“健康”について(2020年10月6日のtwitterより転載)

皆さんは“健康”とは何かについて考えたことがあるでしょうか?病気ではないこと、若さ、長距離を走れること、筋骨隆々で骨太なこと、精神的に幸福を感じていて安定していること、目がよく見え、音がよく聞こえること、肌や髪につやがあって綺麗なこと、毎日快食快便であること・・・などなど。

もちろんこれらも重要な健康の指標となるでしょう。しかし、それではあまりにもパラメータが多すぎて、個人差もあるので誰がどのくらい健康か、ということはほとんど客観的に把握しきれません。WHO(世界保健機関)によれば、「健康とは、肉体、精神、及び社会的福祉が完全に満たされた状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」と定義されています。しかし、この定義は極めて抽象的で曖昧な表現であり、そもそもこのような定義に合うような健康な人など、全世界中に一体どれほどいるというのでしょうか?

フランス人医師で科学哲学者でもあったジョルジュ・カンギュラム博士(1904年-1995年)は、その著書である“正常と病理(1943年)”の中で、健康とは一人一人異なる概念であり、「置かれた環境に適切に対応できる個人の能力」であると定義しました。カンギュラム博士は「個人の能力以上に環境が変化・悪化した時に健康が害される」ということを示唆したわけですが、これはとりもなおさず健康が周囲の環境に規定されるということを前提にした表現であり、人間をまるで機械のようにみなす傾向の強い(デカルト的)機械論とは相反する考え方です。

また、心臓専門医であり、甲状腺の専門家でもあったブローダ・バーンズ博士は、「甲状腺機能低下症:隠された病気(1976年)」という著書の中で、「健康とは、高い代謝率と同義語である」と述べました。そして、高い代謝率と体温との間には密接な相関があり、健康的な体温(平熱)は起床時に36.6℃〜37℃であること、その体温を保てている人は、そうでない人に比べて病弱ではなく、健康的な生活を営んでいることを自身の豊富な臨床経験から明らかにしました。

また、バーンズ博士は甲状腺機能に関する臨床研究において、甲状腺ホルモン補充治療を受けた甲状腺機能低下症患者が、健康に関する種々の問題や、抱えている多くの病気・症状に改善が認められることを見出し、高い甲状腺機能(=代謝機能)と健康との間に大きな関連があることを示しました。当院では、日本ではほとんど知られていない故バーンズ博士の功績を称え、バーンズ博士が述べておられた、「健康=高い代謝率=高い甲状腺機能」という定義を当院でも採用し、「健康になりたければ、代謝(=ミトコンドリアの糖のエネルギー代謝)を高めていくことが必要である」ということを患者に指導しています。ですから、健康になるためにはどのようにしてミトコンドリアの糖のエネルギー代謝を高めていくべきなのか、ということに焦点を当てた指導が必要と考えています。みなさんの病気を克服するためにも、糖のエネルギー代謝を高めるための生活習慣を身につけ、ぜひ健康的な身体を作っていただきたいと思います。そのための生活習慣指導をして欲しいというかたは、ぜひ当院までご連絡いただければと思います。

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