「免疫寛容」について パート2(2020年7月31日のtwitterより転載)
免疫寛容とは本当は「生体内のゴミをクリーンアップするシステムである免疫が正常に働いており、生体内で炎症が起こっていない状態」のことをいうのだということを、先日述べたと思います。当院の患者におかれましては、「免疫寛容に至るためには免疫を高め続ければよい」という話をどこかで聞いたことがあるかもしれません。
確かに免疫寛容とは、免疫が正常に働いた結果として起こってくることは間違いありませんから、免疫力を高めることは必要なことです。逆に免疫力が弱いと、体内のゴミが処理できず、炎症が起こってきます。しかし、免疫寛容はあくまでも体内のゴミがきちんと処理されており、炎症の場が形成されていない時に起こってくるものです。というよりも、もっと端的に述べれば、「生体内のゴミが散乱していない状態=炎症の場がない状態=免疫寛容の状態」ということです。ですから、たとえ免疫力(=ゴミ処理能力)を高めることができたとしても、体内にゴミが蓄積し炎症の場が形成されていたら、免疫寛容の状態に至ることはできません。
ですから、やはりゴミを処理する免疫力を高めることと同様に、ゴミをそもそも蓄積させない体づくりをすることも大変重要なことなのです。ゴミをそもそも蓄積させないためには、やはり生命場にダメージを与えるものを極力避けるべきです。具体的に言うと、日々口にする農薬や化学物質(食品添加物)まみれの食材(果物・農作物・肉・魚・加工食品など)、極めて有害な作用を及ぼすPUFA(Polyunsaturated Fatty Acids:多価不飽和脂肪酸)、放射能を含めた電磁放射線被曝(外部被曝も内部被ばくも)、様々な医薬品、ワクチン予防接種などは全て我々の生命場にダメージを与え、知らず知らずのうちに慢性疾患を引き起こす元となります。
我々が生きる現代社会においては、これら全てのものが徐々に複合的に人体(だけでなく、周囲の環境も)を汚染しています。このような生命場を乱す汚染物質に対して、免疫力を高めた結果として免疫寛容の状態になれるということはありえません。何度も申し上げてきたように、あくまでも免疫寛容というのは「体内にゴミが散乱しておらず、生命場すなわち生体内の環境が綺麗に保たれている」状態のことであり、免疫力を高めた結果として、ある特定の物質に対して後天的に起こってくるようなものではないのです。
今の免疫学の世界では、免疫寛容とは「特定抗原に対して特異的な免疫反応が抑制された状態」と定義されているように、「特定の物質に対して一対一対応」で起こってくるものだという考え方が主流なのですが、これ自体がかなり矮小化された見方であると当院では考えています。百歩譲ってたとえ免疫寛容が特定抗原に対して一つずつ起こってくるものだとしても、先に挙げたそもそも生体環境を乱すものに対して免疫寛容が起こるはずがありません。
例えばワクチンに含まれているアジュバント(adjuvant)について考えてみましょう。免疫学的にはアジュバントの定義は、「抗原と一緒に注射され、その抗原性を増強するために用いる物質」のことです。一言で言うと、「抗原性補強剤」、あるいは「免疫賦活(活性)剤」と言っても良いかもしれません。アジュバントには、様々な種類が存在しています。しかし、その全てにおいて作用機序は似通っており、マクロファージなどの自然免疫系を活性化することによって免疫反応を惹起します。すなわちアジュバントとは無理やり免疫系を活性化することで炎症を引き起こし、「生命場を乱す存在」であるということです。このような生命場を乱す、体内環境を乱すようなアジュバント・化学物質に対して果たして免疫寛容が得られるのでしょうか?もちろん答えは「否」です。生命場を乱す、人体にとって有害な化学物質に対して免疫寛容に至ることは決してありません。アジュバント以外にも空気中のPM2.5のような大気汚染化学物質然り、農薬然り、その他食品添加物然り、様々な医薬品然り、電離放射線然りです。ですから、やはり一番の対応策は、このような生体内環境を乱し、炎症を引き起こすものを出来るだけ避けることだということを肝に銘じておいてください。