当院の来院患者の抱える疾患について(facebookより転載 2019-11-28)

すでにご存知のように、当院には、アレルギー・アトピーや、膠原病・自己免疫疾患といった慢性疾患の患者が来院されます。
そこで、先日年間を通して、どのような疾患の患者が来院されているのか、今後の患者の動向を調べる目的も兼ねて、当院に通院中の患者の疾患を集計してそのランキングを作成してみました。

その結果、当院の来院患者の抱える疾患ベスト5(2019年度:1月〜11月まで)は、以下のような結果になりました。

1位 アトピー性皮膚炎
2位 アレルギー性鼻炎
3位 気管支喘息(咳喘息含む)
4位 関節リウマチ
5位 クローン病

想定していた通りでしたが、やはりアトピー性皮膚炎の患者数は際立って多かったという結果が出ました。このことから、老若男女問わず、幅広い方々がアトピーを患って当院に通院しているという現状が再認識できました。もちろん、ステロイドや現代医療の標準治療に対する不信感が当院受診の大きな動機になっていると思われます。
また、1位から4位までがアレルギー疾患で占められており、漢方治療がアトピーを含めたアレルギー疾患の患者に、まだ幅広く受け入れられているのだろうということが伺えます。

この中でも異色の存在なのが、5位にランクインした「クローン病」です。「クローン病(Crohn’s Disease:CD)」とは、小腸や大腸などの消化管に原因不明の炎症が起きてびらんや潰瘍ができてしまう慢性炎症性疾患です。主な症状としては、腹痛、下痢、血便、発熱、肛門付近の痛みや腫れ、体重減少などがあります。
実は、当院では6位に「潰瘍性大腸炎」という、これまた原因不明の炎症が腸に起こるという難病がランクインしており、5位の「クローン病」と合わせると、4位の関節リウマチに匹敵するほど多くの患者が来院していることがわかりました。
ちなみに、「潰瘍性大腸炎」は我が国の総理大臣である安倍晋三もこの病気を患っていることがわかっていますが、「クローン病」と合わせて「炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)」と呼ばれており、厚生省によって”難病指定”されている、(現代医療では)治らないとされている病気の一つです。すでにIBD患者は、日本全国で15万人を超えており、近年若い方に増加している疾患です。

私が当院の院長に就任してからも、このIBD患者は新たに来院し続けており、半年でクローン病と潰瘍性大腸炎を合わせて15人の患者が新たに来院されていました。
これは一人の医師しかいないクリニックとしては、極めて珍しい事であり、当院の一つの強みであると考えています。
しかも、何も自慢するわけではありませんが、そのうち半数以上の方が、当院の漢方治療(と生活指導)で症状の改善がみられ、完全寛解状態(症状はなく、採血で炎症反応陰性化、内視鏡的異常所見もなし、その後漢方治療も必要なくなる)に至っておられます。
今後の課題として、このような患者に対する治療の有効性などを統計的に調べ、公開していくことができればと考えています(論文化が最終目標)。

以上、当院の動向についてまとめてみました。
これから来院される予定の患者の参考になれば、と思います。

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