保険診療について思うこと(facebookより転載 2019-6-3)
さて、このページを5月に開設してから何度も書いてきたように、当院は漢方煎じ薬をベースに慢性疾患の根本治療を考えた治療を提供しておりますが、基本的には漢方薬は保険診療の範囲内でやっております。
これは患者の金銭的負担を少しでも減らした形で当院の治療を提供したいという当院の方針があるからです。
しかしながら、この保険診療には様々な制約があるため、根本治療に向けた医療を展開していくために必要なアイデアを、この保険診療の範囲内で患者にすべて提供していくことはかなり困難であると言わざるを得ません。
ここではっきりと述べておきますが、当院が理想とする医療とは、「いつでも、どこでも、患者が求める治療を提供できること」であり、それは「患者の希望による、患者のための医療」と言っても良いと思います。
しかし、現在の保険診療においては、当たり前の話ですが、保険診療で認められていない治療が許されていないばかりか、保険医登録と保険医療機関登録が必要であり、特定の医師に特定の医療機関で診てもらわなければ治療を受けられない、というシステムになっています。
この制約は今や当たり前のシステムとして受け入れられているために、疑問に感じている人の方が圧倒的に少ないようですし、保険診療で認められている治療こそが”まともな”治療であり、それ以外のいわゆる「代替医療(alternative medicine)」は”トンデモ”治療であり、受けるべきではない治療であるということをほとんどの患者も医療者も信じているようです。
しかしながら、これも何度かお伝えしてきているように、当院でも患者数の多いアトピー性皮膚炎の治療であるステロイドホルモン剤を筆頭に、現代医療の標準治療は”アロパシー(=対症療法)”医療であることや、以前お伝えしたように、「前後即因果の誤謬」すなわち、原因と結果を逆転させた発想から完全に間違った治療を施している場合も現実問題として多々あります。
そしてそれ以上に問題なのは、現代医療を受けることでさらなる副作用に苛まされ、病気が再生産されている、という問題です。
当院での治療がそのような問題をすべて解決できる、などというつもりはもちろんありませんし、現代医療においても外科的治療や緊急時の救急医療など必要な治療はたくさんあります。
しかし、特に多くの慢性疾患に対しては、現代医療が「医薬業界」のビジネスと化しているという事実を鑑みれば、保険診療で認められている治療の大半もいわばビッグファーマの金儲けの道具に成り下がっていると言わざるを得ません。
ですから、当院では基本的には保険診療内での漢方治療をベースにした治療を行いますが、それ以外の部分、例えば根本治療のための体づくりやライフスタイルの改善、食事指導などは保険診療の範囲外になる、ということをご理解いただければ、と思います。