節するということは、TLRを介するシグナル伝達経路を抑制してしまうということです。つまりTLRからのシグナルが核に伝わらなくなるということです。IRAK-MはIRAK-3と同じものです。

 この他、これらの経路の調節の様式には、キナーゼの受容体共役タンパク質1(Receptor-interacting protein 1略して RIP1)によるTIR-domain-containing adapter-inducing interferon-β(TRIF)依存的なTNF receptor associated factor 6(TRAF6)の誘導や、an E3 ubiquitin-protein ligase regulating Toll-like receptors(TRIAD3A)、及びSuppressor of cytokine signaling 1(SOCS1)による下流のシグナル伝達を介した TIR domain-containing adapter protein (TIRAP)の負の調節があります。負の調節というのは、先ほど述べたようにこれまで伝わってきたシグナルが核に行かなくなってしまうのです。Myeloid differentiation primary response 88(Myd88)非依存的な経路には、IRF3の活性化とインターフェロン-β(INF-β) の発現があります。 TIR domain-containing adapter protein(TIRAP)、TIR-domain-containing adapter-inducing interferon-β(TRIF)、及びTRIF-related adaptor molecule (TRAMと略します。またTICAM2ともいわれます)のようなTIRドメインを含むアダプターは、それぞれのTLRシグナルカスケードに対して特異性を持たせながら、TLRを介したシグナル伝達経路を調節します。アダプターやドメインについてはいずれ詳しく書きます。アダプターとドメインは同じ仕事をすると考えてください。つまりシグナル伝達の中継地だと考えてください。TRAMはTICAM2と同じでありますが、TICAM2はTIR domain-containing adapter molecule 2 の略です。私自身は以上の文章の意味は完全に理解していますが、皆さんにとっては極めて難しいことでしょう。

 皆さん、とにかくTLRの働きはいうまでもなく自然免疫に属しますが、いかに複雑かつ精巧であるかがお分かりになったでしょう。自然免疫の頂点はTLRでありますが、その働きは高等免疫にも負けない作用があるのです。私はなぜこんな難しいものをインターネットに書くつもりになったかというと、私自身が勉強したいと思ったからです。とにかく臨床医も研究医も免疫学をほとんど理解しないで創薬のことばかりを語ります。いつも言っているように、創薬は38億年かけて進化した免疫の遺伝子が作るタンパクが最高であることを理解してもらいたいという願いを込めて勉強し続けています。

 今日は実は、数多くのオプジーボの副作用がヘルペスとの戦いで生じたということを既に述べたのですが、その副作用の一つ一つがどのようにしてヘルペスとの戦いによって生じたのかについて詳しく述べるつもりだったのですが、次回に回します!

今日はここまでです。2019/01/10


 オプジーボを投与中にヘルペスウイルスが増えて、オプジーボ投与中や投与後に20種類近くの重症な副作用が出ます。今日の予定は、そのような副作用が出た時に、必ず大量のステロイドホルモンを使うのはなぜかを、一つ一つの副作用について詳しく述べるつもりでありましたが、私の大好きな道草を食う悪い癖が出ました。オプジーボで脳炎がなぜ出るのかを書こうとした時に、日本に現在500万人もいるアルツハイマー病のことが気になりました。アルツハイマー病やパーキンソン病やプリオン病などの脳神経に関わる病気も、全てヘルペスウイルスによるものであることを証明したいという思いに駆られて横道に逸れて、これらの病気を徹底的に勉強するために時間が取られてしまいました。しかもアルツハイマーはアメリカの大学やイギリスのオックスフォード大学の研究により、Ⅰ型単純ヘルペスウイルスと6番目のヘルペスウイルスであることは証明されているので、できる限り早く詳しく書きたいという思いに駆られたからです。

 私も50年間、ヘルペスウイルスによるヘルペス性脳炎で苦しんできました。しかも右目は1型と2型の単純ヘルペスと、3番目の水痘帯状ヘルペスと、さらに5番目のサイトメガロウイルスによる網膜症のために失明してしまいましたが、大量の抗ヘルペス剤を服用しながら、ヘルペス性脳炎によるアホ病は随分良くなり、日々診療と勉学に励むことができるようになったのです。もちろん失明してしまった右目は神経細胞が崩壊してしまったので戻ることはありません。さらにヘルペス性脳炎の治療のみならず、アルツハイマー病の予防薬としても、抗ヘルペス剤を嬉々として服用しています。73歳のクソジジイの私の脳の元気さは抗ヘルペス剤のおかげであることはわかっているので、今では飯より抗ヘルペス剤が好きになっております。アッハッハ!

