自給自足を志す人々の「里山交流会」に参加して 2023年7月4日のX(旧twitter)より転載
前回は、「自然農への取り組み(第二弾)」と称して、消費者と生産者を繋げる橋渡しができたら良いと考えているということを述べました。 その一環として、「オンラインショップ」が作れたら良いということを述べましたが、おそらくこれはもしできたとしても、かなり先の話になると思います。 その前に、冒頭で書いたように、今後はとりあえずは小さなコミュニティづくりを目指す方向でやっていきたいと考えています。 私がなぜそう思うようになったかということについて、今日は述べてみたいと思います。
実は先日、田舎暮らしをしながら自給自足を志す人たちが集まるコミュニティが開催している「里山交流会」に参加してきました。 このコミュニティでは、水・食糧、そしてエネルギーでさえも、自給自足している人が実際に何人もおり、普通に現代社会を生きているだけではお目にかかれないような、かなりディープな人たちとお話をすることができました。 彼らは、そのコミュニティを大きな「家族」のようなものと捉えているようで、実際にコミュニティに所属している各個人のことを、互いに家族の一員のように扱っていました。 当然そこには、嫉妬やエゴや競争という概念など存在すらしていません。さらに私が最も驚いたことは、彼らは自分が作った農作物や穀物、狩猟などで得られたジビエ肉などを、無償でコミュニティに所属する人たちに分け与え、それを彼ら自身の喜びに感じていることでした。むしろ、農作物であれば互いに無償で協力し合いながら耕し、ジビエであれば互いに無償で協力して解体し肉を捌き、それをお互いに分け合っているという、まさに「縄文的」な暮らし方をそのコミュニティの中でしていたのです。 こんなコミュニティがこの現代社会に実存していることが私にとっては大きな驚きでした。
また、彼らとの話し合いの中で、 「私は将来的には価値あるものを生産している生産者と、それが本当に価値あるものだということが理解できる消費者とを繋げていきたい。そして最終的には価値あるものどうしで物々交換できるようなコミュニティができれば良いと思っている」 と述べたことに対して、 「物々交換??例えば君は家族や子供たちに対して何かと交換に自分のものを与えるかい?そんなこと何も考えず、ただ与えるだけじゃないかい?僕たちそんな価値観でやってないよ、ただ余ったものをお互いにシェアしてるだけだから」 と諭されました。この時私は、頭を鈍器で殴られたほどの衝撃を受けた気がしました。そして、 「なるほど!!このコミュニティにいる人たちは、そういう価値観で動いているのか!!それならば、“生産者”と“消費者”という区分さえ、このコミュニティでは意味がないではないか!!」 と感じ、今だに自分がいかに俗世間に洗脳されたままの状態であるかを思い知りました。それと同時に、自分がいかに甘い考えをベースにしたコミュニティ作りを志向し、浅い将来設計をしていたのかということを思い知らされました。
ですから、私はここに宣言します。 今回購入した丹波篠山の土地を拠点として、まずは真の意味で“縄文的”な「家族のような小さなコミュニティ」を私も絶対に作ります!! そして、そこで自然農を広めつつ、できたものをそのコミュニティ内でシェアし合えるような繋がりを作っていきたい。 自然農だけではなく、放し飼い卵やジビエなどもシェアしていけるコミュニティづくりができたら良いなと思います。 また、さらにはその中で、水やエネルギーの自給自足もできる環境づくりを模索していけたらと思っています。そうすることで、文明の利器には一切頼らずにただひたすら縄文回帰や狩猟採集時代に逆戻りするわけではなく、これまで通りの定住生活を続けながらも、現代社会のピラミッド構造から脱却し、次の時代を見据えた生き方ができるのではないかと思います。そして、本格的な“食”のオンラインショップなどは、そのコミュニティづくりが上手くいってから、次の段階として考えたいと思っています。
もちろん、そのようなコミュニティづくりは、松本医院を中心にやるつもりは毛頭ありません(つまり、私が中心となってやる訳ではない)。丹波篠山に近い方や移住してでも自然農を本格的にやりたいという方、あるいは自給自足生活に興味がある方、さらにはそのような「なんでもシェアできる家族同様のコミュニティ」に興味ある方など、そのような方々が中心となって作っていくべきと考えています。やはりコミュニティづくりの基本は「現場」と「人」です。 ただ価値観が共有できているだけのネット上の繋がりだけでは、良いコミュニティは絶対に作れません。 やはり現場で常に動ける人が必要であり、その現場や人のもとに集まってくるという形でないと、上手く機能しないと思います。 もちろん私自身も実際に現場で動きながら、いろんな人と交流しながら、コミュニティづくりを一緒に進めたいとは思いますが、松本医院を辞めるわけにはいかないので、実働人員として動くのは困難であると考えられます。そこはある程度からは、現場で動ける方々にお任せする形になると思います。幸いなことに、今現在各方面からいろんな繋がりが増えてきており、丹波篠山の彼の地がそのようなコミュニティの拠点となるような、“兆し”のようなものが見えてきています。 今後さらにギアを上げて、コミュニティづくりに邁進したいという意気込みですので、是非とも興味のある方はリアルに繋がっていただければ幸甚です!!
里山ベース ハナビ https://www.facebook.com/satoyama.base.hanabi/?locale=ja_JP