当院の治療コンセプトについて1(facebookより転載 2019-7-7)

私事ではありますが、最近昼夜の寒暖差が激しいことと、梅雨の時期ですから湿度が高いため、夜中に汗をかくと乾かずに身体が冷えて風邪をひいてしまいました。
しかもその風邪のあとに咳喘息になってしまい、ここ数日は喘息用の漢方薬を飲んでいるのですが、なかなか良くならず・・・。
やはり私は今年の4月まで大学院時代の4年間がかなりひどい生活(3食コンビニ食などは当たり前)だったので、身体に相当ダメージが蓄積しているのだろう、と思います。
「医者の不養生」とは良く言ったものです。

皆さんもこの時期の体調管理にはくれぐれもご注意ください。

さて、これまで何度か申し上げてきたように、当院は主に慢性疾患の根本治療を目指しておられる患者の診療を日常業務としており、漢方を中心とした治療を提供しております。
本日は、その当院での治療コンセプトをお伝えしておきたいと思います。

当院の特徴的な治療コンセプトは大きく以下の2つに分けられます。

1.漢方医学を駆使した治療戦略

当院では漢方薬(生薬を配合した方剤)を主な治療戦略として使用する以上は、「証(しょう)」を基本にした漢方医学独特の診断方法で患者の病態を把握します。
そして、前回まで述べてきた「気」・「血」・「水」という病因のうち、どこに異常があるのかを見極め、その異常に対応する漢方方剤を患者に処方するということを日々の診療の中でやっています。
基本的に体内のホメオスタシスが異常をきたした時に病気は発病するのであり、まさに漢方薬はこのホメオスタシスを整える役割を担っていると私は考えています。
ちなみに「証」とは、「その人が持っている体質や病態、病気の進行度あい」などを表すものですが、これについての詳細は、また機会があれば書いていきたいと考えています。

2.患者のライフスタイル全般を改善する方策を患者とともに考えること

当院では確かに上記の漢方治療だけで体内のホメオスタシスを調節でき、病気が改善する方も多くいらっしゃいますが、もともとの生活があまりにもひどい場合には、その生活習慣を改善することなく根本治療ができるはずがないと私は考えています。
特に、あまりにひどいストレス(精神的・肉体的問わず)が慢性的にかかっている場合などには、必ず過剰なストレスホルモンが体内のホメオスタシスを狂わせているため、いくら漢方治療をしたとしても、それを補って余りある負の効果により打ち消されてしまうだろうということは想像に難くないでしょう。
また、食事が乱れている場合にも、身体づくりの面でかなりバランスを崩している可能性があり、この食生活の改善も患者にとって大きな課題の一つであろうと思っています。
というよりも、慢性疾患にかかる方はそのほとんどが食事の”質”に問題があると言わざるをえません。
前にも述べたことがあると思いますが、結局のところ添加物まみれ、農薬まみれ、GMO(遺伝子組み換え作物)まみれの「現代食」を食べている限り、病気からは逃れられません。
本当に根本治療をしたければ、添加物フリー・農薬フリー・GMOフリーなどといった、「食の質の改善」は必須であるように私には思えます。
このような、ライフスタイルの改善は慢性疾患を患っている患者の喫緊の課題です。
当院では、そのようなライフスタイル全般を「改善したい」、いや「改善しなければならない」と思っていただけるように、厳しく指導して参りたいと思っている次第です(その前にまずは私自身が徹底しなければならないと強く感じています)。

以上、当院の大きく分けて2つある治療コンセプトについて簡単に述べてきましたが、いかがでしょうか?

私自身さらに正確に患者の病態を把握できるように漢方医としての腕に磨きをかけていきたいと思っておりますし、また患者のライフスタイルの改善にとってプラスになるような話を説得力を持ってできるように、できるだけエビデンスをしっかり提示していきたいと思っております。

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