「自利即利他」の精神
仏教では「自利利他」という教えがあり、「自利」=自らの悟りのために修行し努力すること、「利他」=他の人の救済のために尽くすこと、とされています。この二つを共に完全に行うことが大乗仏教の理想とされています。
「天国と地獄の長い箸」という伝え話があります。
亡くなった人が地獄に行くと長い箸で食事をすることを強いられますが、あまりにも長いために、食事をするのにたいへん苦労をします。必死に食べようとすればするほど上手く食べられず、失敗ばかりで痩せ細って延々と苦しい思いをしなければならない。
一方で、天国に行った人たちも同じように長い箸を使っているのですが、地獄の痩せ細った人たちとは異なり、皆が楽しく食事をしています。そうです、実は天国の人たちは長い箸を使って前にいる相手の口へ食べ物を入れてあげて、相手も自分の口へ運んでくれるという助け合いをしていたのです。
この話からもわかるように、「自利即利他」とは、必ずしも「人のために何かをするのが良いことである」ということを意味しているわけでは決してありません。また、「他人のために行動すれば、自分の利益がいつか返ってくる」というような打算的で浅はかな考えを表現する言葉でもありません。
その真意は、「自分の幸せを追求することが利他になり、利他の実践が自分の幸せにもつながる」ということです。人は誰しもが他人のためだけに生きることなどできません。ですから「利他」のみで生きることはできません。しかし、「自利」と「利他」を同時に行うことで豊かな人生を送ることができるというのが「自利(即)利他」の極意なのです。
当院では、この「自利即利他」の精神の下、患者さんに漢方薬をベースにした根本治療を提供すると共に、患者さんの力を借りてより一層当院の理念や治療を発展させていきたいと考えております。少しでも当院に来られる患者さんのお力添えになることができればと考えておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
松本医院の基本理念
当院では、以下の理念に沿った医療を患者に提供し続けることをここにお約束いたします。
聖仁会理念
1. 対症療法ではなく根本治療を:対症療法に終始するのではなく、あくまでも根本治療を目指したいという患者さんを最大限サポートします
2. 免疫力・自己治癒力を重視:患者さんが自身の免疫力や自己治癒力によって根本治療を目指せるような身体づくり・環境づくりを指導します
3. 漢方医学(中医学)中心の医療:西洋医薬にはできるだけ頼らず漢方薬中心の医療を提供し、無駄な投薬は極力しないよう努めます
4. 患者主体の医療:患者さんの自己決定権を最大限尊重し、患者さんが主体・主役となれる医療を目指します
5. エビデンスだけでなく感性・直感も重視:医学的根拠を重視しつつも、感性や直感も無視しない姿勢で診療に臨みます
松本医院のロゴの意味について
古代中国の学問体系の一つに「易経」というものがあります。これは宇宙・世界・自然・人生などの諸原理を説いたもので、儒教の経典にもなっています。「易経」では、「全ての事象は陰と陽でできている」と考えられており、これが「易経」を貫く根本思想となっています。
一見相反する「陰」と「陽」は渾然一体となって「太極」を形成し、万物生成の根本エネルギーとなっている、と「易経」では考えます。「太極」とはまさに古代中国の宇宙観・生命観であり、当院のロゴにも使用している「陰陽太極図」は、「陰と陽に分化する以前の未分化の状態で、陰と陽が互いに揺れ動いている」様を表現しています。この太極図からもわかるように、「陰」と「陽」は混沌としている状態で、単に二極化した事象を現しているわけではありません。つまり、易経にも述べられている「盈つれば欠くる」という言葉通り、「万物は流転を繰り返し、一つの極地から他の極地を廻る」ということです。
我々もこのような生命観・人生観に則って日々の漢方診療に臨みたいという思いで、よりダイナミックでわかりやすい配色の「陰陽太極図」をロゴに採用いたしました。
院長紹介・挨拶
院長兼理事長:松本 有史(まつもと ゆうし) 医学博士(免疫学)
プロフィール
2011年 関西医科大学医学部医学科卒業
2011年〜2013年 済生会京都府病院にて前期研修修了
2013年〜2015年 松本医院副院長(当時)として、前院長の下で慢性疾患の漢方治療に従事
2015年〜2019年 大阪大学大学院医学部医学研究科(博士課程)にて免疫学基礎研究に従事
2019年3月 大阪大学大学院医学部医学研究科(博士課程)単位取得満期退学
2019年4月〜現在まで 当院院長就任
追記
2021年3月 免疫学博士号取得(博士論文:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0006291X20320635?via%3Dihub)
2024年1月 国際中医師試験合格(国際中医師資格取得)
ご挨拶
皆様初めまして、院長の松本です。 当院のHPに初めて辿り着いた方のために、当院の治療コンセプトや治療方針など、ここで改めてご紹介させていただければと思います。
様々なアレルギー疾患(アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎/結膜炎・気管支喘息)、関節リウマチなどの膠原病・自己免疫疾患、生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)、婦人科疾患(子宮筋腫/内膜症・卵巣嚢腫)、そしてあらゆる悪性腫瘍(がん)。 これらの慢性疾患は、もちろん人類の歴史上古来から存在してきたものではありますが、現代において急増しており、その多くは「現代病」と言っても過言ではない状態になっています。
なぜこれらの慢性疾患は、この現代社会においてこれほどまで我々の間で蔓延し、多くの人々を苦しませているのでしょうか・・・?
