花粉症について その2:花粉症の疫学と発症メカニズム
今回はシリーズ第二弾として、「花粉症の疫学とその発症メカニズム」について見ていこうと思います。
● 花粉症の疫学
特定の花粉によってアレルギー症状が現れることは、すでに1819年に英国の医師であったジョン・ボストックという医師によって初めて報告されていました[1]。その後、1973年にチャールズ・ブラックリーという医師により皮膚テストや感作試験が行われ、実際に花粉がアレルギー反応(とはいえかなり不自然なやり方での反応)を引き起こすことが報告され、「花粉アレルギー」なるものの存在が広く世に知られるようになりました。
現在では花粉は季節性アレルギー性鼻炎・結膜炎の原因としてよく知られており[2,3]、世界中で約10億人以上もの人が花粉症によるアレルギー性鼻炎の症状に苦しんでいると言われています[4]。 ヨーロッパでは主にモクセイ科・イネ科・キク科・カバノキ科の4つの植物が花粉症を引き起こすことが知られており[5,6]、花粉アレルゲンは7868のタンパク質ファミリーのうち29種類に分類されています[7]。
これらの花粉タンパクは、いわゆる「花粉症」としても知られる臨床症状である季節性アレルギー性鼻炎・結膜炎発症の引き金となるだけでなく、アレルギー性気管支炎(喘息)や皮膚炎症、さらには食物抗原(タンパク)と一部の花粉アレルゲンとの構造的相同性により食物アレルギーを引き起こす可能性があるとされています。そのため、これらにより引き起こされるアレルギー疾患は、総称して「Pollen-Food Allergy Syndrome(花粉-食物アレルギー症候群)」と呼ばれています[8-15]。
19世紀に初めて花粉症が報告されて以来、花粉症患者数の急増、症状の多様化、患者の生活の質の低下などにより、花粉症は現在世界中で深刻な社会経済的負担となっています[16]。 日本では主に、スギ・ヒノキ・イネ・ブタクサ・ヨモギなど約50種類もの植物が花粉症を引き起こすとされています。2008年には、スギ花粉症患者だけで患者人口が日本全体の26.5%(約三千万人)もいることが報告されています[17]。 花粉症患者は日本でも年々増加しており、1998年と2008年で比較すると、その10年間で国内での有病率は1.5倍(19.6%→29.8%)に増加しています(アレルギー診療ガイドライン2013年度版)。
すでに、1800年代初頭には花粉症の存在が知られていた欧米とは異なり、1960年代まではわが国では存在しないとまで言われていた花粉症ですが、現在ではもはや「国民病」と言える状況になっており、ここ10年間の間でさらに花粉症患者は増加していると考えられます。国内では3〜4人に1人は花粉症というような状況になっており、これは今風の言い方をすると花粉症が「パンデミック」化していると言っても過言ではないでしょう。
ちなみに、日本で花粉症を含めたアレルギー疾患の増加が問題となったのは、今から30〜40年以上前に遡ります。当時は高度経済成長期に問題となった深刻な大気汚染に伴って、気管支喘息が急増していることが注目されました。 その後、断熱性・気密性が多少向上したとはいえ、先進諸国に比べて圧倒的に性能の悪い換気システムと、調湿ができない(湿度コントロールの悪い)低性能の住宅が大手ハウスメーカーを中心に日本中に建てられたため、カビやダニやハウスダストなどのアレルゲンが居住空間に一気に増加したことがアレルギー疾患増加と関係していることが指摘されてきました[18-20]。 住宅性能が健康に与える影響は甚大であり、日本の建築業界も再考が迫られています(住宅環境と健康については、WHOの『住宅と健康に関するガイドライン2018年版』を参照) iris.who.int/bitstream/hand
ところで、アレルギー疾患に限らずどんな疾患であっても、個体が生来持っている遺伝的素因と、個体が日々成長・生活していく環境との、複雑な相互作用(Gene-Environment Interaction)の結果として発症してくると考えられています[21,22]。
しかし、もちろんヒトの遺伝的素因を形成する遺伝子が、ここ100年ほどの短期間で急に変化したということは考えにくいため、花粉症の激増はアレルゲンとなる花粉量の増加や花粉自体の構造の変化、あるいは我々の周囲の環境が変化したことによると考えられます。 詳細は後述しますが、戦後建築用資材として植林されたスギが育ち、花粉が大量飛散するようになったこと(つまり花粉アレルゲンの増加)、天候や環境の変化による花粉自体の構造の変化、ディーゼル排気ガス・窒素酸化物・硫黄酸化物・タバコの煙やアルデヒド(飲食店や住宅由来)などの揮発性化学物質(VOC)や粒子状大気汚染化学物質(PM2.5など)の増加、居住環境の変化、食生活の変化、幼少期の病原体・寄生虫への暴露の減少(衛生仮説)、ヒトの腸内細菌叢の変化、精神的・肉体的なストレスなど、数多くの環境因子が花粉症増加の要因として考えられてきました。
