住環境について パート2(2020年9月30日のtwitterより転載)

前回は、「住環境」と健康との関わりについて総論的なことを述べました。残念ながら今の日本の住環境は、(特に温熱環境に関して)先進諸国だけでなく、お隣の韓国や中国などと比べても相当お粗末なものです。戦後から高度経済成長までの間(1940〜1970年代)は、焼け野原になった土地に大量に住宅を建てていくことで、国民に定住する場所を提供しなければならなかったので、そんな時に住環境の質のことにまで、こだわっていられなかったというのは仕方のない話かもしれません。

しかしながら、今は戦後の高度経済成長期でもありませんし、むしろ少子高齢化に伴い人口も減り、空き家が増えていることが社会問題化しているくらいですから、どんな性能が悪い住宅でも建てられれば良い(安かろう悪かろう)というわけでは全くなく、住環境の質(=住宅性能)を高めることに尽力していくべきです。もちろん戦後間も無くの頃と比べれば、日本国内の住宅性能は格段に改善されており、昔に比べて耐震性や気密性・断熱性の高い家づくりがされています。しかし、それでも先進諸国(だけでなく発展途上国も)に比べれば、一般的に建てられている日本の住宅は全然(温熱性能が)足りないという話なのです。

諸外国(特に欧米先進諸国)における住宅業界では、バウビオロギーをはじめ、住宅内部の温熱環境や家の性能が我々の健康に与えるリスクが多方面から研究され、多くの方がそのことを知っているために、高性能(高気密・高断熱)な住宅を作ろうという意志が業界内に存在しています。しかしここ日本では、あらゆる分野において経済性が優先され、学問(サイエンス)が軽んじられている“学問後進国”であるために、住宅業界も大手ハウスメーカーにとって都合の良い家づくりが中心で、国も本当に性能の良い家づくりに本気で取り組もうとしていません。このような家づくりは、今流行りの“SDGs(持続可能な開発目標)”にそぐう「エコハウス」どころか、住宅業界のエゴにまみれた「エゴハウス」と言っても過言ではありません。その証拠に、2020年までに義務化されるはずだった省エネ基準が、「住宅や小規模建物は、現状省エネ基準への適合率が低いから」ということを理由に、見送られてしまったということが挙げられると思います。これは住宅性能のショボイ家づくりしかできない住宅業界に国が配慮したとしか思えません。

ですから、皆さんに知っておいて欲しいことは、省エネ基準の義務化すらされていない今の日本においては、「普通の家づくりをする」=「性能の悪い家づくりをする」ということとほぼ同義であり、そのような家づくりは、健康で快適で省エネで長持ちする「真のエコハウス」とは程遠いのだということです。ますます世界中で大気汚染や気候変動(温暖化・気象異常)が進むことが予測されている中、諸外国に比べてはるかに劣る住宅性能の家づくりを日本はいまだにしているのだということをぜひ知っておいて欲しいと思います。

さらに言えば、今後も再生可能エネルギー(再エネ)の固定価格買い取り制度による影響だけではなく、原発事故後の処理費用や不要な原子力発電所の廃炉費用などが託送料金に上乗せされていくせいで、さらに電気代が高騰していくことが確実となっています。そんな状況下で、「夏はガンガンにエアコンをかけないと暑くてたまらない、冬はガンガンに暖房をたかないと寒くていられない」というようなこれまでの住宅では、電気代がかかって仕方ないという状態になりかねません。ある程度経済的に余裕があれば良いのですが、これから電気代の高騰に伴って、これまでより一層我慢を強いられる状況に追い込まれる人がきっと増えてくると思います。すなわち、高い電気代による出費を節約するために、「夏は暑くてもエアコンをつけない、冬は寒くても暖房を控える」というようなことをしていかざるを得ないという人が増えてくるのではないかと思います。

さらに言えば、現在新型コロナ(フェイク)パンデミック騒動の真っ只中で、今後もしばらくは社会的混乱が続くことが予想されますし、それに伴って在宅時間が長くなることも予測されています(というか、実際にすでにそうなっています)。そんな時に、高性能で快適に安心して住まえる住み心地の良い家と、性能が悪く「夏は暑く冬は寒い」という住み心地の悪い家と、どちらに住みたいと思われるでしょうか?

今まで書いてきたように、健康と住環境の間には密接な関係性があるのですが、残念ながら日本で(何も考えずに)一般的な家づくり(大手ハウスメーカーを含めて)をした場合、高性能で健康に住まえる家が手に入るとは限りません。それどころか、エアコンやその他冷暖房器具をフル活用しても夏は暑く、冬は寒いという家しか作れないという可能性が高いのです。そして、そのような住み心地の悪い家づくりをしてしまった場合、下手をすれば一生その家で長い時間を過ごさなければならないかもしれず、温熱環境の悪さ、その他住宅環境の悪さ(湿度・電磁波・VOC)がストレスとなり、将来的に健康を害することになる可能性があります。

しかしながら、これは非常に残念なことですが、もし住宅の環境(温熱環境も含めて)の悪さが病気の遠因になっていたとしても、因果関係は簡単には証明できないですし、医師でさえそのような住宅環境の悪さが患者の病気と密接に関わっているということを医学教育で教えられていないので、結局誰にもわからないというのが実状です。ですから、本当に健康な住まいを手に入れたいと考えるならば、結局は自分自身がアンテナを張って情報収集し、温熱環境を含めた住環境を改善することができる、高性能な家づくりをしている業者(ビルダー)を探し出すしかないのです。

ですが、さらに残念なことに、そのような高性能住宅を作っているビルダーは、日本全国でも極めてわずかしか存在していません。ましてや温熱環境だけでなく、健康に大きな影響を与えることが明らかになっている湿度・電磁波・VOCの問題などにも着手しているビルダーは、日本全国でもほぼ“皆無”と言って良いでしょう。ただ、もし当院の患者で(なくても)、高性能で健康に住まえる家づくりをしたい、という方がいらっしゃいましたら、ぜひ当院までご相談ください。院長自ら、できる限り健康的な住まい作りに関するアドバイスをさせていただきます。

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