診療内容

 当院では、アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・気管支喘息・蕁麻疹などのアレルギー疾患、関節リウマチ・リウマチ性多発筋痛症・全身性エリテマトーデス・シェーグレン症候群・強皮症・皮膚筋炎などの膠原病・自己免疫疾患、クローン病・潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病、甲状腺機能低下症・橋本病・バセドウ病などの甲状腺疾患、各種がん・白血病・悪性リンパ腫などの悪性新生物、子宮筋腫・子宮線筋症・卵巣嚢腫など各種婦人科疾患(月経痛・月経不順なども含む)、うつ病・気分障害・不安神経症・不眠症などの精神疾患、その他慢性頭痛慢性胃炎といった、主に慢性疾患の根本治療を目指して日々診療に臨んでおります。もちろん慢性疾患でなくても、急性期の感冒・インフルエンザ・扁桃炎・急性胃腸炎・その他急性期の発疹(帯状疱疹含む)などでも漢方治療を希望される患者さんには対応しております。以下の疾患・症状でお悩みの方はぜひ当院までご相談ください。

*初診患者さんはこちらをご覧ください。

アトピー・アレルギー疾患

アレルギー(allergy)とはどのような病気なのかについて、まずは簡単に述べておきたいと思います。一般的には、「アレルギー(allergy)」とは、食物・薬物・金属・その他化学物質など、様々な抗原物質・アレルゲンが原因となって多様な症状が引き起こされるものとされています。しかし、「感染症」という病態がウイルスや細菌が原因となって引き起こされるわけではないということと同様に、実は「アレルギー」や「アトピー」といった病態もまた、抗原物質が原因となって引き起こされているわけではありません。また、現代医学のパラダイムでは患者さん自身の免疫異常があり、まるで患者さんの免疫が暴走したり過剰に応答してしまったせいでアレルギー症状が引き起こされているように説明されています。しかし、実はそれも大きな間違いです。
 「免疫」は「疫(=感染症)を免れる」という漢字が示す通り、これまではウイルスや細菌や寄生虫などによる感染症に対抗するシステムとして捉えられてきました。ですが、「免疫」というシステムは、本来は細胞の死骸や細胞の古くなったもの、あるいはウイルスや細菌などの微生物(ウイルスは非生物とされていますが)、また様々な化学物質やあらゆる抗原物質などの「ゴミ」が体内に蓄積することを防ぐためのクリーンアップシステム(形態形成システム)としてもっと大きく捉えるべきです。もちろん、感染症に抵抗するためのシステムとして発達してきたものでもありますが、それは「免疫」というものの一側面(一部分)に過ぎません。
 「免疫」というものをこのように捉えることで、アレルギー・アトピー疾患に対する治療戦略も全く変わってきます。現代医療の標準治療では、例えばアトピー性皮膚炎の場合、過剰な免疫応答の結果として皮膚に炎症が起こり、その結果として痒みを伴う発赤・発疹が認められると考えられてきたので、ステロイド外用剤を含めた“免疫抑制”のための薬剤が使用され、免疫応答による炎症を抑える治療法が標準化しています。しかし、先述したように「免疫」を体内の「ゴミ掃除(クリーンアップ)」システムとして捉えると、例えばアトピー性皮膚炎患者さんに起こっている皮膚の炎症症状というものは、総じて「排泄症状」であると考えられます。そう考えると、基本的にはそのような「ゴミ掃除」によって起こってくる症状は「抑えずに出し尽くす」ということが大切であるということになります。逆に、ステロイドを含めた免疫抑制作用のある標準治療薬を使用していると、免疫抑制により炎症がなくなり症状を抑制できますが、一方で体内のゴミ処理が上手くいかない状態が続けば続くほどゴミが蓄積してしまうため、長期的な目で見た場合には、疾患を慢性化・重症化・深刻化・本格化させてしまうということに繋がるのです。その結果として、そのような薬剤使用を減薬・断薬していく段階で、個体差はあれどいわゆる「リバウンド」症状(薬剤使用前よりも激しい症状となって現れる現象)が起こってくるというわけです。だからこそ当院では、アトピー性皮膚炎を含めたアトピー・アレルギー疾患に対する治療戦略として、ステロイドのような免疫抑制に働く薬剤は原則として使用せずに、あくまでも根本治療に向けて「症状を出し尽くすことが重要」であるということを患者さんに伝えてきたのです。例えばアトピー性皮膚炎の「脱ステ」根本治療をしたいという患者さんには、少なくとも上記のことをきっちり理解していただく必要があると思います。
 再度申し上げますが、現代医学におけるアトピー・アレルギー疾患に対する(特に「免疫」というものに対する)パラダイムは完全に間違っています(というか、捉え方が“真逆”です)。もし本当に「根本治療」をしたいと思うのであれば、患者さん自身の認識やこれまでの治療戦略を「パラダイム・シフト」させていく必要があります。当院は、あくまでも根本治療がしたいと思う患者さんのためのクリニックです。そこを理解した上で来院されることをお勧めいたします。

