当院での生活習慣(特に食事)改善のためのアドバイス(2020年10月10日のtwitterより転載)

当院では食事に関するアドバイスも随時行なっておりますが、私は食事のエキスパートでもなんでもありません。なので、栄養“指導”などというおこがましいことをするつもりは毛頭なく、あくまでも“参考”までにという形でアドバイスしています。また、実は私自身が日々の自分の食事を作っているわけではなく、恥ずかしながら患者に勧める食事を自分自身が全く実践できていません。実は、これこそが当院の最も弱いところだと痛感しております。患者にアドバイスする立場の私自身がアドバイスしている内容を100%実践できていないどころか、半分も実践できていないのです。なので、いかに食事を改善することが困難なことであるか、ということを日々自分自身が実感しているところです。

患者に勧める食事を自分自身が実践できていない大きな理由が「家族(特に妻)の協力不足」です。実は誠に恥ずかしいことながら、院長である私自身が患者に勧めている食事内容について家族に理解・協力を求めても、なかなか同意が得られず、それに沿った食事を日々食べられているわけではありません(言い過ぎると相手が気分を害するので言えない状況)。これは私の不徳のなすところだと日々感じています。もちろん、流石に毎日既製品やレトルト製品ばかりを食べているとか、外食ばかりでファーストフードなど不健康なものばかり食べているなどというわけではなく、妻の手料理を美味しくいただいているので何も文句はないのですが、本当は当院で患者にアドバイスしている食事内容に徹底的に沿った内容の食事を実践できれば良いのに、と個人的には考えています。

しかし、それを実践しようとすれば、家族(特に食事を作ってくれている人)の理解が得られない場合、自分自身でやらざるを得ません。自分自身で選んだ食材を集め、毎回食事を自分で全て作れるよ、という方は全く問題ないでしょう。しかし、私のように食事を日常的には作らない(たまに休みの日に作りますが・・・)という方にとっては、当院で指導している食事を実践することは、かなり厳しいものとなります。

自分自身がアドバイスしている食事内容に沿ったやり方ができていないのだから、本当は私には食事を含めた生活習慣について、患者にアドバイスするべき立場にはないのかもしれません。しかしながら、「慢性病は現代食から」と言っても過言ではないくらい現代の大量生産された食事の質は最悪なものとなっており、人工甘味料や遺伝子組み換え食品(最近では遺伝子編集食品)やプーファ(PUFA:多価不飽和脂肪酸)が世の中を席巻しています。このような状態で食事を改善することなしに健康を手に入れることは困難だと感じています。それでは自分でも作れず、家族の理解・協力も得られない場合にはどうするべきか。私なりに実践していることをここでお示ししておきたいと思います。

まず、すぐに実践できることとしては、コンビニやスーパーの既製品や添加物まみれのインスタント食品にはできる限り手を出さないことです。お惣菜やお弁当などを購入するのであれば、できる限り手作りの弁当屋さんのものや、食材にこだわりのある店舗のものを購入するようにした方が良いと思います。そして、飲料水は自分の家で浄水器をつけて得られたものを摂り、コンビニやスーパーで手軽に買えるペットボトルや缶や瓶に入った清涼飲料水は控えましょう。浄水器はある程度お金に余裕があるのであれば、全館浄水できるセントラル浄水器が良いと思います。ちなみに院長である私の自宅には、「最上清流」というセントラル浄水器を採用しています。全館浄水ができない場合はせめてキッチンだけでも浄水器をつけておきましょう。

そして、その他食事で気をつけるべきこととして、糖質としては果物や蜂蜜をたくさん摂るようにしましょう。穀物、特に小麦類(麺類・パン類・粉物類)の摂取は控えるようにしましょう。外食でパンやうどんやラーメン、お好み焼きやたこ焼きなどをよく食べるという方は特に要注意です。穀物を摂るのであれば、白米が良いと思います。ちなみに玄米や雑穀米は、消化管からの栄養素の吸収を阻害してしまう恐れがあるため、長期的な摂取は当院では勧めていません(短期的には可)。