この中でも、「衛生仮説」は非常に面白い仮説なので、また改めてご説明したいと思います。
● 花粉症発症のメカニズム
先述したように、花粉症は患者が空中に飛散している植物の花粉と接触した結果、後天的に免疫を獲得し、その後再び花粉に接触することでアレルギー反応を起こすものと考えられてきました。そして、この花粉症はアレルギーの中でも、B細胞(Bリンパ球)が産生するIgE抗体と肥満細胞(=マスト細胞)によるメカニズムが大きく関与する、即時型のI型アレルギーの代表的なものとされてきました[23]。
免疫学的には、花粉症を含めたⅠ型アレルギー反応は以下の2つの段階に分けられるとされています[24]。
(i)感作期: まず花粉タンパクを抗原提示した樹状細胞により、ヘルパーT細胞が活性化され、Th2(Tヘルパー2型)細胞へと分化します。そして、このアレルゲン特異的Th2細胞がサイトカインであるIL(インターロイキン)-4、IL-5、IL-13を分泌することで促進され、最終的にはアレルゲン特異的免疫グロブリンE(IgE)抗体の生成につながります。
(ii)エフェクター段階: IgE負荷マスト細胞(MC)および好塩基球が、アレルゲン源への曝露時に脱顆粒を行い、炎症性メディエーター (ヒスタミン、プロスタグランジン、ロイコトリエン) を放出します。その結果、アレルギー患者は、鼻水・くしゃみ・かゆみ・および目の充血または腫れなど、鼻炎・結膜炎に典型的な症状に悩まされることになります。より重大な症状として息切れ、咳、喘鳴などを特徴とする気道過応答性(AHR)の結果現れることもあります。
上述したように、アレルギーにおける免疫系の働きとして、まずは「樹状細胞」という抗原提示細胞が中心となって、ヘルパーT細胞に抗原を異物として提示します。 花粉症の場合、最初のアレルゲンとなる花粉タンパクが粘膜面に侵入してくると、アレルギー性炎症を引き起こすとされているTh2細胞が誘導され、Th2関連サイトカイン(IL-4、IL-5、およびIL-13)の分泌を始めます[25]。IL-4は感作の開始に重要な役割を果たしていると考えられており、IL-5およびIL-13は感作プロセスの後期およびエフェクター期に関連していると考えられています。IL-5は主に気道好酸球増多(誘導)とその免疫応答に関与し、IL-13は主にアレルギー性炎症部位への様々なエフェクター細胞の勧誘と活性化によってアレルギー疾患の維持に寄与していると考えられています[26,27]。
実際に、花粉抽出タンパク質は樹状細胞のケモカイン(CXCL12)による遊走を促進し[28]、Th2ケモカイン産生を増強する一方で、Th1ケモカインやTh1サイトカインの産生を抑制し、アレルギー反応を引き起こすことが報告されています[28-30]。さらに、花粉抽出タンパクだけでなく、花粉由来の脂質もアレルギー性炎症を惹起することが報告されています[31-34]。
これら花粉に含まれているタンパク質や脂質によって免疫応答が誘導された結果、最終的には抗原特異的B細胞が産生する抗体がクラススイッチして抗原特異的なIgE抗体が産生されます。これらIgE抗体は高親和性受容体FcεRIに結合して肥満細胞や好塩基球を誘導します。アレルギー性感作は、抗原特異的IgE抗体が引き起こすとされています。 すなわち、初回の感作によって花粉タンパクに対して特異的なIg E抗体が体内で産生された後に花粉タンパクに再曝露すると、その抗原特異的IgE抗体が速やかに粘膜面で増加します(血中にも増加)。その後、抗原特異的Ig E抗体が花粉タンパクに結合し、粘膜面に存在している肥満細胞などが活性化され、細胞の脱顆粒と炎症性メディエーター(ヒスタミン・ロイコトリエンなど)の放出が引き起こされます。その結果、花粉症を含めた鼻炎や結膜炎にみられるアレルギー症状(くしゃみ・鼻水・目の痒みなど)が引き起こさるということです[35]。
このような複雑な免疫応答のメカニズムで花粉症が発症してくるわけですが、実は花粉そのものが本当は悪いわけではないということを、次回以降に示していきたいと思います。 また、免疫システムが我々の身体全体の「形態形成維持」システム(=ゴミ掃除システム)であるということを考えると、我々の免疫力低下も花粉症を発症する大きな要因になっていることは、ここで強調しておきたいと思います。
今回は以上です!!
参考文献
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