 いずれにしろ原因不明とされている病気の原因は、化学物質かヘルペスウイルス8種類であることは十分に理解してください。私は自分の頭の病気がヘルペスによるものであるということを発見するために3つ目の大学である京都府立医大に入学し、医者になったのですが、その目的を私は完全に成就しました。私の病気はヘルペス性脳炎であり、かつ治療は抗ヘルペス剤しかないということを証明しました。

 常に言いまくっていますが、人体に侵入した異物と免疫とが戦うことによってしか病気は絶対に起こり得ないのです。現代文明において人体が異物と認識するのは殺しきれない化学物質とヘルペスしか存在しないのです。従ってアルツハイマー病やパーキンソン病やプリオン病などは、全て1000億個もある脳の細胞に侵入したヘルペスとの戦いの結果生じる病気であることを以前から証明したいと思っていたので、その勉強のために時間を費やしてしまいました。すみません!

 何度も言いますが、ガンは病気ではないのです。なぜならば、ガンは生命の根源である遺伝子の突然変異(mutation)に過ぎないからです。つまり自分の生命を背負っている遺伝子は異物ではないので、免疫と異物との戦いで生ずる病気ではないのです。従って、ミューテーションを起こした遺伝子を修復する薬ができない限りは、絶対にガンは治りません。しかも突然変異が集積することによって、進化が生じるわけですから、進化を止めない限り、永遠にガンは治らないでしょう。アッハッハ!

 突然変異(mutation)の原因は、細胞の増殖の際に同じ遺伝子を100%完全にコピーする必要がありますが、そのコピーミスの誤りの積み重ねで突然変異が生じると考えています。もう一つは、ヘルペスウイルスをはじめとするウイルスが人体の細胞に侵入した後、アトランダムに細胞の核にある遺伝子に入り込んで、遺伝子を突然変異(mutation)させるためだと考えています。これをウイルスの“transformation”と言います。日本語では形質転換と訳します。つまり、遺伝子が変化することによってその遺伝子が作るタンパク質が異常な、つまりガンになるようなタンパク質を作ってしまうことを形質転換といいます。

 今日の勉強の成果の一つだけ加えておきます。プリオン病の原因は「misfolded protein(異常な折りたたみ構造のタンパク質)」が原因と言われていますが、人間が作ったタンパク質が正常であろうがなかろうが、感染するということなど、絶対にあり得ないことなのです。その証拠は、このmisfolded proteinを感染させた免疫不全症の患者には症状が出ないということがわかっています。なぜならばmisfolded proteinというのは、ウイルスが無理やりtransfomationさせて作らせた遺伝子が作ったタンパク質に過ぎないのです。misfolded proteinに忍び込んだヘルペスは、免疫のない人はこのヘルペスと戦うことがないので症状、つまり他の医者たちが言うところの病気が起こらないのです。言うまでもなく、こっそりとヘルペスウイルスは免疫不全症の患者で増えていますが、免疫がない人なので症状は出ないだけなのです。アッハッハ!これはちょうど、ガン患者にオプジーボを投与した時にこっそりヘルペスは増えているのですが、投与をやめると免疫が回復しヘルペスとの戦いが始まり、様々な恐ろしい副作用が出るのと同じです。しかも増え過ぎたヘルペスは免疫が回復した状態、つまり健康な状態で再び増えたヘルペスを見つけ出して戦いが永遠に続くという悲劇が待っているのです。残念ですね、残念ですね。

次回乞うご期待!2019/01/17