  • アトピー性皮膚炎
     当院では40年の長きにわたって、乳児湿疹から大人のアトピーまで、老若男女問わず幅広くアトピー性皮膚炎に対する診療を行ってまいりました。その中でステロイド外用剤やプロトピック軟膏を含めて、西洋医薬を用いた免疫抑制(免疫制御)により症状を取り除くという治療はせず、アトピー性皮膚炎の病態改善に対しては漢方煎じ薬を中心に、創傷(擦過創など)治療や感染予防目的に治療漢方外用剤(紫雲膏など)や漢方入浴剤などを駆使しながらの治療を続けてまいりました。もちろん、いつまでも漢方薬に頼るのではなく、最終的には身体づくりを一から少しずつ行うことで根本治療に向かうための指導も積極的に行っています。食事方法や保湿や入浴など、慢性的なアトピー性皮膚炎患者さんであれば誰しもが持つ悩みはほぼ全て網羅していると自負しており、根本解決に向けたアドバイスも積極的に行っております。アトピー性皮膚炎でお困りの方、ステロイド剤など現代医療・西洋医薬に限界を感じている方、脱ステしたいと思っている方、アトピー性皮膚炎の根本治療がしたいと思っている方は、ぜひとも当院までご相談いただきたいと思います。
  • 気管支喘息・咳喘息
     当院では小児喘息や、大人の気管支喘息や咳喘息に対しても主に漢方治療を提供しています。喘息の大きな原因としては、大気汚染ももちろんありますが、最も問題となるのは結局のところ患者さん自身の免疫力(=ゴミ処理能力)の問題です。大人の方でも風邪をひいた後に咳だけが残り続ける、いわゆる「咳喘息」が増加している背景には、過度なストレスによる直接的な免疫力低下や、大気汚染を含めて様々な化学物質による相対的な免疫力低下があります。
     当院では、喘息の発作時にはβ刺激薬(吸入剤)の使用を推奨しており、喘息の病態コントロールのために頻用されているステロイド吸入剤は原則的に使用することを推奨していません。それでも、当院では本当に重症な方以外は漢方治療のみでも比較的良好なコントロールが得られています。また、喘息に関しても根本治療に向けた生活指導を積極的に行っており、漢方薬も減量していける方ももちろんいらっしゃいます。気管支喘息や咳喘息でお悩みの方で根本治療をしたいという方はぜひ当院までご相談ください。
  • アレルギー性鼻炎・結膜炎
     当院では、通年性・季節性のアレルギー性鼻炎・結膜炎の患者に対しても漢方治療を行っております。原則として、当院では抗アレルギー薬(抗ヒスタミン剤)やステロイド剤を使用した治療は行っておりませんが、アレルギー性鼻炎・結膜炎に関しても、漢方治療のみで病態コントロール(症状緩和)ができるようになり、食事を含めた生活習慣を改善することで病態が根本的に改善し、例年ひどかったアレルギー症状が緩和される方は非常に多く、あるいは全く症状が出なくなるという方もおられます。アレルギー性鼻炎・結膜炎に対する漢方治療を受けたいという方は、ぜひ当院までご相談ください。
  • 花粉症