その答えは、結局のところ我々の「生活習慣」や「生活環境」にあります。 我々が生きるこの現代社会は、産業革命やIT革命などを通じて劇的にその利便性は高まりましたが、何千万種類とも言われる化学汚染物質による深刻な大気汚染・土壌汚染・海洋汚染などが大きな社会問題となって久しく、また効率を求める社会システムの中で、我々にのしかかるストレスレベルは、以前とは比べものにならないほど高まっています。 つまり、現代社会に生きる我々が慣れ親しんでいる生活習慣や周囲の環境そのものが劣悪で、様々な化学物質で汚染されているために、それらが複合的に人体に対してストレスとなり積み重なった結果として、上に列挙した慢性疾患を生み出しているということです。
そして、あらゆる病気に関する基礎医学研究や臨床研究は、今この瞬間にも世界中の研究機関・医療機関で行われていますが、そのほとんどが病気に関連するとされる遺伝子や分子(タンパク質など)などを対象とした枝葉末節の研究に過ぎず、決して「根本治療」を目的にした研究とは言えないものです(木をみて森を見ず)。 それらの研究によって開発された薬剤が、これまで次々に市場に登場してきましたが、そのほとんど全てが疾患の症状や見せかけのデータや数値を良くするための、いわゆる“対症療法”(=アロパシー)に終始しています。 これはすなわち、上記疾患の専門家たちは本当の問題である我々現代人が置かれている生活習慣・生活環境には目を向けておらず、ライフスタイル全般を改善することによって根本治療を目指そうとはほとんど考えていないということに他なりません(*“専門家”というのは、常に枝葉末節の議論に終始しています)。
それでは、一体なぜ現代医療は“対症療法”に終始するだけで、根本治療を目指さないのでしょうか?
その答えは、そもそも「現代医学」というものが、機械論的生命観(=要素還元主義)をベースとして発展してきたものであり、人間を含めた生命が”複雑系”であるということを前提に考えられていないからです。 それゆえに、現代医学ではほとんどの慢性疾患が「治らない(根本治療できない)もの」として扱われてしまい、対症療法に終始する結果となっています(さらに言えば、その対症療法である現代医療が、支配層・権力者層が大衆を支配するために都合の良い道具であったという理由もありますが、ここではその詳細は触れません)。ですから、「生活習慣」や「生活環境」を改善させることなしには、現代病であるこれら慢性疾患の根本治療はあり得ないのだ、ということをここで強調しておきたいと思います。
さて、当院では1980年代に前院長が松本医院を開設して以降、アトピー性皮膚炎の脱ステ漢方治療を施すクリニックとして発展してきました。 そして、前院長の「あらゆる病気は自己治癒力で治すもの」という信念の下、アトピー性皮膚炎以外にもアレルギー性鼻炎・気管支喘息などのアレルギー疾患、関節リウマチをはじめとする膠原病や自己免疫疾患といった難治性疾患(難病)に対しても、できるだけ西洋医薬での対症療法には頼らず、漢方をベースに鍼灸や独自の生活習慣指導を組み合わせた治療を続けて参りました。 そして、前院長が行っていた治療によって多くの慢性疾患が改善・寛解・根治に導けることを見出し、40年の永きに渡りあらゆる慢性疾患や難病に対する治療実績をあげ、発展して参りました。 その前院長が築いてこられた伝統を引き継ぎ、今後も当院ではステロイドホルモン剤やその他の対症療法でしかない西洋医薬はできるだけ使用せず、漢方治療を主軸に置いた総合的(ホリスティック)な医療を提供し続けられるよう、さらに発展・進化していきたいと考えております。 また、医聖ヒポクラテスが人体の健康や病気の成立に外的環境を重視したように、当院では「生活習慣」や「生活環境」の改善をこれまで以上に取り組むよう患者さんに指導していきたいと考えています。 すなわち、「衣・食・住」から「睡眠」・「運動」・「レクリエーション(休暇)」まで含めた我々現代人の「ライフスタイル」全体を包括的に見直し改善することにより、あらゆる慢性疾患の根本治療に向けた方法論を、患者さん一人一人に提供していければと考えています。 当院に来院される患者さんが、一人でも多く心身共に健康で豊かな生活を取り戻すことができれば、私にとってこれ以上の喜びはありません。
自利即利他の精神と共に
医療法人聖仁会松本医院 院長 松本有史
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地域医療の情報を紹介するサイトであるドクターズファイルに記事を掲載していただきましたので、興味がある方はご覧ください。
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