【「“生命の本質”から根本治療を考える」シリーズ第一弾:生命とは何か?Part9 「遺伝子」から「エネルギー」へ ~生命を動かしている「代謝ファースト」の仕組み~】
生命を解する鍵として改めて注目されるようになったのが、エネルギー代謝です。生命とは本質的に、外部からエネルギーを取り込み、そのエネルギーを利用して絶えず化学反応を維持することで秩序を保っている動的なシステムです。この視点を理論的に整理した研究として、ニコルソンとゴーンは、生命を理解する枠組みとして遺伝子よりも代謝ネットワークを基盤とする “metabolism-first biology(代謝ファーストの生命観)” を提唱しました[96]。これはつまり、「生命とは静的な遺伝情報によって一方向的に決まるものではなく、複雑な代謝ネットワークによって維持される動的なオープンシステムとして理解すべきである」という考え方です。これは先述してきたシュレーディンガーやプリゴジンら著名な物理学者が出した結論とも一致するものです。
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