     花粉症とは、花粉が飛散する時期のみアレルギー症状(鼻水や目の痒みなど)が現れる季節性のアレルギー疾患(鼻炎・結膜炎など)の総称です。実はこの原因は従来の花粉のタンパク抗原というわけではありません。その証拠に、約半世紀前までは日本では花粉症などほとんど認められませんでしたし、花粉症の有病率・罹患率は田舎より都会の方が高い状況となっています(花粉タンパク抗原が原因なら、花粉の多い田舎の方が発症しやすいはず)。様々な研究結果からも、高度経済成長期以降に大気中に増えたとされるPM2.5などの大気中の微小粒子・NOX・SOXなどの大気汚染化学物質や、多くの環境要因による花粉タンパク抗原の変化が大きな要因となっていることは間違いありません。また、現代社会に蔓延しているストレスなどで現代人は免疫力が総じて低下していると考えられ、それによってもアトピー・アレルギー疾患は増えていると考えられます。
     以上のことから、当院では花粉症患者さんにも、原則として抗アレルギー薬やステロイドを使用することなく、主に漢方治療を提供しています。ご希望の方はぜひご相談ください。
  • 慢性副鼻腔炎
    副鼻腔炎も基本的には慢性的なアレルギー性(好酸球性)の炎症によって引き起こされます(. 2013 Sep-Oct; 27(5): 367–371)。当院ではこのような患者にも原則として標準治療(抗生剤+抗アレルギー薬)ではなく、漢方治療を提供しています。副鼻腔炎や蓄膿・後鼻漏などでお悩みの方はぜひ当院までご相談ください。
  • 蕁麻疹
    蕁麻疹とは、痒みを伴う膨疹が皮膚に現れる一過性のアレルギー疾患です( 2006 Feb;30(1):3-11)。蕁麻疹も他の皮膚疾患と同様、皮膚の排泄症状です。ですから、やはりその症状(主に痒みを伴う膨疹)も症状を抑えることなく、自然経過でよくなるので何もせず経過観察を基本とすべきだと当院では考えています。とはいえ、痒みがひどくあまりにひどい膨疹が続く症例に対して、当院では漢方治療をお勧めします。蕁麻疹に対する漢方治療をご希望の方はぜひ当院までご相談ください。
  • その他アレルギー疾患(食物アレルギー、化学物質過敏症など)
    当院では食物アレルギーに関しては、食物タンパク抗原が原因となるわけではなく、やはり様々な化学物質によるアジュバント作用やタンパクの抗原変化、あるいは患者さん自身の腸管粘膜の脆弱性や免疫力低下が根本的な問題であると考えています。ですから、本来は食物アレルギーに対して特別な治療や食事方法(アレルゲン除去食・減感作療法・舌下免疫療法など)は本来必要ないと考えています。ただし、特定の食物を体内に入れた時にアナフィラキシー様症状(気道閉塞など)が引き起こされる場合があり、この場合には急性期の救急治療が必要になってくる可能性があります。
    化学物質過敏症に関しては、結局のところ患者さん自身のミトコンドリアの糖のエネルギー代謝の低下による免疫抑制状態が疾患の根本原因であると当院では考えています。様々な要因による免疫力低下で患者さん自身の身体全体のゴミ処理・ゴミ掃除能力が低下してしまっており、あらゆる化学物質に影響を受けやすい状態になってしまっていることが問題なのです。ですから、やはりこのような場合にも「身体づくり」をいちからやり直す必要があります。
    当院では、食物アレルギーを含めたその他のアレルギー疾患・化学物質過敏症などに対する漢方治療や、身体づくりに関するご相談などあれば、是非とも当院に受診してください。

