喘息患者のマスク着用について(2021年1月22日のtwitterより転載)

新型コロナ(フェイク)パンデミックが起こり、マスクの着用が叫ばれるようになってから聞かれ始めた当院の患者の訴えをここで紹介させていただきたいと思います。

それは、主に喘息(気管支喘息・咳喘息含む)患者からの痛切な訴えです。当院では漢方治療を求めて来院されるアトピー・アレルギー患者が非常に多いのですが、その中でもアトピー性皮膚炎患者がダントツで多く、次にアレルギー性鼻炎、そしてその次に来院数が多いのが喘息患者です。その喘息の患者さん達にとって、今回の事実上のマスクの着用強制は、控えめに申し上げても社会的なハラスメントに相当すると思います。

当院に来院される喘息患者の中には、呼吸状態が悪く(SpO2≦95%)、吸入器が一日中手放せないような方もいらっしゃいます。そのような方がマスクをするとどうなるか、誰でもわかると思いますが、そんな呼吸状態が悪い重症な方ではなく、普段から吸入剤なしでコントロールできている軽症の方でも、マスク着用によって「呼吸が苦しくなる」という訴えをこの1年ほどの間で私は数え切れないほど聴きました。また、さらに可哀想なのは咳喘息の方です。「咳喘息」とは、気道過敏性が亢進してしまっており、気管支喘息のような喘鳴や呼吸困難は伴わないが乾性咳嗽だけが長く続くという疾患です。風邪をひいたあとなどに大人の方がよくなる印象です。この「咳喘息」の患者も当院では割と多いのですが、このような時代の中にあって、人前で咳をすることに躊躇いがあったり、とても罪悪感を覚えたりされるようです。また、実際に重要な会議中に咳が続いてしまい強制的に退席させられたというエピソードのある方もいらっしゃいました。これはストレスによって咳が誘発されたということだろうと推測されますが、いずれにせよ「咳喘息」の人はマスクをしていようがしていまいが、社会的に白い目で見られてしまうということなのだろうと思います。それがとても辛いという話も患者からよく聴きます。

マスクのことに限らず、喘息患者の訴えは非常に痛切なものも多くあります(もちろんあまり気にしていない人もいますが)。特に現在のようなマスク警察が溢れている社会においては、喘息患者(特に咳をする咳喘息患者)は、外出時も常にマスクをし、迷惑をかけてはいけないという罪悪感から余計に外出自粛を考えるようになるでしょう(当院の患者でもそのような方がいました)。しかし、これでは余計に免疫力が抑制され、長期的に見れば呼吸状態が増悪することが懸念されます。当院では重症の喘息患者であっても、漢方薬内服と気管支拡張剤を使用しながら、太陽の光を浴びて軽い運動をすることを勧めています。その時にはできる限り人ごみを避け、マスク着用しないことを勧めています。咳喘息患者にも同様に、(感染症による症状ではないのだから)外出を控える必要は全くないことを伝え、職場で文句を言われるようなら咳喘息だから心配ないことを示す診断書を書いてあげたりもしています。また、罪悪感を覚えて自分の行動を自分自身で抑制してしまう必要がないことも説明しています。

ちなみに当院では喘息患者にももちろん漢方治療を提供しています。患者の体質(証)にもよりますが、基本的には喘息患者には麻杏甘石湯や神秘湯などを使用することが多いです。咳喘息で乾性咳嗽のみが主訴の方には二陳五虎湯、麻黄が使用できない症例には麦門冬湯などを使用しています。さらに慢性的な経過を辿っている喘息患者や、痰が多く軽い肺炎を合併していることが疑われる症例(+聴診で湿性ラ音)には清肺湯を追加処方したり、咳と痰がひどく発熱している時には清肺排毒湯を処方することもあります。何れにせよ喘息症状はこのような漢方治療で改善する方が多い印象です。

また、当院では喘息患者に対しては、呼吸機能検査(スパイロメーター)を実施しており、今後はできれば呼気NO測定器も導入する予定です。これらで具体的なデータを取りつつ、将来的には何か論文としてまとめられればと思っています。ちなみに私自身の印象としては、喘息(気管支喘息、咳喘息含む)に対する漢方治療はかなり効果があるようで、感覚的には喘息で来院した患者の8割以上の方に何らかの症状を改善させる効果があるように思います。この時期に喘息症状があって困る方がいれば、ぜひ当院までご相談いただければと思っています。

 

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