根本治療において大事な“自分の病気は自分で治す”という考え方 2023年6月14日のX(旧twitter)より転載

当院の患者さんであれば当然ご理解いただいていることではありますが、当院では患者さんに“根本治療”を目指すことをお勧めしており、単なる”対症療法”としてだけの薬剤使用は全く勧めておりません(必要に応じて抗生剤などは処方しています)。 また、当院では根本治療に向けた“ヘルプ”として、主に漢方薬を使用してはおりますが、一部対症療法的な意味合いもあり、そもそも健康な人(無症状の人)が飲み続ける必要はないと考えています。 当院でも漢方薬を処方する際に、「中医学」の知識や理論体系(気血水・五行学説・弁証論治など)を用いてはいますが、それもいわば“方便”のようなものであり、漢方処方をする際の手段として活用するべきものだという認識です。

日常診療で漢方薬を使用している立場としては不適切な言い方かもしれませんが、私自身は根本治療のために漢方薬が必須のものだというようには全く考えていませんし、そもそも根本治療していくことを考えたときには、「西洋医学」や「東洋医学(中医学)」というような分類自体がナンセンスだと考えています。 根本治療においては、「どんな病院にかかるか」や「どんな薬剤を用いるか」や「どんな医者に診てもらうか」ということが重要なことでは決してありません。 根本治療において本当に重要なことは、「自分で病気を治す」という意識を持つことです。 そのためには「医療(病院)への“依存”」、「クスリへの“依存”」、「医者への“依存”」を断ち切るということが、まずは何よりも大切なことです。

例えば、当院では先代院長の時から30年以上にわたってアトピーのいわゆる「脱ステ」治療をおこなってきましたが、当院では何も患者に「脱ステ」を強要しているわけでは決してなく、患者の希望の下で治療を行っています。その際には必ず、治療を受けていただく前に患者の“意志”や“覚悟”を確認します。そもそも「脱ステ」の“意志”のない患者には当院の治療はできないことをお伝えしますし、ステロイドを使いたくないという“思い”はあっても、リバウンドを乗り越える“覚悟”のない患者には当院での治療は決してお勧めできないことをはっきりと伝えます。

何十年もステロイドを使用してきて、強いステロイドすらも効かなくなってきたときに初めて根本治療をしてみようと思い、当院に来院されるアトピー患者は後を絶ちません。そういう方々は、それまでステロイドに依存しており、病院に行って医者にクスリを出してもらって症状を抑えるのが当たり前で、「自分で治そう」などとは微塵も考えてこなかった人たちが大半です。 強いステロイドでも効かなくなってきてから初めて、「このままではヤクづけになってしまう(もうすでになっているのですが・・・)」とはたと気がつき、一度は自分でやめてはみるものの、リバウンド症状の激しさ(気が狂いそうな痒み)から再びステロイドを使ってしまう、ということを繰り返して、それでも根本治療がしたいからということで当院に来院する人もたくさんいらっしゃいます。 そういう方の中には、「藁にもすがる」という思いで当院に来られる方も多くいます。

しかし、残念ながらそのような考えをしている患者さんの多くは、根本治療をしようとしても長続きしません。 なぜなら、そのような方々は結局病院やクスリや医者に“依存”しているからです。 まずは自分の中にあるそれらの“依存”を取り払わなければ、根本治療には向かえません。 “依存”を断ち切り、「自分の病気は自分で治す」という意識をしっかり持つことが絶対に必要なのです。そこから初めて根本治療がスタートするのだと言っても過言ではありません。 ですから、依存心のある患者は根本治療のスタート地点にすら立てていないのかもしれません。 根本治療するためには、まずは“意識改革”をすることが必須です。「自分の病気は自分で治す」という原理原則を決して忘れてはいけません。そのためには依存心を完全に捨て去ってもらう必要があります。その上で、当院の治療に関しては「(根本治療に向けて)ヘルプをしてもらう」くらいの気持ちで臨んでいただくべきだと思います。 もしこれを読まれている方の中に、何か基礎疾患を抱えていて、それを根本治療したいと思っているのなら、以上のことを参考にしていただければ幸いです。

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