膠原病・自己免疫疾患、その他炎症性疾患

  1. 関節リウマチ・リウマチ性多発筋痛症
     関節リウマチは最も一般的な膠原病として知られており、症状としては各部関節の腫れと痛みが起こる疾患です。国内人口の0.4~0.5%、30歳以上の人口の1%にあたる人がこの病気にかかるといわれています(リウマチ情報センターHPより)。実際には日本国内だけで70万人〜100万人もの罹患者がいると言われており、当院に来院されている膠原病患者さんも、その大半が関節リウマチです。また、リウマチ性多発性筋炎は関節リウマチ症状に追加して、各部の筋肉(特に近位筋)の痛みが出現する疾患ですが、基本的にはステロイド治療が有効とされている疾患です。当院では、ステロイドはもちろん、関節リウマチの標準治療薬となっているメトトレキサート(MTX、リウマトレックス)やバイオ抗体医薬(=生物学的製剤:レミケード・ヒュミラなど)などは原則的に使用せず、主に漢方治療による治療を提供しています。漢方治療をしてみたいとお考えのリウマチ患者さんや、標準治療を受けているが治療に疑問を感じている方はぜひ当院にご相談ください。
  2. SLE(全身性エリテマトーデス)
    SLE(Systemic Lupus Erythematosus:全身性ループスエリテマトーデス)とは、全身性の炎症性自己免疫疾患と考えられており、難病指定されている疾患です。発熱・全身倦怠感・易疲労感・食欲不振などの全身症状に加え、関節炎・皮膚炎・口内炎などの局所症状も出現することのある多彩な疾患です。採血上では抗核抗体や抗DNA抗体が陽性になり、これらの自己抗体の存在がSLEの重要な診断基準となっています。SLEの標準治療は、そのほとんどがステロイド治療になります。当院では、SLEに対しても漢方治療を提供しており、過去にステロイドを一切使用せずに完全寛解に至った症例も何例か経験しております。SLEの患者で漢方治療を受けたい方や標準治療に疑問をお持ちの方は、ぜひ当院にご相談ください。
  3. 皮膚筋炎・多発性筋炎
    多発性筋炎・皮膚筋炎は主に筋肉に炎症が起こり、筋肉に力が入りにくくなったり、疲れやすくなったり、痛んだりする難病指定されている疾患です。また、手指の関節背側の表面ががさがさとして盛り上がった紅斑(ゴットロン丘疹)、肘関節や膝関節外側のがさがさした紅斑(ゴットロン徴候)、上眼瞼の腫れぼったい紅斑(ヘリオトロープ疹)などの特徴的な皮膚症状がある場合は、皮膚筋炎と呼ばれます。当院では皮膚筋炎・多発性筋炎に対しても漢方治療を行っておりますので、希望される患者はぜひ当院までご相談ください。
  4. 強皮症
    強皮症には全身性強皮症と限局性強皮症があり、前者は難病指定されている疾患です。全身性強皮症は基本的には進行性の自己免疫疾患であり、皮膚硬化や皮膚潰瘍、レイノー現象といった症状が出現したり、進行すると肺線維症や間質性肺炎、逆流性食道炎、腎障害などの内臓病変が出てくるとされています。しかし、実際に当院で漢方治療のみで経過観察を行っている患者が何人かいらっしゃいますが、全例強皮症症状の悪化は認められておらず、比較的経過は良好です。もし強皮症と診断されたが、有効な治療方法が見つからず、困っていらっしゃる方がいれば、ぜひ当院までご相談ください。当院ではその方の体質に合わせた漢方治療を提供することが可能です。
  5. MCTD(混合性結合組織病)
    混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)は、膠原病の中でも複雑な病態を持っているため、なかなか診断がつけにくい疾患です。SLEや全身性強皮症、多発性筋炎に似た臨床所見が重複して出現し、血清中の抗U1-RNP(ribonucleoprotein)抗体価が高値であることから診断がつけられます。MCTDも強皮症と同様に現代医療ではなかなか治療方法の選択が困難で、当院に来院されるMCTD患者はほとんどがステロイド治療を受けて来られます。もちろん当院ではステロイド治療は行わず、主に漢方治療のみで経過観察をしておりますが、症状の進行はなく、比較的良好な経過をたどっている患者がおられます。MCTDで治療選択に迷っている患者は、ぜひ当院までご相談ください。
  6. (尋常性)乾癬
    乾癬の中でも最も多い(70〜80%)ものは尋常性(じんじょうせい)乾癬ですが、これは皮膚紅斑や皮膚肥厚などの銀白色のフケのようなもの(=鱗屑【りんせつ】)が付着しはがれ落ちるなどの症状がみられる疾患です。乾癬の患者にも積極的に漢方治療を行っておりますので、希望される方はぜひ当院までお問い合わせください。
  7. 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)・甲状腺機能低下症(橋本病)
  8. その他膠原病・自己免疫疾患

炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)

炎症性腸疾患(Inflammatory bowel diseases:IBD)とは、ヒトの免疫機構が異常をきたし、自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃してしまうことで腸に炎症を起こす病気だと考えられています。症状としては慢性的な下痢や血便、腹痛などがあります。炎症性腸疾患といえば、広義の意味では感染性腸炎なども含まれるのですが、現在では主に潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)とクローン病(Crohn’s Disease:CD)の2疾患を指す言葉として用いられています。両疾患とも比較的若い方に発症しやすく、日本の患者数は年々増加傾向にあります。現代医療では根治することは極めて困難であり、生涯治療を継続する必要があるとされています。2014年時点で日本国内だけでも潰瘍性大腸炎で17万人、クローン病で4万人と、この2疾患だけですでに20万人を超える患者が難病指定登録されており、年間1万人以上もの患者が新規に発症しています。
潰瘍性大腸炎とクローン病は、比較的若年層に発症する原因不明の腸管の慢性炎症であり、再燃と寛解を繰り返す難病であるという点では共通しています。しかし後に示すように、両者には炎症の起こる部位に違いがあったり、内視鏡初見に違いがみられたりと、臨床所見に多少の違いがあるとされています。いずれにしても、当院では個々の患者に合わせた漢方処方をすることによって、炎症性腸疾患の根本治療を行っております。

  1. 潰瘍性大腸炎
    潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)はクローン病とは異なり、大腸のみに炎症が認められる炎症性腸疾患であり、基本的には肛門側から口側へ向かって連続性の病変が認められる疾患です。肛門〜直腸付近の粘膜病変が存在するため、主に下痢と鮮血便が主な症状となります。当院の経験として潰瘍性大腸炎にも漢方治療は有効です。当院では比較的軽症の潰瘍性大腸炎であれば、漢方治療と生活習慣改善(特に食事)によってかなりの割合で改善・寛解まで導くことが可能です。標準治療に抵抗がある方や疑問をお持ちの患者は、ぜひ当院までご相談いただければと思います。
  2. クローン病
    クローン病(Crohn’s Disease)は、大腸のみならず口から肛門までの全消化管に炎症が起こる疾患であり、同時あるいは異時的に非連続性の炎症所見が腸管に多発するのが特徴です。強い炎症が肛門周囲に及んだ場合には痔瘻(じろう)と言って、肛門周囲の皮膚に瘻孔が形成されることもあります。このような場合には、外科的な処置が必要になってくる場合があります。潰瘍性大腸炎と同様、一般的には認められていませんが、当院の経験上クローン病にも漢方治療は有効な治療手段となります。当院では軽症〜重症の症例まで、クローン病の治療経験がございますので、漢方治療をしてみたいという患者は、ぜひ当院までご相談ください。