脂質を摂るのであれば、やはりプーファ(PUFA)=多価不飽和脂肪酸(植物油や魚油、えごま油・アマニ油に多く含まれている)ではなく、飽和脂肪酸がリッチなココナッツオイルにすることを意識すべきです。当院では「COCOWELL」というココナッツオイル専門会社と提携しているので、「COCOWELL」のココナッツオイルを推奨していますが、自分の口に合うココナッツオイルがあればそれを摂取してもらって構いません。また、当院ではコールドプレス製法で搾油された「エクストラバージンココナッツオイル」を使用することを推奨していますが、これだとココナッツオイル独自の香りが強く、普段の炒め物や揚げ物などの調理油で使用することはできないでしょう。その場合には、ココヤシの実を乾燥させた「コプラ」というものから搾油された、香りのしないココナッツオイルを使用されると良いと思います。しかし、ココナッツオイルの使用に関しても、やはり他の家族の理解を得られなければ日々の実践は難しく、外食するならなおのこと難しいでしょう。

それでは摂る油をココナッツオイルにできない場合、どうすれば良いかというと、油分の多いもの自体の摂取を控えることです。すなわち、揚げ物や炒め物の摂取を控え、できる限り茹でたものや蒸したもの、あるいは多価不飽和脂肪酸を使用していないスープ系のものや油を最小限にして焼いたものなどを選ぶことです。

タンパク質としては、海老・蟹・貝類や、腱・筋・骨の周囲の肉や卵を勧めます。それが無理であれば質の高い普通の牛肉・豚肉・鶏肉でも構いません。質にこだわることが難しければ安価なもので赤みの肉などでも構いません。しかし、大きな魚の肉と大豆タンパクだけはできるだけ避けるようにしたいものです。なぜなら、大きい魚の肉は極めて酸化しやすいオメガ3系のDHA・EPAが含まれていることや、重金属や放射能で汚染されているからです。また、大豆に含まれているサポニンやレクチンが「リーキーガット」の原因となり、また大豆イソフラボンが、とても強いエストロゲン作用で体内で炎症をオンにしてしまうので避けるべきだと当院では考えています。

当院の患者で普段から自分で料理をしない人、家族の理解が得られない人向けに日々の食事で気をつけるべきことを書いてみました。おそらく当院の患者でない人にはちんぷんかんぷんだったと思いますし、そんなことを実践するのは無理だろ!と怒りの声が聞こえてきそうです(笑)

先述した通り、実は私自身こそが、本当に患者に勧めたい食事の実践は本当に困難である、ということを日々実感しています。どのようにして患者に勧める食事を自分自身でも実践すべきなのか、これは当院の患者のみならず私自身にとっても今最も大きな課題の一つなのです。こういうことを書くと、「自分ができもしないことを他人に言うな」と言われそうですが、それに対しては残念ながら何も言えません。本当にその通りですので、「おこがましいことを押し付けて申し訳ありません」としか言えません。ですから、当院では決して当院で勧める食事を強制はしません。できる人のみできる範囲内でやってもらえれば良い、と思っています。

しかし、実践することは難しいかもしれませんが、食事を改善しようとする意識をしっかり持つことは非常に重要なことです。私は「実践できなければ意味がない」とは思いません。まずは意識から変えていくことが重要だと考えています。そして自分にとって何が必要かを知ることであり、疑問に思ったことは調べるという癖をつけることです。まずはそこから始めましょう。知識や理論のないまま実践するのは無謀です。逆に理論や知識はあっても実践できなければ、その理論や知識は無駄になります。しかしながら、実践が難しいなら意識を保ちつつ徐々にやるしかありません。続けられる範囲内で少しずつできることを増やしていってください。私もそのような意識で少しずつ実践していけたらと思っています。

当院での生活習慣(特に食事)改善のためのアドバイス(2020年10月10日のtwitterより転載)” に対して1件のコメントがあります。

  1. 村山國治 より:

    人体は他の生命との共存ので成り立っているので脂質の摂取も極めて複雑だとかんじています。腸内細菌なども体細胞の数より多いそうです。
    多価不飽和脂肪酸の代謝においても解明されてないところだと思われます。
    特に細菌叢の加齢にともなう変化に注目するとビフィズス菌の減少があります。血管の老化と関係があると思うのですが、教えてください。

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