新型コロナ感染症に関する研究論文について(2021年1月10日のtwitterより転載)

新型コロナ感染症に対する研究論文は日々増え続けていますが、その中でも治療に関する研究報告が山ように出版され続けています。しかし、そのほとんどは対照群とのランダム比較がなされておらず、あくまで少数の患者でのデータ解析にとどまっています。
その中で実際の診療方針・治療方針の決定に役立つのは、「わずかに6%に過ぎない」(FDAウッドコック博士)とされ、ここでも臨床試験のあり方が問われています。この痛切な課題を、2009年のインフルエンザパンデミックでの教訓を下に、真正面から論じた文献があります。
英国オックスフォード大学とオーストラリアの著者たちによる論文です。
興味深い内容になっておりますので、本日は(診察終了後になると思いますが)この論文について私なりに少し解説してみたいと思います。少し難解な話になるかもしれませんが、今回のコロナ騒動においても大事なことが示唆されている内容なので、ぜひ勉強するつもりで読んでみてください。https://bmcmedicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12916-020-01732-5

薬剤の安全性と有効性を科学的に評価することで、医学的な根拠に基づいた治療法を選択することが可能となりますが、今回の新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクのような予測不可能な環境下で、薬剤の有効性や安全性を評価する臨床試験を行うには時間がかかりすぎます。そこで今回ご紹介する論文は、2009年のインフルエンザパンデミックを対象に、システマティックレビューを実施することによって、臨床エビデンス作成のスピードと質、研究報告のあり方について教訓を得る目的で作成されたものです。パブメドで患者の治療について記載された全ての臨床データについて調べ、“http://ClinicalTrials.gov”で患者の登録を目的とする研究について調べたところ、2009年のインフルエンザパンデミックで入院した患者に対して33869個の治療コースが、160の出版物として報告されていました。
https://clinicaltrials.gov/

そのほとんどが後ろ向きの観察研究もしくはケーススタディでした。592例の患者が治療(または偽薬)を、介入試験の参加者として受けていました。しかし、これらの介入試験の結果は、2009年インフルパンデミックの流行中には出版されておらず、緊急事態が過ぎ去った後に出版・公表されていました。論文の内容についてはかなり端折らせてもらいますが、2009年インフルパンデミックでの臨床研究は、入院患者39577例のうち、約33000もの治療コースがあったにも関わらず、介入研究で治療薬あるいはプラセボを投与していた査読論文は、そのうちたった600個以下でしかなかったことがわかりました。また、重要なこととして、結果が2009年インフルパンデミック期間中に出版・公表された臨床論文は、観察研究においてはわずかに存在するものの、なんと介入試験では皆無(全くのゼロ)でした。すなわちこれは、質の高い治療エビデンスがパンデミック期間中にはほとんど得られなかったことを示しています。

これらの事実は、今回の新型コロナにおいても、パンデミック期間中にエビデンスに基づく治療を臨床医が患者に提供することは困難である可能性が高いことを示唆しています。このことに関して著者らは、治療選択に関わる臨床試験は質の高い疫学データの収集が可能となる条件で行われるべきと述べています。用語の解説まではできませんが、著者らはまた、“adaptive design”や“platform trial”のような新しい試験デザインが研究促進のために用いられるべきだと述べています。実際に、COVID-19の治療薬に関する大規模なプラットフォームトライアルが進行中です(英国のRECOVERY試験とWHOのSOLIDARITY試験)。

しかし、その新しい試験デザインがこれまでの臨床論文と比較してどの程度信頼できるのかなど、検討が必要です。また、出版の遅れを抑えるための動機付けや迅速なレビューなども活発に試みられつつありますが、治療選択のための質の高い信頼できる研究論文が果たしていくつあるのか。甚だ疑問です。

-さらに、新型コロナに関する研究論文のうち、(割合としては少ないが)その多くがプレプリントで報告されており、これは査読のない論文であるため、内容に誤りがあるにも関わらず、さも真実であるかのように拡散される可能性があることは肝に銘じておかなければいけません。
この「プレプリント」論文に関しては、スタンフォード大学の生物学助教のStanley Qi氏は、「ひとかけらの誤った情報、誤解を与える情報が10の優れた論文に害をもたらすこともある」として、警鐘を鳴らしています。
https://news.stanford.edu/2020/04/06/open-science-era-covid-19/

論文中でも指摘されていたように、このコロナパンデミック騒動の中、インフルエンザパンデミックの時と同様に、様々な多くの治療方法が検討されているため、臨床試験のあり方はこれまで以上に重要な問題になってくると思います。
しかしながら、治療選択のみならず、過剰な感染防止策もそうですし、安全性や有効性の疑わしいワクチンに関してもそうですが、そもそも本当にそれが今必要なのか、それらが必要だと言えるエビデンスはどこにあるのかを、常に検証していく姿勢が求められて然るべきだと私は思います。そしてそれ以上に、今起こっているいわゆるコロナパンデミックというものが、果たして本当に存在しているのか、またCOVID-19の病態を引き起こしているものが、果たして本当に新型コロナウイルスによるものなのか、についてさらに深く検証していく必要があると思います。

しかし、そのような姿勢・態度とは全く逆に、実際にはコロナパンデミックの存在を疑うことすら憚れる雰囲気が社会の中で醸成され、新型コロナの病原性を疑うことなど、もはや許されない状況になっているような気がしてしまいます。そしてこのようなパンデミックが叫ばれているような時には必ず、某ノーベル医学賞受賞者のような「エビデンスよりも迅速な対策を」というように、大衆を煽る言動をする有識者が現れますが、このような言動に決して騙されてはいけない、と私は思います。
そのような「未曾有のパンデミック」を煽る専門家や有識者たちでさえも、大局的に見れば「ショック・ドクトリン」を狙った筋書き(シナリオ)の中で一役を担っているに過ぎないと私は考えています(もちろん彼らにそのような自覚はないでしょうが)。

「臨床エビデンス生成の質とその報告のあり方について」をテーマにした論文の紹介から、かなり話が飛躍してしまいましたが、私が強調したいことは一つだけです。「全てを疑うこと」、そして「わからないことは徹底的に調べること」。私にも新型コロナに関しては、まだまだわからないことがたくさんあり、もっと調べるべきことがありますが、なにせやるべきことが多過ぎて時間が足りなさ過ぎます。是非ともみなさんとも情報共有したいと思っていますので、何か貴重な情報などありましたら、コメントなどしてもらえると幸甚です。

ポルトガルではPCR検査は信頼性が低いという判決が。
「実験室培養法によって感染性ウイルス粒子の存在が確認されていない限り、RT-PCRによる低レベルのウイルスRNAが感染と同等であると示唆する科学的根拠はない」ソースは以下のブログ
https://seibo-archive.com/2020/11/23/pcr/

名前や立場が明らかにされていないので、信憑性についてはビミョーですか、この方の仰りたいことにはとても共感できます。
https://twitter.com/covidUniverpro/status/1342861466710331392

本日もフォロワーの方から貴重な情報提供をいただいております。
https://blog.goo.ne.jp/beingtt/e/54141bf547edd3d5f8e6f5a70b763f4c

このサイトでは、海外の貴重で重要な情報を日本語に訳して伝えられており、非常によくまとめられていると思います。必見です!!

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