生活習慣病

  1. 高血圧症
    現在の高血圧の基準値(収縮期130未満)には、しっかりとした科学的な根拠がありません。当院ではできるだけ降圧剤に頼らないで血圧を下げていけるように、患者にライフスタイルを改善することを指導しております。降圧剤の減薬・断薬相談など随時行っておりますので、希望される方はぜひ当院までお気軽にお問い合わせください。
  2. 脂質異常症
    現在日本国内の脂質異常症に対する治療は、スタチン系薬の投与がゴールドスタンダードとなっています。しかし、当院ではスタチン系薬は様々な観点から危険な薬剤と考えており、スタチン系薬の長期投与は全くお勧めできません。当院では主に生活指導により脂質異常症の改善を目指します。断薬相談や生活指導相談など随時受け付けておりますので、希望される方はぜひ当院までご相談ください。
  3. 糖尿病(2型糖尿病)
    糖尿病は、ミトコンドリアの糖のエネルギー代謝異常により細胞内で糖が利用できない形になっており、結果としてインスリン抵抗性が生み出されるという病態が考えられています( 2017;13(4):370-385)。ですから、糖尿病の本質は「細胞内の糖欠乏」であり、当院ではこの病態を助長してしまうような糖尿病の治療(血糖降下薬など)は全くお勧めしておりません。むしろ、積極的に糖質(グルコース+フルクトース)を摂取することにより、糖欠乏状態を是正していくことこそが糖尿病にとっては必要なことであるとの認識の下で、患者には食事を含めた生活習慣改善を指導しております。当院での指導・治療をご希望の方は、ぜひお問い合わせください。
  4. メタボリック・シンドローム

がん

・がんの本質について
これまでの医学の常識によれば、がんは遺伝子の病気であり、一度できてしまったら治らない「不治の病」であるというのが通説でした。この医学常識の根本にある理論が「Somatic Mutation Theory(:SMT)」という理論で、これは端的に言えば「がんは細胞の核内の遺伝子変異が原因で起こってくる」とする理論です。この理論に則って行われている治療が現代医療のがんの3大標準治療です。すなわち「外科的切除(切り殺す)」・「抗がん剤治療(叩き殺す)」・「放射線治療(焼き殺す)」ですね。これは不可逆的な遺伝子変異が起こってしまったがん細胞はとにかく攻撃して殺しきるしかない、という危険な発想から生まれた治療方法です。
しかしながら、この医学常識とも言えるパラダイム(Paradigm:認識の枠組み)に反する論文が近年次々に報告されるようになって参りました。特に衝撃的な著作が2011年に出版されました。それは、ボストン大学の生化学教授であるThomas Seyfried博士の「Cancer as a Metabolic Disease」という本です。Seyfried博士はこの本の中で、がんの本質は遺伝子変異ではなく、「ミトコンドリアのOxphos(酸化的リン酸化)の障害である」と述べておられます。また、近年の研究でがんは細胞自体が問題なのではなく、周囲環境(microenvironment)が問題なのであるという論文が急速に増えてきており、実際に近年のがんの主要医学雑誌に掲載される基礎研究論文の大半はすでに遺伝子の研究ではなく、がん代謝や微小環境に焦点を当てた研究内容になっており、開発される抗がん薬も遺伝子をターゲットにしたものではなく、代謝や微小環境を対象にしたものが増えてきています。当院でも、がんはがん化した細胞自体の問題ではなく、がんの周囲環境、すなわちがん細胞が置かれている”場”の乱れがあると考えていますので、より一層”場”を乱す恐れのある標準治療(手術・抗がん剤・放射線)には頼らず、がん患者の体内環境を整え、改善していくということに重点を置いた治療を勧めております。

  1. がん漢方治療相談
  2. がん代替医療相談
  3. その他がん治療に関するセカンドオピニオン(セカンドオピニオン外来についてはこちらのページをご覧ください)

婦人科系疾患

  1. 月経前症候群(PMS)
  2. 月経不順・月経困難症
  3. 子宮筋腫・子宮内膜症・子宮線筋症
  4. 不妊症・不育症

当院で勧める食事について

当院が勧める食事は、パレオ協会代表理事である崎谷博征博士が提唱されている「崎谷式パレオダイエット」です。これは、約1万年前に農耕革命が始まる前に、まだ人類が狩猟採集形態の生活を行なっていた時の食事を参考にした「パレオダイエット(Paleo Diet)」が元になっています。ちなみに「パレオ(Paleo)」とは“古来の”という意味であり、狩猟採集を行なっていた先住民時代のことを指す言葉です。この「パレオダイエット」は、海外セレブも実践しているということで一時期欧米でも話題となりました。それに比べて「崎谷式パレオダイエット」は、よりミトコンドリアの糖のエネルギー代謝を高めることに特化した食事法となっています。

