重症アトピー患者の増加について(facebookより転載 2019-5-21)

さて、以前にも書きましたが、当院は開設当初より漢方の煎じ薬をベースにした根本治療を求めて来院されるアトピー性皮膚炎の患者が数多くいらっしゃいました。

しかしながら、これは前院長も認めておられたことではありますが、年を経る毎に、より重症なアトピー性皮膚炎患者が顕著に認められるようになり、軽度であっても根本治療するのに以前よりも時間がかかったり、なかなか根本治療に至らない重症な症例がますます多くなってきました。
今でも毎日のようにアトピー性皮膚炎の新患さんがいらっしゃいますが、やはり標準治療(ステロイド治療)をしても効かなくなった、ということで、根本治療を求めて来られる重症な患者が後を絶ちません。

これはなぜかというと、やはり一つの理由は現代人が置かれているライフスタイルや生活環境です。
例えば、1962年に出版されたレイチェル・カーソンの「沈黙の春」や、1975年に出版された有吉佐和子さんの長編小説「複合汚染」にも如実に描かれていたように、現代社会には人工的に産み出された化学物質が溢れており、これらが確実に環境汚染に寄与しているだけでなく、我々の体の中さえも汚染し尽くしています。
これら人工化学物質がアレルギー・アトピーなどを悪化させる因子として働いているのみならず、あらゆる慢性疾患の原因の一つとなっていることは、もはや疑いようのない事実です。
また、現代人の食生活にも多くの化学物質や炎症症状を悪化させる物質(特に不飽和脂肪酸)が添加されており、それらの人体内の蓄積がアトピー性皮膚炎を悪化させていることは間違いありません。

また、二つ目の理由として、私はこちらの方が罪深いと思っていますが、現代医療の標準治療が寄与している側面が非常に大きい。

例えば、「日本アトピー協会」のホームページから、「アトピーの治療」の「ステロイドとプロトピックについて」という項目を開いてみてください。そこには、いかにステロイドやプロトピックが安全で確実な治療法であるかや、ステロイドやプロトピックを目の敵にしている人たちを批判・否定する言葉が並べ立てられています。
しかしながら、これらの言葉には実際には全く科学的根拠がなく、実際にステロイドやプロトピックが効かない状態になっている患者や、長年ステロイドを塗り続けた結果、皮膚が赤黒く変色してしまった「ステロイド皮膚症」などを完全に意図的に無視しているどころか、それらはまるで「ステロイドなどの標準治療を放棄した(させた)患者や脱ステ医らに責任がある」かのような書き方をしています。もはやこれはトンデモなく無茶苦茶な話です。

当院は30年に渡り、脱ステを求めて来られるアトピー性皮膚炎患者の根本治療を目指して治療してきた実績があるのでわかりますが、ステロイドやプロトピックを長年塗り続けても良くならないどころか、少しずつリバウンドを繰り返すことで重症化・慢性化し、最終的にステロイド皮膚症になってしまった患者が現に日本全国で大量に存在しています。これは患者が間違ったステロイド治療をしてきたからでも、ステロイドを含めた標準治療を放棄してきたからでもなく、ましてや脱ステ医の責任などでもなく、まさにステロイドやプロトピックに頼って、一時しのぎのアロパシー医療(=対症療法)を続けてきた現代医療の標準治療こそが真の原因であり、これらはほとんど「医原病」と言っても過言ではないと私は考えています。

上記のような理由が密接に絡み合って、一昔前よりも今の方がアトピー性皮膚炎の重症化・慢性化が促されていることはほとんど疑いの余地がない事実であると私は思います。
ただし、このようなことを大々的に言うと、経済産業界(化学メーカー、食品業界)、医薬業界(厚労省、製薬企業、医学会、医師、薬剤師、その他医療従事者、患者協会)からのバッシングに遭い、潰されるのがオチです。

ですから、当院では来院される患者や当院をフォローしてくださっている皆さまや、一部の関係者たちのみにそのような情報をお伝えし、自分の身は自分たちで守っていくしかないということを理解してもらおうと考えています。

特に、当院に来院されるアトピー性皮膚炎患者の方々には、実際の根本治療のためのメソッドを提示し、根本治療を目指せるクリニックとして共に歩んでいけたら、というふうに考えております。
漢方治療のみならず、アトピー性皮膚炎のキズの処置(湿潤療法)、ライフスタイル、食事指導などなど、全てを包括的にヘルプし、見直し、改善していける方法論を院長自ら語っていきたいと思っています。

しかし、その根本治療の道は決して楽な道ではなく、茨の道です。

進むも地獄、戻るも地獄。

あとは患者の根本治療をしたいと思う強い気力と行動力のみです。
決して希望を失わずに、諦めずにやって欲しいと思います。

少しでも多くのアトピー性皮膚炎患者が当院で良くなることを切に願っています。

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