萬田緑平先生の著書「家で死のう!」について 2022年11月11日のX(旧twitter)より転載
私が個人的に素晴らしいと感じた本の紹介です。 これまで何千人もの終末期患者の死を見てきた経験のある緩和ケア医である萬田緑平先生の代表作である「家で死のう!」(フォレスト出版)です。
萬田先生はこう喝破されています。 「全ての(現代)医療は延命治療です。少しでも長生きするためのものです。(現代)医療では1分1秒でも心臓が長く動いていることが正義です。・・・(中略)日本人の9割以上が長生きするために治療を続けて、つらい死に方をします」。
本当にその通りだと思います。萬田先生が述べておられる通り、医療依存度の高い高齢者施設を、一般市民は一度は見てみるべきです。自分の意志で生きているのではなく、現代医療によって文字通り「生かされている」現実を目の当たりにすれば、その死生観は大きく変わることでしょう。
萬田先生はこうも書かれています。 「生き方で死に方が決まる」 と。私はこの本を読んで、この一言にこそ、萬田先生が本当に言いたいことの全てが詰まっていると感じました。例えば、もし患者の家族のせいでつらい死に方を選ばざるを得ない、あるいは選ばさせられるとすれば、それは本当はそのつらい死に方を患者に強いた家族が悪いのではなく、患者自身の「生き方」に問題があった可能性が高く、患者自身に責任があるということです。穏やかな死に方のできる人は、真の意味で自分を愛し、自分自身の人生を愛し、家族を愛し、隣人を愛し、だからこそ他者から愛される存在であり、この世を精一杯生き抜いた人なのかもしれません。
著書の題名でもある「家で死のう」ですが、もちろん家で死ぬことで全ての人が幸せな最期を迎えられるかどうかはわかりません。しかし、私は萬田先生の感じていらっしゃる通り、病院で現代医療を受けながらでは、良い最期を迎えられるとは到底思えません。生を全うできるとは思えないのです。老若男女・健康不健康問わず、ぜひ皆さんも一度この本を手に取って読んでみてください。この本を読むことによって、死生観が変わるとともに、今一度自分の人生とはなんなのか、死とはなんなのか、問い質すいい機会になればと思います。