この「崎谷式パレオダイエット」が従来の「米国式」とでもいうべきパレオダイエットと大きく違う点は、①エネルギー源として蜂蜜や果物や黒糖などの単純糖質の多い食材を推奨、②タンパク質はアミノ酸組成の優れたゼラチン・コラーゲンが豊富な食材やボーンブロス(ガラスープ)や良質な乳製品からの摂取を推奨、③脂質は飽和脂肪酸が豊富に含まれている食材(ココナッツオイルや乳製品・バター)を推奨、④オメガ3やオメガ6といったPUFA(プーファ:多価不飽和脂肪酸)が豊富な食材(植物油や魚など)をできるだけ排除することを推奨、⑤生野菜や海藻類・豆類・タネ類・ナッツ類を非推奨、代わりに人参や芋類などの根菜類を推奨、などです。

なお、当院では、糖質制限やファスティングといった、今はやりのダイエットは全く勧めておらず、ベジタリアンやヴィーガンといった菜食主義も勧めていません。総じてこのような極端な食事形態は、生命活動の根幹であるエネルギー代謝の観点からも、狩猟採集時代の長かった我々人類の歴史に照らし合わせて考えても、相容れないものであると考えられるからです。

その他

  1. めまい、耳鳴り、難聴、メニエール病
  2. 慢性頭痛(習慣性頭痛、偏頭痛など)
  3. 精神科減薬・断薬相談(当院での漢方治療を望まれている方に限る)
  4. ワクチン予防接種相談(お子様の予防接種、インフルエンザ予防接種、新型コロナウイルス遺伝子ワクチンなど)
    注)現在は当院で治療中であったり、当院での治療を希望される方からの相談は受け付けていますが、ワクチン相談のみの方の診療はお断りしています。
      ワクチンに関する問い合わせも、受付での対応が困難になっておりますので、悪しからずご了承ください。
  5. その他医療相談

傷の治療(=湿潤療法)について

当院では、外科的処置が必要ではない軽度の擦り傷・切り傷・熱傷・凍傷などに対して「湿潤療法」を実践しております。ただし、外科的処置が必要がどうかの判断が困難である場合もありますので、場合によっては受診をお断りさせていただく場合もございます。「湿潤療法」を希望される患者さんは、ぜひ当院まで一度ご相談ください。「湿潤療法」に関してさらに詳細を知りたい方は、こちらをお読みください。

可視総合光線療法について

令和4年8月より可視総合光線療法(家庭用炭素孤光灯治療器を用います)を自由診療で開始しました。「光線治療」に関してさらに詳細を知りたい方は、可視総合光線療法についてのページをご覧ください。

当院で紹介可能な医療機関と他院との連携について

当院では患者さんの希望があれば、基本的には全国どこの医療機関に対しても紹介状を書かせていただきます。

ただし、紹介先の医師が当院の治療方針に理解を示されない場合、治療や検査を断られるケースもあります。

そのため、当院で実績のない医療機関への紹介を希望される場合は、受入の可否について確認した上で紹介させていただきます。

ご希望の紹介先がない場合は、比較的患者の希望に沿った形で診療してくださる民主医療連合会(民医連)関連の医療機関をお勧めさせていただきます。

医療法人集裕会 王子クリニック

社会医療法人健生会 土庫病院

医療法人 いなだ訪問クリニック

あなたのまちの民医連・事業所一覧

診療報酬の施設基準に係る掲載事項

医療情報取得加算

当院はオンライン資格確認システムを導入し、マイナンバーカードによる保険証(マイナ保険証)をご利用いただけますが、基本的に当院ではマイナンバーカードによる保険証(マイナ保険証)を推奨しておりませんし、今後はこれまでの保険証と同等の役割を持つ「本人」
患者様からお預かりした受診歴、薬剤情報、特定健診情報その他必要な診療情報は、適切に管理・活用して診察いたします。