体内環境を整える方法について(facebookより転載 2019-6-15)
さて、当院にはアレルギー・アトピーや膠原病といった慢性疾患の患者が主に来院されます。
実はがんを含めて、あらゆる慢性疾患の患者に共通していることがあります。それは・・・
「体内環境が酸性に傾いている」
ということです。
その理由・機序については(説明すると長くなるので)ここでは割愛しますが、このような患者に対して当院では
「身体をアルカリ化する」
ということを勧めています。
以下にその詳細を示しますので、読まれて興味を持たれた方はご自分でトライしてみてください。
1. 細胞外環境が酸性になっていると、炎症が促進されやすい
近年NLRP3という自然免疫系のパターン認識受容体が中心になって形成されるインフラマソーム複合体から炎症が惹起されることがわかってきました。細胞外環境が酸性に傾いている(pH6前後)と、このNLRP3インフラマソームが活性化され、炎症が引き起こされやすいことが報告されています(J Biol Chem.2013;288:13410-9)。また、酸性環境に置かれた線維芽細胞は、cAMP-MAPK経路を介して炎症がある時の遺伝子プロファイルを発現したという報告もあります(Biochimica et Biophysica Acta.2015:299-307)。これら以外にも、ストレスがかかった細胞は代謝経路が解糖系に傾き、周囲環境が酸性環境下に置かれる状態になること、そしてこの酸性環境がより一層炎症を促進する方向に働くことなどが多くの論文により示唆されています。特に、がん細胞は酸性環境下でより悪性化しやすく、転移も促されることが報告されており、アルカリ環境においてやることでよりおとなしくなるという報告もあります(Clin Exp Metastasis.1996;14:176-86, Cancer Cell International.2013;13:89, Altern Med Rev 2010;15:264-272)。また、あらゆる慢性疾患が炎症の結果として起こってくることを考えると、やはり酸性環境は炎症を促進させてしまうため良くないのではないか、アルカリ環境に置いてやることが細胞の正常な機能を果たす上では重要なのではないか、ということが考えられます。
2. 〜身体をアルカリ化する〜 その1.野菜や果物を大量に摂ること
野菜や海藻類、果物を大量に摂ったり、酢の物を食べると身体がアルカリ化しやすいと言われています。逆に肉類や乳製品、アルコールなどを摂取すると身体が酸性に傾くと言われています。
3. 〜身体をアルカリ化する〜 その2.重曹を飲むこと
重曹を飲むことでも身体をアルカリ化することができます。目安としては成人男性の方で大体1日に5〜6g(がんの患者なら10g前後)ほどの重曹を飲めば十分身体がアルカリ化されます。重曹は市販の重曹でも、薬局で購入できる粉末の重曹「ホエイ」でも構いません(当院では錠剤を使用しています)。
4. アルカリ化の指標
尿pHが身体の酸性化・アルカリ化の指標になると言われています。
実際には健常人で尿pH:5〜6程度と言われていますが、これを尿pH:7.5〜8.0以上まで傾けておけば、身体もアルカリ化されていると当院では判断します。
以上、「身体をアルカリ化すること」について述べておきましたので、慢性疾患をお持ちの方はぜひトライしてみてください。