畜産・酪農こそ食の要!今こそ「自然酪農」を支援する取り組みを!! 2023年5月14日のX(旧twitter)より転載

先日「緊急告知」で今後の当院の取り組み・方針についてご紹介させていただきました。 その中で、まずは兵庫県丹波篠山で土地を購入し、自然農法家であり環境活動家でもある岡本よりたかさんが考案された自然農法を関西でも実践していく一つの拠点を作ることを目標に、「自然農」を支援する取り組みを始めたこともご紹介しました。 個人的にも、このような「自然農」に対する取り組みは非常に重要なことであると考えており、今後も「自然農」を支援する取り組みを加速させていきたいですし、自然農で作られた野菜や果物などの農作物がもっと多くの人の元に届くと良いと考えています。

しかし、実際のところ私としては、日頃から患者さんに対して植物性食品よりも動物性食品を主に摂取する食生活を志すように指導しています。 それは、私自身が「人間は本来的に草食動物では決してなく、どちらかというと肉食に近い雑食である」と考えているからです。 ですから、当院で勧めるダイエット(食事形態)は、ベジタリアンやヴィーガン、あるいはマクロビオティクスや玄米菜食といった、野菜中心の食生活を送っている人には残念ながら基本的には合いません。そのようなことから、正直なことを申せば、当院には野菜中心の食生活を志す人は滅多に来院されません。もちろんそのような食生活を全否定するつもりは毛頭ない(やりたければすれば良いというスタンス)ですが、本心としては、その食事形態では真に健康な身体を手に入れることはできないだろうと思っています。

とはいえ、肉食ならなんでも良いかといえば、もちろんそうではありません。 当院では、“We are what we eat(我々の身体は食べたものでできている)”という考え方をベースに、植物性食品にせよ動物性食品にせよ、日々摂取するものは必ずその“質”にはできる限りこだわるように患者さんには指導しています。

少し話は逸れますが、皆さんもご存知の通り、現在話題になっている「昆虫食」や「人工培養肉(ラボミート)」などは、人間にとって必要な栄養素(主にタンパク質)を大量に生産することができ、かつ経済的にも環境的にもメリットが大きいため、SDGsの観点からも注目されています。 その一方で、従来型の酪農・畜産の形態では、大量の水、大量の飼料(GMO穀物)、大量の抗生剤・ホルモン剤を消費し、大量に二酸化炭素が発生するために、地球温暖化を促進する真犯人であるかのように名指しで批判されています。そのため、各国政府はこの従来型の酪農・畜産をもはや支援しない、むしろ解体する方向へ舵を切っています。 また、以前からの傾向として、ベジタリアンやヴィーガンで野菜中心の生活をしているインフルエンサーたちも、こぞって酪農・畜産を目の敵にし、まるで動物を屠殺して食べることが、全て“悪”なのだと言わんばかりの主張をし続けています。その“おかげ”か、現在世界中でベジタリアン人口が増え続けています。

『日本のベジタリアン率は5.9%で増加 週1肉や魚を減らす派が最多』 https://forbesjapan.com/articles/detail/60251

さらに、このコロナ禍の中で、食や健康に対する意識が高まり、氾濫する情報の中から、先ほどのベジタリアンインフルエンサーたちの言動に触れ、やはり酪農・畜産を“悪”と捉え、野菜中心の生活に変える人がさらに増加する傾向にあるようです。

『コロナ禍でヴィーガンになる人が急増 その意外な理由とは?』 https://eleminist.com/article/1172

ベジタリアンやヴィーガンの方々にとってはこの傾向は手を叩いて喜ぶべきことなのかも知れませんが、私からすれば良いことだとは全く思えません。むしろ、意図的に植物性食品を礼讃する方向性が作り出されているような気がしてならず、個人的には危機感を募らせています。 今後意図的に引き起こされる可能性のある食糧危機(ショックドクトリンの一形態)とともに、従来の肉食(動物性食品中心の生活)が否定され、さらに草食(植物性食品中心の生活)がクローズアップされる展開が予想されます。 そして、先述した「昆虫食」や「ラボミート」が食糧問題を解決してくれる、とでもいわんばかりのプロモーションとともに、盛んに広めようとする動きが今後さらに活発化され、“肉”を食べたい人はそちらをどうぞ、ということになってくるのではないかと思います。

しかし、昆虫食やラボミートといった食事は、GMOやゲノム編集食などとともに、幾多の化学物質で汚染された「超加工食品」と言っても過言ではなく、これまでの化学肥料・農薬を使用する慣行農法や、工業化された酪農などによって生産された農作物や卵や乳製品・畜産物などと同様に、不自然なものであることには変わりはありません。

さて、皆さんは本当にこのような不自然なものを食べたいと思いますでしょうか。ここで強調しておきたいこととして、実際に家畜が地球温暖化の原因になっているということは間違いないのですが、それはあくまでも従来型の畜産・酪農をしている場合に限っての話。私が目指す「循環型農法」における家畜は、むしろ地球温暖化を解決するためにも必要なのです。 自然環境の中で移動しながら過密放牧を行い、炭素を土壌に固定し細菌が心地よく住める“場”を形成していくこと。それにより肥沃な土壌が形成され、植物も繁栄することができる。そしてその植物を草食動物が食べ、その排泄物も細菌の“餌”となり、さらに肥沃な土壌が形成されていく。 この循環を繰り返せば、環境や生態系が良い方向に発展・発達していくことはあれども、環境・生態系破壊につながるようなことにはなりません。

ですから、冒頭でも述べた通り、私は自然農も大切ながら、自然酪農はさらに重要な分野であると考えています。というか、本来は農と酪農を切り分けることなく行う「(自然)循環型農法」を目指すべきだと考えています。

しかし現実はなかなか難しく、日本国内でそのようなやり方で農業・酪農を行なっている業者はほぼ皆無であろうと思います。地道に手探りで日本流のやり方を開拓していくしかないのかも知れません。 とりあえずは、2025年くらいまで、できる限り多くの自然酪農を行なっている業者と直接会い、繋がりを増やしていけたらと考えています。そして将来的には当院として何か自然酪農も支援する取り組みをしていけたら良いと思っています。 その一環として、実は先日GW中に、大分の別府市内で「宝牧舎」(https://houbokusha.jp/)という酪農会社を訪ねにいきました。

ここでは別府市内の山間の地域で、70頭ほどの黒毛牛をできるだけ放牧で育てており、その肉を販売されています。牧場オーナーとも直接話をすることができ、彼の「放牧にこだわって、良質の肉を消費者に届けたい」という熱い思いも聞くことができました。このような新進気鋭の自然酪農業者さんを、当院としても応援していきたいと思います。 皆さんももし興味があれば、「宝牧舎」さんの黒毛牛の赤身肉を、堪能してみてはいかがでしょうか。特設サイト(https://houbokusha.official.ec/)で直接購入することが可能です。

「宝牧舎」さん以外にも、放牧牛を扱った酪農・畜産をされている業者さんは他にもいくつかありそうなので、今後は直接伺って視察・見学させていただくつもりです。 冒頭のタイトルでも示した通り、私は「酪農・畜産こそが食の要」であると考えています。 もし同様の価値観・考えをしている人がいれば、ぜひ日本国内の自然酪農業者を支援・応援していけるよう、彼らが生産している質の高い卵や乳製品や肉などの酪農品・畜産物を購入していただけたら幸いです。 以上、長くなりましたが、お読みいただいた方には感謝申し上げます!!

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